インバウンドマーケティングを行う上で重要となるブログ。Hubspotを始めとするインバウンドマーケティングの情報を発信するページは、アメリカのデータを提供してくれています。そのデータを見れば、アメリカでブログを活用してGet Foundするのは有効だと判断できます。
それでは、日本で同じ手法は有効なのでしょうか? これは日本人がどのようにブログを見ているかを、総務省やcomScoreなどのデータを基にまとたものです。
前知識として、日本人のインターネット利用者数は平成23年度の段階で、9610万人です。これは人口普及率に換算すると79.1%に相当します。
日本人のブログ利用状況
1. 日本人のインターネット利用の目的
まず最初に、日本人のインターネット利用の目的について把握しましょう。
利用目的として最も多いのは「メールの利用(63.5%)」で、次に多いのが「企業・政府等のホームページ(ウェブ)・ブログの閲覧(51.1%)」となっています。単純に計算しても4800万人近い人が企業などのブログを読んでいることになります。
2. 日本人のブログ閲覧時間
2011年6月から1ヶ月間に渡る調査で、日本人の平均ブログ閲覧時間が62.6分となり、世界で一番ブログを見ている国であることが分かっています。これは2位の韓国よりも10分以上長くなっています。また、ブログを閲覧している日本人インターネットユーザーは80%を超えています。
SNS大隆盛時代を迎えても、日本はまだまだ「ブログ大国」!(comScore)
3. 日本人のブログ閲覧頻度
日本人のブログ閲覧時間は非常に長いことがわかりました。同じく、日本人のブログ閲覧頻度も非常に高いことがわかっています。
エデルマン・ジャパンが調査したところによると、日本人が一週間にブログを閲覧する日数は4.54日で、韓国は2.03日、アメリカは0.9日となっています。
日本におけるブログ利用動向調査結果(エデルマン・ジャパン)※リンク切れ
ブログの実態に関する調査研究 〜 ブログコンテンツ量の推計とブログの開設要因等の分析 〜(総務省)
4. 商品購入を決定する
商品やサービスを購入するとき、事前に情報収集する人は8割にのぼります。また、その際に参考する媒体として98%がインターネットをあげています。
また、インターネットで情報収集するとした人は、どのように参考する情報を得るのかという質問に対し、46.3%が「検索結果の上から順番に見る」と答えています。次点が「企業など信頼性の高そうなところから見る(23.9%)」となっています。
また、内容の信頼度については、「文章がしっかりしていること(47.7%)」が最も重要な要素となっています。ブログの真骨頂は文章です。この点を考えても、ブログは有効であると言えます。
「購買行動におけるクチコミの影響」に関する調査 〜クチコミが購入の決め手になった経験がある人は全体の約7割。特に女性がクチコミの影響を受けやすい傾向がある〜(gooリサーチ)
5. ブログをモバイルでも見られるようにする必要性
ここで若干視点を変えて、ブログをモバイルでも見られるようにする必要性についても考えてみましょう。
スマートフォンのシェアが増えていく中で、スマートフォンで毎日検索を行う人は68%にのぼっています。その中で最も多い検索内容は旅行(54%)で、次が商品やサービスの情報(51%)になっています。
また、最新の情報を入手するのに、ウェブサイト・ブログ・掲示板をチェックする人は50%に達します。この数値は「新聞や雑誌のポータルサイトでニュースを購読(42%)」する割合より高くなっており、ブログの重要性を示すものと言えるでしょう。
平成23年度のインターネット利用者のうちスマートフォンユーザーは約2割に達します。これは人数に換算するとおよそ2000万人になります。今後もこのユーザー数は急激に増加すると見込まれていますので、必ずスマートフォンに最適化しておきましょう。
Our Mobile Planet: 日本 モバイル ユーザーの実態(Google)
平成24年版 情報通信白書のポイント(総務省)
6. スマートフォンで最も利用されているのはGoogle検索
スマートフォンからのサービス利用状況は、男女ともにGoogle検索がトップとなっています。世代別に見ても、10代以外はGoogle検索がトップです。特に10、20代のリーチは80%を超えており、いかにGoogle検索によって自分が見たい情報を探しているかがわかります。
ニールセン、スマートフォンの利用者属性別のサービス利用状況を分析(ニールセン)
最近は、スマートフォンからのサイト閲覧が増えています。5.でも同様のことを書いていますが、ブログを行う上でスマートフォンへ最適化することは必須です。ハイベロシティの場合でも、訪問数の約1/3がモバイルからとなっています。
アメリカのデータ
ここまで日本のデータをまとめてきましたが、やはりデータが少ないと言わざるをえません。参考までにHubspotのデータを見ていきましょう。
80%のインバウンドマーケッターは、ブログはROIを促進させたと考えている
(2013 STATE OF INBOUND MARKETING by Hubspot)
月に15回以上ブログを投稿する企業は、平均で1200人の見込み顧客を得ている
(2013 STATE OF INBOUND MARKETING by Hubspot)
43%のマーケッターは新しい顧客をブログで作り出した
(2013 STATE OF INBOUND MARKETING by Hubspot)
月1回ブログを投稿する企業は57%なのに対し、毎日投稿している企業は82%がブログを通じて顧客を獲得している
(2013 STATE OF INBOUND MARKETING by Hubspot)
ブログはウェブサイトへの訪問者を55%増加させた
(Introduction to business blogging by Hubspot)
ブログを行っているB2C企業は、行っていない企業よりも88%多くの見込み顧客を得た
(Introduction to business blogging by Hubspot)
ブログを行っているB2B企業は、行っていない企業よりも67%多くの見込み顧客を得た
(Introduction to business blogging by Hubspot)
ブログが見込み顧客や顧客を獲得する上でいかに役立つか、非常に分かりやすいデータです。ブログを行っている企業は、B2C・B2B両方で行っていない企業よりも60%以上多い見込み顧客を得ているという点は、特に見逃せないでしょう。もちろん、必要となるのはブログだけではありませんが、ひとつの要因となるのは確かです。