9月11日午前2時、Appleが記者発表会を開催しました。兼ねてから噂されていた通り、iPhone5SとiPhone5Cが発表されましたね。事前のリーク情報で5Cのデザインがすごく気に入っていたので、SIMフリー端末が欲しいと思っていました。
発表会自体は深夜に行われていましたが、Twitterの実況やテック系ブログのリアルタイム更新を追いかけていた方も多いのではないでしょうか。私もTwitterで見ていまして、おかげで寝不足気味です(笑)。さて、断片的な情報を手に入れてはいたのですが、ここで改めてまとめてみたいと思います。
なお、5Sと5C、それぞれ9月20日に発売予定です。
新型iPhoneについて
iPhone5S
iPhoneの正統な後継者、iPhone5S。カラーリングにスペースグレイとシルバー、これに加えてゴールドが発表されました。既存のシンプルで慎ましかった感じから、一気に派手になりましたね。街中でカバーを付けずに使用したら、かなりの注目を集めそうです。
日本ではSoftBank、au、さらにdocomoからも発売が決定しています。MMD研究所が調査したところによれば、docomoユーザーの55%以上がiPhone5Sの購入を検討しているそうです。今回docomoから発売が決定したことで、ユーザーの流出に歯止めがかかりそうですね。
余談ですが、「docomoからiPhoneが出ない理由は、ロゴが入らないからだ」という噂もありました。ITジャーナリストの石川温氏がアップロード写真には、ロゴが写っていませんので、この点は特に大きな問題ではなかったのかもしれません。
ドコモロゴなんてありません! pic.twitter.com/hl9UTdFLpA
— 石川 温 (@iskw226) September 11, 2013
さて、iPhone5と比べて、大きく変わった点は3つあります。
1つ目は指紋認証(Touch ID)です。設定したパスワードを、ロック解除するたびに入力するのは面倒ですよね。これを簡略化するAppleの解答が指紋認証でした。ホームボタンが指紋センサー(Touch IDセンサー)を兼ねているため、ホームボタンに触れるだけでロックを解除できるようになります。また、App Storeなどでパスワードを入力する代わりにも指紋が使えるので、アプリのダウンロードも楽々。間接的にAppleの収益をあげてくれそうな新機能ですね。
2つ目はカメラ機能。画素数自体はiPhone5とそれほど差はありませんが、感光度が良くなったため、これまでよりも美しく写真が撮影できるようになりました。今回新しく増えた機能として、他には自動手ぶれ補正や、1秒で10枚の連写モード、120fpsのスローモーション動画撮影などがあり、iPhoneでの撮影がさらに楽しくなりそうです。SNSにアップロードする写真も、iPhoneで事足りてしまうかもしれませんね。
3つ目はA7チップ。最近、PCの世界では64bit OSがデフォルトになりつつありますが、iPhone5SはA7チップによって世界初の64bit対応のスマートフォンになりました。では、64bitになったことで具体的にどのようなメリットがあるかと言うと、最も大きいことはグラフィックでしょう。これまでよりも綺麗なグラフィックで、ゲームを始めたアプリを楽しむことができます。また、カメラのオートフォーカス、撮影速度も上昇しています。一方でバッテリー駆動時間を逼迫することはありません。ちなみにiPhone5と比べると、CPU、GPUのスペックは2倍になっています。
A7チップに加えて、プロセッサーで重要なことは、M7プロセッサを搭載していることです。M7プロセッサは加速度、ジャイロ、コンパスなどのモーションデータの処理に特化しています。A7チップに余計な負荷がかからないようになるので、バッテリーの消耗を抑えられるというわけです。
詳細なスペックは以下の通り。
- OS:iOS7
- ディスプレイ: 4インチ、解像度640×1136(Retina)、326ppi
- プロセッサ:A7
- メモリ:未公開
- 内部ストレージ:16GB、32GB、64GB
- アウトカメラ:8メガピクセル
- インカメラ:1.2メガピクセル
- バッテリー容量:未公開
- 連続通話:約10時間
- 3G待ち受け時間:約250時間
- LTE対応
- 無線LAN規格:IEEE 802.11a/g/n
- サイズ:高さ 123.8mm × 幅 58.6mm × 厚さ 7.6mm
- 重量:112g
- カラー:スペースグレイ、シルバー、ゴールド
- その他機能:GPS、ジャイロセンサー、加速度センサー、近接センサー、環境センサー、指紋センサー、Bluetooth(ver. 4.0)
価格はアメリカのキャリアAT&Tと2年縛りの状態で、
- 16GB:199ドル
- 32GB:299ドル
- 64GB:399ドル
SIMフリーの状態で、
- 16GB:649ドル
- 32GB:749ドル
- 64GB:849ドル
となっています。
iPhone5C
iPhone5をベースに、外観の素材を樹脂に変更した廉価版となっているので、iPhone5Sほど特筆すべきことはありません。最大の特徴はiPhone史上初となる5色の展開です。
また、バッテリー容量はiPhone5よりも増加しており、3G連続通話時間が約10時間ほど伸びています。一方で20g重くなっているため、10gにつき1時間分のバッテリー増加になりますね。
詳細なスペックは以下の通りです。
- OS:iOS7
- ディスプレイ: 4インチ、解像度640×1136(Retina)、326ppi
- プロセッサ:A6
- メモリ:未公開
- 内部ストレージ:16GB、32GB
- アウトカメラ:8メガピクセル
- インカメラ:1.2メガピクセル
- バッテリー容量:未公開
- 連続通話:約10時間
- 3G待ち受け時間:約250時間
- LTE対応
- 無線LAN規格:IEEE 802.11a/g/n
- サイズ:高さ 124.4mm × 幅 59.2mm × 厚さ 8.97mm
- 重量:132g
- カラー:ホワイト、ピンク、イエロー、ブルー、グリーン
- その他機能:GPS、ジャイロセンサー、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、Bluetooth(ver. 4.0)
こちらも価格はAT&Tと2年縛りの状態で、
- 16GB:99ドル
- 32GB:199ドル
SIMフリーの状態で、
- 16GB:549ドル
- 32GB:649ドル
となっています。
日本は世界一iPhoneが安いと言われていますので、これよりも安く入手できるかもしれませんね。後日ある各キャリアの発表を待ちましょう。
iOS7
発表自体は以前からされていましたが、9月18日にリリースすると正式にアナウンスがありましたので、まとめておきます。
デザイン
最大の変更は、やはりデザインでしょう。流行のフラットデザインが採用されており、今までよりもすっきりとした印象になっています。
©Apple
設定
今まで一々設定を開かないと出来なかったWi-FiやBluetooth、GPSのオン・オフが、簡単に行えるようになっています。ここはAndroidから良い点を見習ったように見えますね。
©Apple
AirDrop
ガラケーに慣れた方は赤外線通信を考えると分かりやすいかもしれません。近くの人へ、写真やビデオや、共有ボタンが付いたアプリケーションからデータをWi-FiやBluetoothを使って転送できます。
アプリの自動アップデート
アプリの自動アップデートが行えるようになります。ちなみにベータ版ではアップデートのオン/オフ機能が無かったようなので、切り替えられるようにはして欲しいところですね(できれば、アプリごとに)。
iTunes Radio
Appleが提供する音楽のストリーミングサービス。ストリーミングした曲はiTunesですぐ買えるようになっているという優れものです。広告が入る無料版と、年間25ドルの有料版があります。私がiOS7で最も楽しみにしていたのですが、日本では利用できないそうです。残念。
他にも山ほど新機能(なんと200を超える!)がありますので、Appleの公式ページやまとめページをご覧下さい。
番外
なんとAppleの純正アプリ『iWork』、『iMovie』、iPhoto』がiOS7にアップデートすることで、無料で使えるようになります。iWorkには『Keynotes』、『Pages』、『Numbers』があり、現在各850円で提供されていますし、iMovieやiPhotoも450円で提供されています。Apple、なんとも太っ腹です。
もうひとつ。iPhone5Sは、SoftBank、au、docomoの三社全てで事前予約を受け付けないことが明らかになりました。事前予約を受け付けない理由は分かっていませんが、発売日に欲しい方は並ぶしかなさそうです。というか、もう並んでいる方がいらっしゃるそうで。体調を崩さないようにお気をつけください!