2013年日本の潮目は変わりました。インターネットとウェブがインフラとなったことにより、日本人自身が思い込んでいたものが実は幻想に過ぎなかったことがわかりました。プロはずっとプロのまま、と思っていたのが実はプロとアマの境界線など無いということ、分かり合えるということで体罰を加えていたのに実は何もわかりあえていなかったこと、経済も制度もそして企業も依存できるものなど実は何も存在しなかったこと、それが今です。2013年以降の日本は本当の意味で近代に突入したのです。そして、私たちのあり方とともにマーケティングも変わります。
コミュニケーションの実態
コミュニケーション文化には、ハイコンテクストとローコンテクストがあると言われています。コンテクストとはコミュニケーションの基盤である「言語や共通の知識、体験、価値観、ロジック、嗜好性」などのことです。
日本人は単一民族で、むかし有名な広告コピーにもあったとおり「男は黙ってサッポロビール」という誰もが同じコミュニケーション文化を持つハイコンテクスト文化であり、西欧諸国は歴史的に異民族との紛争を繰り返してきた文化が異なる民族どうしのローコンテクスト文化だと考えられていました。
しかし、インターネットとウェブがインフラになって顕在化したことは、実は日本人…いえ、人間はそもそもローコンテクストな生きものだということです。
SNSや多様なコミュニティが明らかにしたものは、誰一人として自分と同じコトを考えているものなどいないということ、共通の価値観で縛られていてみな同じコトを考えているはず、と思っていた日本人は、実はみんな考えていることが違っていて、いいものやよくないものなどは一人ひとりの価値観によってまったく異なっていたという事実です。
社会を支える共通の価値観、たとえば、プロはずっとプロのまま、と思っていたものが実はプロとアマの境界線などなかったこと。男性性と女性性も生物学や医学などの領域以外では多様な嗜好を見せていること、制度や国家や企業は依存できる存在や構造ではなかったということ、日本人における今までの事実が実は勝手な思い込み、幻想にすぎなかったことがわかりました。
マーケティングは、このような文化環境の中においても顧客との合意形成を図らなければなりません。つまり、コミュニケーションの思考を変える必要があります。
まず大切なのは他者と完全につながって価値を共有することはほぼ不可能だが、敢えてコミュニケーションに賭けるという姿勢でしょう。顧客に対して過度に傲慢になったり期待したりしないこと。そして、このシリーズでもお伝えしているとおり、つながり資産とコンテンツ資産に貴社の独自性を発揮し、一貫したメッセージで誠実にして多様かつ豊富にコミュニケーションを図り、顧客に可能なかぎり貴社の事業の本質を理解してもらうことです。
本当に顧客が欲するもの
このようにコミュニケーションの文化と環境が変わってしまうと、前述したように顧客の意思や要求はそんなに簡単には把握できません。インタレストグラフが活性化しているといわれるFacebookも貴社にとっては外国のような存在なので事業との関連には距離感があります。
やはり、貴社の事業に関して顧客が本当に欲するものを理解するためには、しくみ資産として貴社独自のコミュニティを構築し、顧客とコミュニケーションをとれるようにすることです。
上記の図の「実践4:価値を活かしてもらおう!」のように、Webマーケティングの究極の目標は、生涯顧客を創造して、貴社独自のコミュニティを構築することです。
自社コミュニティをつくる意図は、貴社が、
●顧客が本当に欲するものがわかるかもしれない
●顧客どうしで欲するものを見つけるかもしれない
ということです。
貴社の商品やサービスに関連しなくとも、顧客の悩みや課題が把握できたり、顧客どうしで自分たちが新たな価値に気づいたり発見したりするかもしれないのです。
人は、自分が本当に欲しいものは何か、自分に何が合っているのか、自分に向いているものは何なのか…明確に言葉で表現できる人はほとんどいません。顧客が本当に欲するものは意識されない潜在価値として存在しています。
この潜在価値を顕在化させるためには、自社独自のコミュニティを構築して、生涯顧客を創造し、顧客と長期にわたって誠実にコミュニケーションを重ねていくことが必要なのです。
コミュニティコマース
Webマーケティングの成果は交換(Exchange)によってもたらされ、そして顧客の現実感(リアリティ)も交換によってもたらされます。下記の図をご覧ください。
交換の前提には貴社の商品やサービスがあり、Webマーケティングの実践で構築した顧客とのつながり資産があります。顧客が貴社の商品やサービスに対して価値を認める場合に(貨幣などの価値による)交換が成立します。
しかし、双方にとっての本当の現実は交換後に発生します。良い交換は満足感と充実感があるものになり、顧客の生活や人生そのものが変わる可能性があります。逆に悲しい交換は失敗した、という悲しみと金銭を失ったという喪失感につつまれて顧客にとってネガティブな現実をもたらすことになります。
Webマーケティングにとって最も大きな機会は交換(Exchange)にあります。そして顧客は交換を通じて現実をつくって行きます。良い交換、正しい交換を行うことで顧客はよりよい現実をつくって行きます。
これから企業が行うべきことは、この顧客の交換を把握して充分に認識し理解すること、顧客の交換という行為を深く理解し、事業としての価値創造と提案に反映することが求められています。そのためには、より多くの生涯顧客を創造し、その生涯顧客たちのコミュニケーションと交換を支えるプラットフォームを築くこと、つまりコミュニティコマースの構築なのです。
PayPalや各種クレジットカード、スマートフォンによるECなどが様々なSNSと連携して決済、つまり交換の機会のサービスを提供しています。今までご説明したとおり、このようなトレンドになるのは必然ですが、これはまだ本来の意味でのコミュニティコマースではありません。
コミュニティコマースは、企業独自のコミュニティ内で交換行為を成立させ、かつ顧客の決済行動を認識、解釈できるプラットフォームを意味します。決済機会だけでは顧客の潜在的価値を把握することはできません。顧客との交換機会を継続することで、顧客の潜在価値における要求の傾向を把握し、商品やサービスにフィードバックできるしくみ、これがコミュニティコマースです。
そして、理想とするコミュニティコマースはインターネットとWebの中心コンセプトである“オープンに忠実であること”によってより大きな意味を持ってきます。貴社独自のコミュニティと様々なSNSが連携して顧客の交換機会をより広げていく。システムの概念で表現するとコミュニティコマースはオープンエクスチェンジプラットフォーム(Open Exchange Platform)ということになります。
アクチュアライズドマーケティング(潜在価値の顕在化)
まさにオープンエクスチェンジプラットフォームという設計思想のもとに構築されるコミュニティコマース。これがこれからのWebマーケティングにもっとも必要とされるものなのです。
顧客との大切な交換機会(決済)を他社まかせにせず貴社のしくみ資産の中に持つ。そして交換を中心とした顧客の思考や行動を支える環境や構造をつくること。
コミュニティコマースの中で、顧客は交換を中心として下記のような思考と行動をとります。
これは、我々が提唱している潜在価値を顕在化するためのマーケティングメソッド「アクチュアライズドマーケティング」の基本チャートです。
顧客は自分が持っている価値(Mobile Value)で、いろいろなコミュニティでソーシャルグラフを利用しながら経済活動をします。
まず顧客の潜在化されない価値は、評判と参加により喚起され、自身の体験や経験と顧客どうしの交流と議論によって納得を得て交換にいたります。交換後は商品やサービスを使用することにより顧客独自の使い方や価値を顕在化させます。
次に顧客は貴社のコミュニティまたはFacebookなどのSNSをとおして顕在化した価値を共有することになります。そして顧客の知人友人が共有と評判を知ることによって、このチャートのアクションに参加することで貴社のコミュニティが広がっていきます。
このサイクルが回り続けると、生涯顧客となるのです。
私たちはアクチュアライズドマーケティングという理論を提唱しています。そして、その理論に基づいたオープンエクスチェンジプラットフォームを提供し、貴社独自のコミュニティコマースを構築するお手伝いをしています。
日本の潮目は変わりました、貴社独自のWebマーケティングが求められる時代、いまそれが可能になったのです。
貴社と顧客の自由を実現するために。
Connect a Value and Make a Liberty!
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