以前、違法ダウンロード刑事罰化についての記事を掲載しました。
そこで、“DVDリッピング違法化+私的違法ダウンロード刑罰化法案”と記載しましたが、DVDリッピング違法化についての内容を書いていなかったため、こちらで解説させていただきます。
なお、リッピングという言葉を聞き慣れない方のために簡単に解説すると、DVDの動画やCDの音楽をパソコンに取り込むことを言います。
リッピング違法化の内容について
リッピング違法化で主に関心を寄せられるのは、5つのことだと思います。
1、CDからのリッピング行為。2、DVDからのリッピング行為。3、CDからリッピングしたものを音楽プレイヤーにコピーする行為。4、DVDの映像をスマートフォンなどにコピー行為。5、今までにリッピングしたものを私的利用のためにコピーする行為は違法になるか?
個々に解説させていただきます。
CDからのリッピング行為
基本的に合法です。“基本的に”とついているのは、通常のCDにはコピー制御がついていないためです。いわゆるCCCD(コピー制御がついているCD)をリッピングするのは違法となります。
DVDからのリッピング行為
違法です。一般にDVDはアクセス制御がされており、この制御を回避してリッピングを行うことは違法になります。
CDからリッピングしたものを音楽プレイヤーにコピーする行為
合法です。ただし、元のCDにコピー制御がついていないというのが条件で、制御されていた場合に音楽プレイヤーへコピーした場合は違法になります。
DVDからリッピングしたものをスマートフォンなどにコピーする行為
違法です。DVDからのリッピング行為自体は基本的に違法であるため、それをスマートフォンなどにコピーする行為はできません。
今までにリッピングしたものを私的利用のためにコピーする行為は違法になるか?
なりません。DVDのリッピングが違法になるのは本日(10/1)からで、今までは違法ではありませんでした。法が遡及することは原則としてあり得ませんので、違法ではありません。
リッピング違法化の要点と補足について
今回違法となるのは、いわゆるコピープロテクトがかかっているものをコピーするという“技術的保護手段の回避”がなされているかが焦点となります。
この回避がなされている場合は違法となり、なされていない場合は基本的に合法となります。
ただし、私的利用ではない場合、回避がなされていない場合でも違法となるのでご注意ください。
また、レンタルショップで借りたCDをリッピングしてから返却するのは合法です。
ただし、コピープロテクトがかかっている場合もあるので、注意しましょう。
今回の法改正ではリッピングによる刑事罰はありません。
けれども、お気に入りの新作映画をスマートフォンなどにコピーして移動中に見れなくなるのは、ちょっと寂しいかもしれませんね。
(image: FLICKR on DVD by C.P.Storm)