ドコモが家庭用光回線よりも高速な無線通信規格『LTE-Advanced(アドバンスト)』を、2015年から開始すると発表しました。
朝日新聞デジタルが報じた内容はこちら。
【大宮司聡】NTTドコモは、家庭で使う光ファイバー回線をしのぐ超高速の携帯電話サービスを、2015年に始めることを決めた。現在、携帯電話各社が提供する高速無線通信規格「LTE」の5倍以上の速さになるという。他社に顧客を奪われているドコモが、得意の自社技術で巻き返しを図る。
新技術の名称は「LTEアドバンスト」。昨春時点では導入時期を「16年度以降」と見込んでいたが、各社のスピード競争が激しくなるなかで前倒しすることにした。
新技術は、異なる二つの周波数帯を組み合わせるのが特徴だ。一つの周波数帯でデータをやり取りするこれまでの方式よりも多くのデータを流しやすくなり、高速化できる。スマートフォン(多機能携帯電話)でも快適に高画質の映画を見たり、ゲームをしたりできるようになるという。
LTEの5倍超、高速携帯 ドコモ、15年に前倒し導入(朝日新聞デジタル)
特に具体的な内容が書かれていないので補足を入れると、LTE-advancedは、高速移動時に100Mbpsの実現を目標として定められています。これは現在、日本の通信事業者が提供しているLTE以上の速度です。低速移動・停止時には1Gbpsという、光回線と同等以上の目標を定められています。ちなみに理論上の下り最高速度は3Gbpsとなっています。
ユーザー側のメリットは記事の『スマートフォン(多機能携帯電話)でも快適に高画質の映画を見たり、ゲームをしたりできるようになるという。』という部分です。どういうことかと言うと、通信速度向上によるダウンロードの高速化はもちろん、通信の遅延が発生しにくいので、リアルタイムな操作ができるようになります。要はMMOのようなゲームがストレスなくできるようになる、というわけですね。
通信事業者としても通信速度が早くなることで、ユーザーに価値を提供できます。特にドコモは一部で「魅力的な端末が無い!(というか、iPhone?)」と言われていますので、こうした最先端の技術を導入することで巻き返しを狙っているのでしょう。
また、LTE-Advancedが使えない場所でも、LTEの基地局があればLTE端末として使うことができます。これはキャリアアグリゲーションという技術で、詳しく書くと難しいため説明は省きます。
モバイルで光回線以上の速度を提供してくれるLTE-Advanced。導入開始時からこの速度で利用できるかは不明ですが、速くなったモバイルの世界に、どのような変化が訪れるか楽しみです。個人的にはクラウドゲーミングを期待しています!
【参考】
LTE-Advanced(3GPP)