みなさんのお財布の中にクレジットカードは何枚入っていますか。大きな買い物をする以外、あまり出番がないのではないでしょうか。今回は、日本のクレジットカードの普及率を海外と照らし合わせてご紹介します。
日本のクレジットカードの普及率
日本では、現在年間約3億枚のクレジットカードが発行されており、国民1人あたりの所持数は約3枚になります。しかし、持っている人は多いけど使っていないというのが現実です。日本でのクレジットカード利用率は、12%と世界的にみても低い位置にあります。
(クレ活「日本のクレジットカード利用率が激的に低い3つの理由」より)
最もクレジットカードの利用率が高いのが韓国です。政府がクレジットカード普及に力を入れており、カードを使って買い物をすると利用控えに宝くじ番号が記載されています。そのため、国民は宝くじ当選の望みをかけて、クレジットカードを使うようになるのです。また、アメリカではクレジットカードよりデビットカードの利用率が高く、コーヒー一杯からでもデビットカードで支払う人が多いようです。
日本のクレジットカード事情
なぜ、日本ではクレジットカードの利用率が伸びないのでしょうか。それには、日本でのクレジットカードへ対するイメージや環境が大きく関係していると考えます。以下に日本でのクレジットカードのイメージについて考えてみました。
日本でのクレジットカードのイメージ及び利用環境
- クレジットカード=「借金」というイメージがある
- 高額な商品を買うために利用するという考えがある
- 店頭でクレジットカードを提示すると嫌な顔をされることがある
- クレジットカード決済に時間がかかる
- クレジットカードへの知識がない
- 不正利用が懸念される
- 治安が良いためカードより現金の方が安全だと考えている
- 国で政策などが行われていない
- 自己破産や返済が懸念される
- 加盟店の手数料が海外に比べて高いため導入されない
このように日本では、クレジットカードが使いにくい環境が広がっているため、同時に利用率も低くなっているのではないでしょうか。最後の項目にある「加盟店の手数料が海外に比べて高いため導入されない」理由について、以下の図を参考下さい。
海外では、クレジットカードを利用する人が多いためカード発行会社は利用者からの利子で利益がでます。そのため、加盟店への手数料が低くなり、導入しやすい環境になっています。クレジットカードを導入することで、以下のようなメリットが得られます。
クレジットカード決済を導入するメリット
- 現金が少ないため閉店後の売上計算が楽になる
- 海外からの観光客の利用が増える
- 高い商品を買ってもらいやすくなる
しかし、日本ではクレジットカードを利用する人が少ないため、カード発行会社は利用者から利子を見込めず、加盟店からの手数料で利益をあげる他ありません。そのため、必然的に加盟店への手数料が高くなり、導入されにくい環境へとなっているのです。
ネットショッピングで使われるクレジットカード
日本では、クレジットカードは店頭で利用する人より、ネットショッピングで利用する人が7割もいます。
(MMD研究所「クレジットカードの利用に関する実態調査」より)
代金引換や銀行振込では手数料がかかりますが、クレジットカードでの1回払いの場合、手数料がかからないため、利用率が増加していると思われます。次に家電量販店での利用が多く、高額な商品を買う場合にクレジットカードが利用されるためだと考えます。
最後に
日本では、海外よりもクレジットカード利用が浸透しておらず、利用環境もよくないことから、持っているけど使っていないというクレジットカードの現状がみられました。しかし、ネットショッピングではクレジットカードの利用率が高いので、そこから利用者を増やすことができるのではないでしょうか。クレジットカードの仕組みを理解し、クレジットカードへの知識をしっかり持つことが、日本のクレジットカード利用率を上げる1つの道ではないかと考えます。
(Photo: dsc01367 by Mike Linksvayer)