国内のケーブルテレビ(CATV)各社は、共同でスマートフォンなどのスマートデバイスに向けて動画配信サービスを検討しています。
日経新聞によれば、年内に大手30社が開始し、来年中には約360社にまで広げるとのこと。また、CATVはそれほど規模が大きくない会社が多く、伝送網などの整備投資は業界全体で分担されます。他にも、顧客管理なども統合し、視聴料の引き下げを図るとしています。
この方針を固めた総務省の放送サービスの高度化に関する検討会資料によれば、次のようなポイントがあげられます。
1. 目的
アメリカのCATVの状況は、新規契約を解約が上回っており、経営状態が厳しくなっている。日本でも携帯キャリアやOTT(Over the Top)が行っている動画配信サービスなどにより競争が激化しており、視聴者の多様なニーズを満たす必要がある。
そのためには出来ることから、スピード感を持って共通化が可能な部分をプラットフォームに集約することで効率的に視聴者のニーズに答えていく。
2. プラットフォームの機能
- IP映像伝送サービス
- 既存IDを事業者間で利用できるようにする
- ネットワーク障害などに対する監視システムを事業者同士で構築する
- AJC-CMS機能:地域に密着したコンテンツを強みとし、事業者間でも共有できるようにする
- クラウドサービスによる顧客管理システム
3. 整備を急ぐべき部分
- 個々の事業者が新たな設備投資を行うのは困難であり、設備の共通化で効率化していく
- 規模の経済を生かすため、業界全体(多くの会社)が参画していく必要がある
- 多くの会社が参加するためには、大手事業者から積極的に参画していくことが望まれる
- 見逃し視聴・マルチデバイス対応・スタートオーバーなどに対応するため、IPリニア放送サービスの導入
詳しくは、総務省が公開している資料『ケーブル・プラットフォームに関する検討結果について(PDF)』をご覧下さい。
多彩なコンテンツを持つCATV各社が協調して配信サービスを行うことで、既存のOTTとは全く違ったものが展開されるのではないでしょうか。特にIDの統一は視聴者を増やすことに一役買いそうです。
個人的には、テレビのチャンネルを変えるような感覚で見られるようになるのが理想ですね。各社の協調に期待します!
CATVがスマホに配信 360社共同、ネットに対抗(日経新聞)
(Photo: 画面 テレビ テレビを見て Tv 映画 通信 メディア デバイス クロック 都市 by geralt)