以前にGoogleが公式にAnalytics Academyを開講するというブログを書きましたが、コースの全内容が出揃っています。22コマで出来ており、1コマ10分前後の動画(もしくはテキスト)となっているので、4時間ほどで学士号をもらえますね。
私もGoogle Analyticsを万全に使いたいので、この講義を受けてみようと思います。その備忘録、あるいはレポートとして、ブログを残していきます。
Unit 1はコースの概要説明となっており、特にレポートすべきところも無いのでスルー。今回はUnit 2.1 – The importance of digital analytics(デジタル分析の重要性)です。
Unit 2.1 – デジタル分析の重要性
この項の目的は『劇的に変化した消費者行動に対して、企業が測定を行う必要性』について。
ユーザーの行動が大きく変わったことは言うまでもありません。そのポイントは“3つ”あります。
- インターネットによって、情報へ、誰でもクリック1つでアクセスできるようになった。
- モバイルデバイスによって、いつでも、どこでも、人々は繋がれるようになった。
- クラウドコンピューティングによって、高い処理能力を安価で得られるようになった。
特に1と2は、消費者に対して多大な影響を与えています。製品のレビューを読んだり、友達やブロガーのオススメを聞いたり、製品比較が、以前よりも圧倒的に容易に、しかも素早く手に入るようになったのです。
3のクラウドコンピューティングは、消費者よりも企業側に大きな力を与えました。つまり、データベースです。しかしデータベースは、単品で使えるものではありません。蓄積されたデータを分析し、解釈を行い、オンラインで消費者と繋がるために、中身を理解をしなければならないのです。
データの中身を理解して、より効果的に消費者と繋がることによって、業績を上昇させる。それが“デジタル分析”です。
分析のファーストステップ
分析を行うにあたって、複数のステップがありますが、一番最初にすることは、あなたの顧客についての分析です。購入に至るまでの道のりを、漏斗型(ファネル)の図で示したものがあります。マーケティング担当者にとっては、穴が空くほど見たものでしょう。
- ブランドの認知
- 興味を惹く
- 潜在的な顧客と繋がりを持つ
- オンライン、オフラインで購入してもらうためアクションを起こす
- 顧客と長期的な関係を築く
これを見ると、インターネット時代において主導権は常に消費者側に属します。ブランドを認知してもらうには、検索エンジンやソーシャルメディアで見つけてもらう必要がありますし、ネットを介したアプローチは“見たくない”と思えばすぐにカットすることができます。
つまり、あなたがマーケティングを担当しているとすれば、顧客の購入へ至る旅(上記のファネルをGoogleがそう呼んでいるので、便宜上習います)の道のりで、適切な場所に適切なメッセージを送る必要があるわけです。その適切な場所やタイミングを見つけるためには予測と分析が必要となりますし、本当に適切なメッセージだったか分析しなければなりません。そのためにも、デジタル分析をする上で、顧客を分析するのです。
しかし、“アクセス解析ツール”では、ウェブサイトについての定量的なパフォーマンス分析が出来るだけに留まっていました。しかし、特に大手企業や中堅企業では、モバイルアプリで消費者との関係を築いているところもあるでしょう。ウェブサイトの分析だけでは、不十分になっています。つまり、ウェブサイトだけでなく、消費者と関わりのある場所を包括的に分析してこそ、オンラインマーケティングの分析(=デジタル分析)、改善が行えるようになります。Google Analyticsは、モバイルアプリ、クラウドのPOSシステム、CRM、コンシューマーゲーム機などのデータが、新技術によって分析できるようになりました。
一方で、定量的に判断できないデータもあります。それが質的データです。質的データは、例えばアンケート調査によって導き出せます。“なぜサイトの目的が達成できなかったのか”を細かな項目ごとにユーザーへ質問することで、定量的には得られないデータが獲得できるわけです。これにより、サイトのさらなる改善を施すことができます。
効果測定
オンラインの世界で広げられるビジネスには、共通した5つの目標があります。
- ECサイト:製品やサービスを販売すること。
- リードジェネレーションサイト:営業チームが活用できるユーザー情報の収集と、潜在的な見込み顧客を見つけ出すこと。
- コンテンツパブリッシャー:ユーザーに訪問してもらい、関係を築くこと。
- 情報、サポートサイト:ユーザーが欲しい情報を適切なタイミングで提供すること。
- ブランディングサイト:認知度を上げて、良い関係を築き、ロイヤリティを高めること。
ただし、この効果測定を行うためには、事前に戦略を立てて、“目標数値”を決めることが重要です。目標無くして、成功したとは言えませんよね。
また、上記の5つの目標をGoogleは“マクロコンバージョン”と呼んでいます。目標という大きな枠に到達したという意味合いです。一方で、マクロコンバージョンに達成しないまでも、今後達成する可能性のある人々も存在します。ECサイトで言えば、アカウントを取得して、メールクーポンや新製品の通知を受け取っている人がそれに当たります。これを“マイクロコンバージョン”と呼んでいます。インターネットは継続的な繋がりを簡単にしたため、マクロとマイクロ、両方のコンバージョンを測定する必要があるでしょう。
効果的な改善を行うために
分析したデータで、オンラインマーケティングの改善を行いましょう。具体的なステップは5つです。
- まずは測定を行います。“購入へ至る旅”は、どの段階で、どのくらい離脱しているかを認識しましょう。
- 次に、測定したデータをレポート化します。ビジネス上の意思決定を行う人の判断材料とするため、簡潔なものとしましょう。
- その後、分析を行います。トレンドの認識といった単純なことから、競合との比較分析といった複雑なものまで様々なものが含まれます。分析は、仮定したプロセスがなぜダメだったかを認識するのに役立ちます。
- 分析して見つかった問題点を改善し、テストします。改善された部分に対する意見を収集し、万全を期する重要なプロセスです。
- このフローを繰り返して、継続的に改善を行います。
まとめ
Google Analyticsの使い方というよりも、分析という概念や導入すべき理由という項目に近かったですね。最後に、箇条書きでまとめておきます。
- インターネット、モバイルによって消費者の行動は変わり、クラウドコンピューティングは企業にデータベースを与えた。データベースに蓄積したデータを“分析”することで、消費者に対して効果的なアプローチを行うことができる。
- ウェブ分析だけでは不十分。なぜならウェブサイトだけが、消費者とあなたを繋げる架け橋ではないから。オンライン全体を分析する“デジタル分析”が求められる。
- デジタル分析を活用するためには、目標を立てて、成功したかどうか、効果測定を行う。
- 測定、レポート、分析、テストを継続的することで、最善の効果が得られる。