最近ソーシャルプラットフォームを利用したWeb制作・開発のご依頼を頂くことが多くなった。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
それに伴い、Web制作・開発を行う上でソーシャルメディアプラットフォームの特長についてお客様にお話させて頂くことも増えている。
すでに多くの書物や資料が世の中に出ており、どれも良質の内容なのですべてに目を通して頂けると幸いなのだが、なかなかそうもいかない状況の中で弊社としてもわかりやすいメソッドを提示できればと考えていた。
情報伝達の仕組みやソーシャルメディアプラットフォームを運営する組織体制、並びに各プラットフォームの使い方という観点ではなく、それ以外にソーシャルメディアが生み出す特長について、その内容とプロセスをメソッドとしてまとめたものがハイベロシティが提唱する「Actualized Marketing」である。
ソーシャルメディアプラットフォームを利用するために必要なマーケティングメソッドとは何か?
「企業のマーケティング活動においてにソーシャルメディアを使う」 すでに多くの企業が実践している考え方だ。
もちろん業界や商品、サービスの特性にもよるが、ソーシャルメディアを何かの補助的なツールとして使うという考え方では到底ソーシャルメディアを使いこなすことはできない。
ソーシャルメディアプラットフォーム上ではすさまじい早さで情報が伝達され、一瞬のうちにそのモノの良し悪しが決まってしまう可能性さえある。
また、ソーシャルメディアプラットフォーム自体も今後ものすごい勢いで増えていくだろう。時代と状況に合わせたプラットフォームが次から次へと誕生している。
この図は各ソーシャルメディアプラットフォームが5,000万人のユーザーを獲得するまでにかかった時間を示したものだ。
・・・言葉も出ない。この速度感は何なんだ?本当に一瞬でこのようなサービスが生み出されていく。
私たちはこの現象の生みの親を「google」、「apple」、「facebook」と位置付けている。
googleによってすべての情報が整理され、facebookによりコネクトが実現し、appleによって持ち運びが可能になった。
私たちはどうすればこのソーシャルメディアプラットフォームを使いこなすことができるのだろうか。
生活者消費行動モデル概念について
電通モダン・コミュニケーション・ラボによって提唱されたSIPSは現在のソーシャルメディアマーケティングにおいて有効な考え方である。顧客の行動変化がAIDMA(受動から始まる気づき)→AISAS(能動から始まる気づき)→SIPS(受動・能動 双方向の気づき)と変遷を変えていると言われている。まさにその通りだ。
*電通モダン・コミュニケーション・ラボ:http://www.dentsu.co.jp/sips/index.html
AIDMA(アイドマ)の法則とは、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字を取ったもので、アメリカのローランド・ホールが提唱した「消費行動」の仮説である。商売の基本で消費者の心理的プロセス・モデル。
2004年から電通では「AISAS®」という消費行動モデルを提唱している。インターネットの普及を背景に、消費者が自ら情報を収集し、発信し、他者と共有するという行動を踏まえて、「Attention(気づく)⇒Interest(興味をもつ)⇒Search(情報収集する)⇒Action(購入する)⇒Share(情報共有する)」というモデルとして、捉えたものである。
「SIPS」は、進化したソーシャルメディアの視点を重視して、生活者の行動を深掘りした概念である。ソーシャルメディアが主流となる時代の生活者消費行動を『共感する : Sympathize → 確認する : Identify → 参加する : Participate → 共有・拡散する : Share & Spread』とシンプルに整理し、その考え方を略して「SIPS」と名付けた。
しかし、SIPSのモデルは何かが足りない。そう感じた人も多いのではないか?
・・・Aだ。Aが足りない。ActionのA。Aが無くて良いのだろうか?広告という観点からみれば、SIPSモデルは成立している。それでもAはなくて良いのだろうか?
私たちはもう一度この「モデル」について考え直してみたい。消費者行動の前に人間行動を見直さないといけないのではないだろうか?
つまり、「今後のモデルの考え方は企業からの視点だけでばなく、人間視点も考慮しなければならない」ということである。
ソーシャルメディアプラットフォームは今後益々自由度を増し、「媒体」と「交流の場」の境界線を曖昧化する。消費者と位置付けていた「人」の考え方がカタチを変えた瞬間だ。この変化は何を意味するのだろうか。
Digital戦略 vs. SNS戦略
Diamond Harverd Business Review March 2012 Social Strategies That Work/ Mikolaj Jan Piskorski.によればDigital戦略とはコマーシャルを流し、マーケティングに役立つ顧客の反応を求め、財やサービスを販売するものであり、SNS戦略とは企業の利益のために無償で行動してくれることを前提に、人々の現在の交友を深め、新たな関係を築くことを支援するものと定義している。
Digital戦略は無くなりはしない。むしろ今後益々必要なものだ。しかし、SNS戦略は確実に必要になってきている。この2つの戦略をいかにうまく使っていくのか。これがこれからの企業に求められている。つまり、「企業の利益のために無償で行動してくれることを前提に、人々の現在の交友を深め、新たな関係を築くことを支援する。」ことなくして、企業のマーケティングは考えにくい状況になるということだ。だとするとなぜ「企業の利益のために無償で行動してくれる」人が存在し、「人々の現在の交友を深め、新たな関係を築くことを支援する。」必要があるのだろうか。ただ、企業のスポークスマンになってくれることだけが目的なのだろうか?このメッセージにはもっと深い意味があると思う。
Webマーケティングの変遷
さてここで、消費者行動から一度離れて、近年のWebマーケティングの遷移について一度復習しようと思う。近年のWebマーケティングには大きく分けて4つのキーワードはある。それは「Long Tail」、「Free」、「Share」そして「Public」。ざっくりではあるがここで説明しておこう。
Long Tail(Chris Anderson)
(「ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略」より)
Long Tailマーケティングは実店舗では適応されないWeb特有のマーケティング理論である。従来のマーケティングには20%の商品が売上の80%を作るという、パレートの法則があった。20%の商品が売上の大半を占めるということは、残りの80%は売上にあまり寄与しない上に、実店舗には商品棚に限りがあるため、軽視される傾向にある(いわゆる死に筋)。しかし、インターネット上にあるオンラインショップでは、商品棚や在庫管理といったコストが、実店舗よりも遥かに安くなった。売上に寄与しなかった80%でも利益を上げられるようになったのである。その結果として、品揃えを増やせば増やすほど利益が上がるようになった。例えば、Amazonでは販売ランキング1万位以下の商品が売上全体の半分を占めていると言われている。グラフで示したときに、80%が長い尻尾に見えることから、Long Tailと呼ばれるようになった。
コンピューターの2大要素「データベース」と「検索」を活かし、ストレージの拡張により成し得た理論だ。企業の視点で言えば、一般小売店舗を撃沈するWebマーケティングだ。Amazonはまさにこの論理展開をどこまでも研ぎ澄まし、Amazonメソッドへと召喚している。
Free(Chris Anderson)
http://www.longtail.com/the_long_tail/free/
( 「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」より)
Freeはインターネットマーケティングを語る上で、切っても切れない概念となった。このFreeというスタイルを取っているインターネット上のサービスは枚挙に遑がない。Google、Youtube、Facebook、Twitter……インターネット上で話題になるサービスのほとんどはFreeである。なぜ、無料のものから収益を上げることができるのだろうか? しかしその前に「世の中に無料のものなど無い」という前提条件を踏まえねばならない。開発費や運営コストetc……これらは決して無料ではない。そのコストをカバーし、さらに収益を上げるためには、4つの手段が考えられる。
1, 直接的内部相互補助:これは、スーパーが行う特売戦略で考えるのが一番理解しやすい。何らかの商品やサービスを無料、もしくは極力安価に設定することで来客を増やし、他の商品やサービスの購入を促すことである。
2, 三者間市場:テレビやラジオに代表されるスタイルで、広告主から広告料を徴収し、顧客に無料コンテンツを提供する。顧客が広告の商品を購入することで三者間の市場が成立することからこう名付けられた。
3, フリーミアム:フリーミアムは、多くの顧客が利用する無料版と、一部の顧客が有料で利用するプレミアム版を用意する。プレミアム版の利用料で、無料版のコストと収益を賄うスタイルである。フリーミアムには5%ルールと呼ばれるものが存在する。有料のプレミアム版を使うのは全顧客のうち、5%程度であるというルールだ。フリーミアムを代表するサービスとしては、EvernoteやDropboxがある。
4, 非貨幣市場:非貨幣経済を説明するにはWikipediaを例に出すと分かりやすい。Wikipediaは2000万以上の記事を持つオンライン百科事典だが、全ての記事が無償のボランティアによって書かれている。このボランティアは情報を無償提供することで、評判や注目を集めている。
UGC (user-generated content)の流れも当然あるが、インターネット企業の多くが参考にしている理論である。これ無くして、インターネット企業の繁栄は難しいとも考えている。ユーザーはもはや、インターネットサービスがフリーから始まるものだと理解している。
Share(Rachel Botsman/Roo Rogers)
(「シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略」より)
大量生産社会で生み出された物をどうするかという課題は、21世紀を生きる私達にとって、ついて回る問題だ。「もっと買おう」「新品を買おう」という20世紀の弊害から抜け出すためのマーティング手法がShareである。個人が所有している、少なくとも現在は不要なもの(余剰キャパシティ)を多くの人で共有するというのが、Shareの基本的な概念である。Shareの具体的内容は3つある。
1, プロダクト=サービス・システム(PSS):ある製品を購入しなくても、その製品から受けたサービス分だけのお金を払う「所有より利用」という考え方である。代表的な例にカーシェアリング、コインランドリーがあげられる。品物を持たなくてよい上に、必要な時に使った分だけ料金を支払うシステムのため、無駄がない。
2, 再分配市場:ソーシャルネットワークを通じて自らの所有物を必要とする人へと再分配するシステムが再分配市場である。新品を作る必要がないため、新たに必要とされるリソースは運搬程度であり、今までの大量消費の原則からはかけ離れた手法である。代表的なサービスとしてイーベイがある。
3, コラボ的ライフスタイル:先にあげた2つは目に見える物理的なものだが、共有できるものはそれだけではない。現在は時間や空間、技術やお金なども共有することができる。最近話題になっているコ・ワーキングスペースやクラウドファンディング等がよい例だ。
Shareの内容には2つの共通点がある。ひとつは余剰キャパシティを有効に活用していることだ。内容を読んでもらえればわかるが、持て余されているものを他者と共有している。そしてもうひとつが他者の信頼である。共有というのは一人ではできない。誰かと分かち合って、初めて共有と呼ぶのである。そのため、見知らぬ誰かと信用していなければShareは成り立たない。それを可能とするのがソーシャルネットワークである。
ソーシャルネットワークがなくても、この概念はもともと存在していた。しかし、ソーシャルネットワークがこの概念を容易なものにしていることは間違いない。ここからかなり論調が変わる。Webマーケティングの視点が企業から人へ移行しているのだ。
Public(Jeff Jarvis)
(「パブリック―開かれたネットの価値を最大化せよ」より)
Public戦略は今後の企業と顧客の関係に大きな意味を持っている。それは、企業と顧客が開かれた関係を作ることだ。この関係がどのようなメリットをもたらすのか?
ひとつは開かれた関係を作ることによって、何らかの不都合が起きたとき、最も素早く、かつ効果的に対応できるからだ。現在、何か不都合が起きたら顧客がすぐさまソーシャルメディアで、それを共有する。それに対してアクションを起こさなければ、拡散し悪評も流れるばかりだが、有効な対応策を講じていれば、拡散を止めると同時に誠実な対応をした企業として信頼性を増す可能性がある。
ふたつ目は強い信頼関係に結ばれた顧客は、100の広告に勝る口コミをしてくれることだ。人は誰しも知らない他人よりも、見知った友人からの情報を優先する。強い信頼関係に結ばれた顧客は、自分の好きなブランドをソーシャルメディア上でPublic(公開)し、友人にすすめてくれる。広告を打つよりも好意的な印象を持ってくれる可能性が高いため、そこからさらに関係を深めていくことができる。
重要なのは、どのようにすれば、強い信頼関係を作れるかであり、それが今後のSNS戦略となるであろう。
これまでのソーシャルネットワークサービスの生みの親たちは、このようなことを想像していただろうか。簡単に友達同士で連絡できるプラットフォームがあれば・・・といった理想的な世界観から生み出される場合もあっただろう。また、多くの人がソーシャルネットワークサービスを使ってくれることで広告モデルやアイテム課金が実現すると考える人もいただろう。どちらも正しいし、現にそうなっている。しかし、実際はもっと大きな意味を生み出している。
Webマーケティングの変遷から見えること
この4つのキーワードの変遷に私たちはあることを気づかされる。Long Tail/Freeまでは企業視点の論理だ。しかし、それによって築かれた世界はShare/Publicという概念を確固たるものにし、企業視点から人間視点へシフトしている。
Freeという概念が広まり、Googleが収益を上げ始めた2003年には、Facebookは存在すらしなかった。しかしそれから7年後、Facebookは5億人という驚異的なアクティブユーザー数を得た。一つのプラットフォームに人が集い、それぞれが思い思いのコミュニケーションをはじめるという偉業は既存のマーケティング活動に当然変化を与える。
私たちが必要とするこれからのマーケティングメソッドとは何か?
これらのことを踏まえ、ハイベロシティではメッセージを創る企業は人間視点の市場創造を考えるタイミングに来ていると考える。もはや「交流機会の創出」を他人には任せておけない。はたしてこれまでの行動モデルが人間視点の市場創造を実現する最良の回答だったのだろうか。この論点からハイベロシティでは企業が今後のマーケティングを実践する上で、より有効なメソッドが必要だと考え、これからの時代に適合したマーケティングメソッドを構築していこうと考えたのである。
Marketingとは何か?
そもそもマーケティングとは何を意味するものなのだろうか。wikipedia では下記のように説明がなされている。
マーケティング(marketing)とは、企業や非営利組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である。
この内容、私たちの解釈では「顧客の創造」に尽きる。しかし、ソーシャルメディアの登場でマーケティングの概念が「顧客の創造」に留まらず、「交流機会の創出」に至っているとするならば、つまり企業の視点では「自社製品の消費者市場を創造する」だが、人間の視点では「様々な価値の交換の場を創造する」ことにフォーカスしていく必要があるということではないだろうか。
Actualized Marketingの提唱
私たちが考えるActualized Marketingとは「様々な価値の交換の場を創造する」活動を意味している。人間の視点でものを考え、潜在価値を顕在化し、あるカタチを生み出すことを目的としているメソッドである。
Actualized MarketingのActualizedとは・・・
actualize [動](他)
…を現実のものとする;
…を行動[事実]に表す;
…の潜在能力を発揮させる.
━━(自)現実となる, 実現する
を意味している。ソーシャルメディアプラットフォームの出現で、「人にものを伝達する速度が速くなった」という側面から見れば確かにSIPSモデルで説明がつくことが多いかもしれない。しかし、生み出されている価値はそれだけには留まらない。そこには今まで目に見えていなかった「価値」そのものが顕在化している現象が見受けられるのではないか。私たちは、この「伝達速度」ではなく「潜在価値の顕在化」にこそソーシャルメディアプラットフォームの本当の価値があると考えている。ではその価値はどのように生まれているのだろうか?
そもそも価値は存在している
すでに私たちの周りには「価値あるもの」が存在している。「家族がいること」、「友達がいること」、「学校にいけること」、「会社で働けること」、すべてにおいて価値あるものだ。当事者は気が付いていないかもしれないが、傍から見ればそこには大いなる価値が存在している。しかし、これらのように意識や言葉で価値表現される以前の潜在的な価値が無数にあることも事実だ。これらの価値はいつ顕在化し、価値あるものと認識されるのだろうか。私たちはこの潜在的価値の顕在化を実現するActualized Marketing のプロセスについて下記のように定義している。
Acutualized Marketing Process
Actualized Marketing Process for Mobile Value
※MobileValueとは個人が所有する顕在および潜在的価値と定義しています。
評判(Reputation)
良い評判、困った評判の両方がある。良い評判は商品やブランドやサービスのタッチポイントになる。困った評判も「変えたい」という意識でソーシャルファイナンスなどにつながる。セレンディピティ(偶然性)も要素の一つ。コミュニティのインフォメーションやSNSのタイムライン、フィードなどの領域。
参加(Join)
コミュニティやプロジェクトへの参加、浅い関係(お試し、体験、友人の同伴など)から理解を進めていく関係(興味、関心、好意など)がある。コンテンツやアプリのアテンションや魅力をプレゼンテーションする領域。
納得(Agree)
関係を持ち交流をすることで心のなかに生まれる感情や気持ち。積極的な賛同もあれば、拒否という判断もある。ここでは企業、団体、友人仲間からの支援(コンテンツ)が影響する領域。
交換(Exchange)
個人と企業、個人と個人が価値を交換したり、行使する権利を交換すること。貨幣における決済だけとは限らない。ポイント制度や個人や企業が所有する独自の価値そのものの交換も含む(たとえば英会話の能力とか)。決済、使用権の交換を承認する領域。
*この領域で個人は自らが発揮できる価値と行使できる権利を再認識できる仕組みがあれば、より自らの能力と創造性を発揮できるようになる。
行使(Use)
行使する権利の交換後に深く利用すること。SNSにおいて利用している個人の行為が表示されるティッカーや行動履歴など。商品やサービス、コンテンツやアプリケーションそのものの価値と力が発揮される領域。
評価(Assess)
深く利用した商品やサービスに関する価値判断がうまれる。愛情に変わることもあれば、飽きて忘れ去られることもある。サポートやQ&Aなど、個人と企業、個人と個人の関係性が発揮される領域。
共有(Share)
嗜好や愛情にまで深まった商品やサービスは利用者から好意や有効性などが発信される。あるいはネガティブな評価が共有されることもある。ブログの投稿やSNSのフィードや書き込みなどソーシャルグラフを通じて拡がる。利用者の創造性が発揮される領域。
このプロセス、頭文字をとるとRJAEUASとなる。・・・全く読めるものになっていない。このあたりは追々変更してみなさまに読んでもらえるプロセス名に変えていきたいが、現在ではこのプロセスをActualized Marketing Processと呼ぶことにしている。
このプロセスが繰り返されることにより、潜在的価値が顕在化され私たちの認識し得る価値へと変化していく。企業はマーケティング活動においてこのActualized Marketingの視点が、人々に求められる「価値」を提供する上で今後重要度を増すと考えている。ではActualized Marketing Processを実践する上で、それぞれの項目で企業やサービス提供元がやらなければならないことはどのようなことだろうか。私たちはそれぞれのプロセスにおいて下記のアクションの実践を推奨している。
企業ができるアクション
評判(Reputation)
→様々なSNSへの関与(各SNSへのIDの構築、ユーザーとの関係性構築、広告など)。
参加(Join)
→コミュニティ、プロジェクトづくり、入りやすさと抜けやすさが大事。
納得(Agree)
→提供する価値のアテンション強化と、継続して関係が持続するためのおもてなしやホスピタリティ。
交換(Exchange)
→利用者の価値や創造性を発揮するための情報を記録できる交換プラットフォーム機能。
行使(Use)
→商品やサービスの価値が充分に発揮されること、親切なサポート、懇切丁寧なQ&A、応用例や付加価値の提供。
評価(Assess)
→利用者からの評価をフィードバックし、商品やサービスそのものの価値やクオリティを上げること。
共有(Share)
→SNSでのフォローやピックアップ。お得意様へのインセンティブの贈与。
いかがだろうか。このマーケティングメソッドはまだまだ道半ばのものであり、私たちは、創造性を発揮される個人と企業の方々とともにこのメソッドを実証していきたいと考えている。
次回は「Actualized Marketing Processが誘うMobile ValueからSocial Valueへのシフト」について説明していきたいと思う。
Actualized Marketingの詳細はこちら
- ソーシャルメディアプラットフォーム上で潜在的価値を顕在化するActualized Marketingとは何か?その1
- ソーシャルメディアプラットフォーム上で潜在的価値を顕在化するActualized Marketingとは何か?その2
- これからのマーケティングの最重要キーワードMobileValue(モバイルバリュー)とは?― Actualized Marketing(アクチュアライズドマーケティング) 詳論その1
- SocialValueが社会とマーケティングを変える― Actualized Marketing詳論その2-前編
- 未来をひらくSocialValue― Actualized Marketing 詳論その2-後編
- 流動化とコネクトそして交換-Actualized Marketing 詳論その3
- 潜在価値の顕在化-Actualized Marketing詳論その4