2014年、スマートフォンの出荷台数はPCの出荷台数の3倍になると予想されており、モバイルの世界は止まることなく拡大することは既定の路線になっています。
それに伴って、オンラインの広告費はデスクトップからモバイルへと移っており、今年もモバイル広告費は拡大するでしょう。その予測データを、eMarketerが公開しました。
また、今年成長するモバイル広告は何なのでしょうか? それについても、あわせて見て行きましょう。
今年のモバイル広告はどうなる?
2013年のモバイル広告は前年比で105%成長の179億6000万ドル(1兆7960億円)でした。今年、2014年は75.1%増加の314億5000億ドル(3兆1450億円)になると見込まれています。この数字は
特にこの成長を牽引するのがFacebookとGoogleで、この2社だけでモバイル広告のシェアを68.5%(215億ドル, 2兆1500億円)を占めます。この内訳を見るとGoogleは3.3%シェアを低下させる一方、Facebookは4.2%増加と目覚ましい成長です。また、Facebookは2012年から2013年にかけて12.1%シェアを拡大しており、モバイル広告で成功した会社と言えるでしょう(Googleは2012年から2014年でシェアを6.2%低下させている)。
(eMarketerより引用)
アメリカではどうなる?
世界のモバイル広告市場が拡大することは分かりましたが、具体的に、どのような分野が拡大するのでしょうか? 全世界の例はありませんでしたが、アメリカのデータを同じくeMarketerが発表していますので、そちらを見てみましょう。
資料を読んで最も目につくのは、モバイル広告は83%成長する一方で、デスクトップ広告は-2.4%萎んでしまうという部分です。CiscoのVisual Networking Indexを見ると、モバイルトラフィックは2013年と比較して約1.8倍になっています。単純に比較することは出来ませんが、デスクトップからモバイルへとユーザーが移っていると考えられますので、デスクトップの広告費が低下するのは当然の流れでしょう。
さて、モバイル広告は軒並み80%以上の急成長を遂げていますが、その中でも動画広告の成長は119%と際立っています。デスクトップの方を見ても、他の広告は1桁かマイナス成長であるにも関わらず、動画広告は26.4%の成長となっています。eMarketerが昨年発表したデータではアメリカのオンライン動画広告の市場規模は約41億ドルでした。これはデスクトップとモバイルを合わせたものですが、この数値の躍進を想像するのは容易ですね。
最後に
モバイル広告の世界は広がり、デスクトップ広告の世界は縮む。トラフィックの世界にも訪れている分かりやすい変化です。特に動画広告はモバイルインターネットが高速化することによって、市場規模を増すことになるでしょう。Facebookも動画広告の一般公開を控えており、盛り上がりは一層増しそうです。
拡大するモバイルの世界に、みなさんはどのように対応していきますか?
(Photo: Sony Xperia J by Vernon Chan)