位置情報を使ったスマートフォンアプリは、数多くリリースされています。自分の行った場所を記録するfoursquare、移動距離によって街を成長させるコロニーな生活、はたまた知り合いの場所を特定するCOCOなう!まで、需要は様々あることが分かります。
その中のひとつに、Humanというアプリがあります。Humanはウェブサイトで「毎日30分以上動くこと。それは最も簡単にあなたの健康を維持する方法です」と説いており、それを手助けするアプリです。毎日の移動をトラッキングして、その日に30分動いたかどうかを診断してくれます。
Humanは、ここで蓄積したデータを集計し、世界各国の大都市の移動方法を公開しました。公開されたのは、以下の30都市です。
- アムステルダム (オランダ)
- オースティン (アメリカ)
- バンコク (タイ)
- ベルリン (ドイツ)
- ボストン (アメリカ)
- ケープタウン (南アフリカ)
- シカゴ (アメリカ)
- コペンハーゲン (デンマーク)
- ダブリン (アイルランド)
- 香港
- ヒューストン (アメリカ)
- イスタンブール (トルコ)
- リスボン (ポルトガル)
- ロンドン (イギリス)
- ロスアンゼルス (アメリカ)
- メキシコシティ (メキシコ)
- マイアミ (アメリカ)
- モントリオール (カナダ)
- ニューヨーク (アメリカ)
- パリ (フランス)
- ポートランド (アメリカ)
- リオデジャネイロ (ブラジル)
- サンフランシスコ (アメリカ)
- シアトル (アメリカ)
- ストックホルム (スウェーデン)
- シドニー (オーストラリア)
- 東京 (日本)
- バンクーバー (カナダ)
- ウィーン (オーストリア)
- ワシントン (アメリカ)
東京のデータをピックアップして見てみましょう。なお、各都市の大きな画像データはこちらからダウンロードできます。
東京を移動する人は、どうやって移動しているの?
まず、東京を移動する人と、世界の都市の平均が示されています。
世界の都市ではMotorizd(エンジン付きの乗り物、車や電車)が過半数を占めていますが、東京の場合は徒歩がその地位にいます。東京は交通網が概ね整っていて、大体の場所は電車で行くことができますし、駅からは徒歩ということも多いので納得です。
自転車も歩道や駐輪場の関係上使いにくい上、電車を使えば事足りることが多いため、他の都市よりも割合が低くなっているのではないでしょうか。東京オリンピックの際にはもっと自転車を活用できるようにすべきだという意見もあり、今後の課題になりそうですね。
ランニングについては、最近の健康意識の高まりから行っている人も増えているようですが、世界的に見るとまだまだ少ないのでしょうか。
どのような経路をたどっているのか?
割合を見た後には、具体的にどんな場所を通って移動しているのかというデータが示されました。興味深いので、1枚ずつ見ていきましょう。
1枚目は徒歩です。明るくなっている部分が歩行者が通った道ですが、ほぼ東京全域が明るく照らされていますね。都心から外れた辺りで特に明るいのは府中と町田でしょうか?
続いて電車/自動車の図です。輪を描いているのは山手線で、その真ん中を通るように総武線があり、東急各線も明るくなっているのが分かります。自動車はそれほど多くない印象を受けますね。
前者の2つと比べると光り方がまばらです。都内に引越した人たちが近くに居を構えて、その人達が自転車を使っているのでしょうか。府中や町田辺りも自転車が多いですね。長く太い線を描いているところもありますが、ここはなんでしょう?
最後にランニングです。長距離で光っている部分は河川の付近のように見えます。真ん中の円は皇居で、多くのランナーがいるので納得ですね。
ランキング
最後に、世界の都市ランキングを見てみましょう。
一番特徴的なのは自転車で、アムステルダムとコペンハーゲンが他の追随を許していません。このその中でもコペンハーゲンに注目すると、コペンハーゲン市は政策として自転車と徒歩の利用を推奨しているようです。2015年までに通勤・通学の半数を自転車で行うようにする、駐輪施設の設置を義務付けるなどの政策が取られています。
徒歩では東京が3位につけています。都会に行けば行くほどよく歩く、と私は思っていますが、地方でも同じようなデータを取ってみると面白い違いがわかるかもしれませんね。
最後に
人の移動をデータ化したものを見てみると、その土地の特徴や今後の課題等々、様々なものが見えてきますね。人の移動とは異なりますが、モバイルヘルスという概念が広がっていったとき、細かな地域ごとの罹患率なども分かりそうです。
新たな問題を見つけるのって、こういうデータを持っているサービス提供者に移っていきそうですね。