日本時間16日午前1時、Googleが開発者向けに行うカンファレンス『Google I/O 2013』が行われました。ちなみにこのI/Oには、“Innovation in the Open”や“Input/ Output”という意味があるそうです。
2008年にはAndroid、2010年にはChrome Web Storeなど毎年革新的なものが出てきましたが、今年はどのようなものが発表されたのでしょうか? 早速見ていきましょう!
Google I/O 2013
1. 新しいGoogle Map
噂されていたGoogle Mapの新UIは、どうやら事実だったようです。
検索や、マップ上のプレイスのクリック履歴や、Google+で繋がっている人のレビューなどが反映され、マップがパーソナライズされていきます。
まだ一般公開されていませんが、特設サイトから申し込むことで、プレビュー版を利用できるようになります。

2. 検索
大きく3点変わります。
ハンズフリー
今までもGoogleは音声検索を提供していましたが、デスクトップのブラウザで完全なハンズフリー検索が可能になります。
マイクに向けて「OK Google」に続けて質問を投げるだけで、検索結果を返してくれるようになります。また、話の前後から言葉の意図を読み取るようになっており、I/Oのデモでは「OK Google、サンタクルーズにあるボードウォークの写真を見せて」「OK Google、ここからそこまでどの位かかる?」という話の、「そこ」を「サンタクルーズ」と認識しています。恐るべし。
Knowledge Graph
Knowledge Graphの機能も向上します。
「カナダの人口」について検索すると、現在だけではなく人口の推移データや、比較対象にしたい地域の人口を推移グラフで表示されるようになります。
Google Now
過去に検索した作家やアーティストの最新情報が表示されるリマインダー機能が付きました。このリマインダー機能で終電を逃すことも無くなりそうです。
また、デスクトップでも利用可能になります。
3. Android
Android Studio
Android専用の統合開発環境。
Windows、Mac、Linux向けのレビュー版を開発者ページからダウンロードすることができます。
Getting Started with Android Studio
Google Play game service
iOSのGame Centerのようなサービス。
リアルタイムでマルチプレイヤーゲームを楽しんだり、スコアによるランキングを競ったりできます。もちろんクラウドセーブやアチーブメントにも対応。
Google Play for Education
教育機関向けのGoogle Play Store『Google Play for Education』が2013年秋頃にローンチすると予告されました。
教師が紐付けられたデバイスへ、アプリなどの教材を一括配信できるようになったりするなど、便利な機能が追加されています。Chrome Bookは教育機関向けに評判がいいようなので、もしかしたらこれは成功するかもしれませんね。
4. Chrome
requestAutocomplete API
決済用API。
Chromeの同期を有効にしている場合、オートコンプリート機能を利用してブラウザ・デバイス間での入力を容易にする、とのこと。入力フォームが短くなればなるほど実際の決済に結びつく確率は高くなるので、これは相当便利なAPIかもしれません。
5. Google+
UI刷新
Google+のUIが大きく変わりました。Pinterestのような、2〜3カラムのデザインになりました。ちなみに自動更新から手動更新に切り替わっています。

また、Googleの独自アルゴリズムに基づいて『重要』だと判断されたものは大きく表示されるようになります。

ハングアウト
今までハングアウトはビデオ通話でしたが、今回Google+のメッセンジャーとビデオ通話機能が統合されました。Googleのメッセンジャー機能を統合したサービス『Googleバベル』の噂もありましたが、これがバベルにあたるようですね。
ちなみにChromeの拡張機能、Androidアプリはもちろん、iOS向けにもアプリが公開されています。

ビデオ通話などのログは全て保存できるようになっており、後から見直すこともできます。他のサービスにはあまり無い機能ですね。Google先生、さすがです。
写真関連
Google+だけに限らず、Google DriveやPicasaなどのストレージが統合されて、容量が15GBになりました。
また、撮影した写真を自動補正したり、良く撮れたものを抽出する機能もアピールしています。Googleの独自なものとして、ランドマークなどを考慮し、写真の撮影場所に基づいた写真の質判断もできる可能性がある、としています。
サブスクリプション音楽サービス『Google Play Music All Access』
Googleの音楽サービスに新しくサブスクリプション音楽サービスが加わりました。Google+と連携したり、音楽の好みを反映するレコメンド機能などがあります。月額は9.99ドル。
しかし、日本からはまだ利用できないようです。早く使いたい…!

全体的に、ユーザーデータを用いたサービスが目立ちますね。検索やマップ、音楽などもデータに基づいてパーソナライズをしていく、という方向性がよく見えます。Googleほどユーザーデータを所有している企業はそうありませんので、期待が高まります。
Googleの方向性を見ると、今後の検索エンジンの目指す先もなんとなく想像できますね。——最も、Googleが行っていることは“ユーザー体験の最適化”ですので、全てのウェブサイトも、この最適化を見習うべきだと思います。