Microsoftは6月24日(現地時間)、学校向けの検索サービス『Bing for School』を発表しました。この検索サービスは、広告非表示、成人向けサービスを排除するフィルタリングがなされる他、プライバシーの保護機能も強化されています。公式ブログによれば、アメリカ国内のK-12(幼稚園〜高校に相当)の学校へ向けて、年内に提供開始されます。導入自体はオプトイン形式で、学校ごとに通常のBingか、Bing for Schoolを利用するかを選択することができます。
また、通常の検索サービスよりもデジタル・リテラシーの向上への取り組みを強化する旨も書かれています。ここで出されている例としては『ジャングルの一平方マイル(およそ2.5平方キロメートル)に、ナマケモノは何匹いるか?』という問いを、検索エンジンを利用して解くというものです。
Microsoftが同日公開した別のブログには、次のように書かれています。
学習に提携はなくなった。以前にも増して、学生はチームでコラボレーションし、海外の学校や姉妹校とつながり、創造的な問題解決をし、データを分析し、文字を記すことが求められるようになった。これらのプロジェクトは、彼らが卒業した後に直面する課題を反映したもので、オールインワンの学習環境が必要だ。そして、このスキルは、雇用者に求められている。
ISTE 2013: Schools Bring Learning to Life on Windows 8(Microsoft in Education blog)
現在、日本を始めとして、次世代を担う子たちが『情報活用能力』を身に付けるための教育とは何かを研究し、実践しています。日本が掲げている情報活用能力の定義は、次の通りです。
- 情報及び情報手段を主体的に選択し、活用していくための能力
- 情報手段の仕組みなどの理解
- 情報化の影の部分に対応できる能力、態度
これで充分かという議論は抜きにしても、日常生活や仕事をする上で必要とされている能力です。そして今後社会が変化しても、状況を見極める土台として利用できます。
現在の(そして、少なくとも今後数年)情報選択の基本は、検索エンジンの有効活用です。その能力をもっとも効果的に身に付けるには、実際に検索エンジンを使うことが一番でしょう。「習うより慣れろ」とも言いますしね。学習に特化させた形で広告無しのBingを提供するというMicrosoftの活動は、個人的にすごく好感が持てます。
ちょっと別視点から考えてみると、検索エンジンは昔から使っているから、そのまま使い続けているという場合が多いはずです。そのため、子どもへBingを提供するということは、将来のBingユーザーを獲得することにも繋がるのではないでしょうか。
こうした活動が実を結び、より良い学びを得られるようになることを望みます。
Call All Schools: Join The Bing For Schools Program!(Bing Blog)
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(Photo: Studying by Scott Akerman)