人の役立つコンテンツこそ王様

現代のウェブマーケティングを考える上で、有名な言葉があります。

Content is King(コンテンツは王様だ)

ちなみにこの言葉は、かの有名なビル・ゲイツが言ったのだそうです。1996年1月3日にMicrosoftのページで公開されたとのことなので、なんと17年も前の言葉が、今でも重要な概念と言われているのですから、ビル・ゲイツの偉大さが伺い知れます。

ちなみに元のページは読めなくなっていますが、他のページに写しがありますので、ぜひご一読ください。

Content is King by Bill Gates(Craig Bailey.net)

Content is King – Bill Gates(1/3/1996) (SlideShare)

私も最近初めて読んだのですが、非常に興味深い内容でした。

その中でも特に「これは!」と思った部分を考えてみたいと思えた上で、人が見てくれるコンテンツとは何かを考えてみます。

Content is King

まずは気になる部分を翻訳してみます。

半世紀前に起きたテレビ革命は、テレビの製造業など多くの産業を生み出したが、長期的に見たときに、勝者は情報やエンターテインメントを提供する人々だった。

そして、インターネットのような双方向ネットワークが到来したとき、“コンテンツ”という概念は非常に幅広くなる。例えば、コンピューターソフトウェアは極めて重要なコンテンツのひとつとなるだろう。そして、Microsoftは最も重要なものとして残り続ける。

しかし、多くの会社とっては情報かエンターテインメントを提供する機会に巻き込まれることになる。

(中略)

インターネットは情報をほとんどゼロに近い限界費用で全世界に向けて配布することができる。多くの会社はインターネットに向けてコンテンツを作成するプランを立てている。

テレビは人々に情報を伝えるという点で、大きな革命を起こしました。もちろん、上記の通り新たな製造業を生み出しましたが、一番大きいのは人々に動画と音声で情報を伝えられるという点でしょう。テレビコマーシャルも最も多くの人へリーチする広告として、アウトバウンドで大きな役割を果たしました。

そして、インターネットの登場で新たな“情報革命”が起こりました。それは双方向ネットワークが構築されたことです。とは言っても、ビル・ゲイツがこれを書いた当時は双方向のコミュニケーションが可能だったのは掲示板くらいなもので、今あるソーシャルメディアと比べれば稚拙なものだったと思います。実際、私がインターネットを初めて利用した歳も、この辺りとあまり離れていませんでしたが、双方向コミュニケーションと呼ぶには少し物足りなかった気がします(小学生の低学年だったので、はっきりとは覚えていません)。

しかし、この事情も今は別です。コンテンツを発信する土壌も固まり、その土壌であるブログやオウンドサイトでも容易にコミュニケーションが可能となりました。さらにソーシャルメディアも発達し、より活発なコミュニケーションをはかることが出来ます。検索エンジンも、当時と比較出来ないほど優秀になりました。これらによって多くの人々は、情報源をインターネットに移しています。

よってインターネットに向けてコンテンツを発信する重要性は、当時以上に高まっていると言えるでしょう。

テレビから公開するコンテンツを考える

しかし、コンテンツであれば何でもいいわけではありません。かつて情報伝達として最大の方法であったテレビも、今では78%の人が以前と比べて視聴時間が減っていると答えています。それは何故でしょう? 2つの記事を参考にすると。

「減っている」と回答している人たちは、「中立報道しないテレビは、信じない、時間のむだ」「見たい番組がなくなった」「ネットのほうが楽しいし必要な情報入ってるくるし」「見なくても生きていける」「視聴者をなめてるとしか思えない番組構成にただただあきれます」など視聴時間が減った理由をコメント。

78%の人がテレビの視聴時間「減っている」と回答(アメーバニュース)

「テレビ番組」がつまらない。

それも昨日今日に始まったことでは無い。ここ数年で、地上波のテレビ番組は確実に面白さをなくしたと言える。

粗製濫造される低レベルのバラエティ番組、ワイドショーと区別のつかないニュース番組、感動を与えず、安易な映画化やDVD化で収益を計るドラマ、嘗て娯楽の殿堂と呼ばれたテレビ番組は、間違いなくコンテンツとして死にゆく運命にある。

死にゆく地上波テレビ番組 — 多田純也(アゴラ)

断りを入れておくと、私はテレビが嫌いなわけではありません。NHKの『ダーウィンがきた』やBS朝日の『BBC地球伝説』といった番組は可能な限り観ています。しかし、2つの記事で示された『テレビから離れていった理由』というのには頷くところもある、ということです。しかもこれらの理由は『作成して、コンテンツを公開しても見られない理由』としても、妥当な部分が3点含まれていると考えます。

  1. 必要な情報がない
  2. 興味のあるコンテンツがない
  3. 感動(=共感)が得られない

必要な情報が無ければ、ページへたどり着くバイパスがありません。検索エンジンはそのようなページを上位に表示しませんし、ソーシャルメディアでも特に必要だと思われなければページを開くこともないでしょう。

ページにたどり着いたとしても、興味を持てるコンテンツで無ければすぐにページから離脱します。そして、「こんなページは二度と来ない」と思うでしょう。

そして、必要な情報であり、一応読んだとしても、共感が得られるものでなければシェアがされないでしょう。シェアされればその人のつながりある人が見てくれる可能性があります。しかし、シェアされない場合は“1人”で止まってしまうのです。

人々が見てくれるコンテンツとは何か?

それでは、以上の点を踏まえてコンテンツとは何かを考えましょう。——とは言っても、実はすでに答えが出ているようなものです。

コンテンツを作るとき確認すべきポイントは2点です。

  1. 人々の疑問に答えているか?
  2. あなたが見て欲しいと仮定する人が興味を持つ内容か?

人に見てもらいたいのであれば、役に立つコンテンツを作るべきです。テレビも、先ほどの引用から考えるに、“役に立たない”と人々に思われたから見られなくなったのです。役に立つコンテンツは見限られることがありません。

そして、そのコンテンツは「この人に見て欲しい!」と決めた人に届くようにしましょう。例えばゲームをやりたい人は、単に「ゲーム」とは検索しません。「ゲーム アクション」やら「ゲーム アクション MMO」のように複数の言葉を入れて検索します。だからコンテンツも、そうした人へ届くように作る必要があります。

だから、私がContent is Kingにつけ加えるとすれば以下のようになると思います。

Helpful Content is King!

人の役立つコンテンツこそ、王様です。

(Photo: 霧 ミスト ゴールデン 日の出 湖 父息子 家族 一緒に シルエット 概要 保持 手 by wondermar)

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