カスタマーとの関係を計測して、改善に繋げるKISSmetricsとは?

オンラインマーケティングが、オフラインマーケティングよりも優れている点のひとつに、効果測定がオフラインよりも容易である、ということがあげられます。

しかしそれを行うには、リードとなった人が、どのような経路でウェブサイトを訪れたのか。リードとなった人が、どのマーケティングキャンペーンを経てカスタマーになったのかを知る必要があります。つまり、ユーザーのトラッキングが不可欠なわけです。

それを可能とするのがHubSpotであり、今回ご紹介するKISSmetricsです。

KISSmetricsとは?

KISSmetricsのホームページには、次のように書かれています。

Google Analyticsは、何が起きたか教えてくれる。
KISSmetricsは、誰が何をしたか教えてくれる。

Google Analytics tells you what happened,
KISSmetics tells you who did it.

Google Analticsを使うと、ウェブサイト上の出来事を分析できますが、特定のリードがどのような経緯でカスタマーになったのか分かりません。一方で、KISSmetricsは、その経路を詳細に確認できるようになっています。

特に優れているのは、会員登録を行っていなくても、匿名IDとしてデータが保存される点です。これによって、新規会員になったとき、どのような経由で訪れ、会員となるに至ったかが把握できるようになります。

KISSmetricsの特徴

次に、KISSmetricsが公開しているインフォグラフィックスから、その特徴を見てみましょう。

1. マーケティングチャネルの効果測定

SEO、SEM、ディスプレイ広告、ソーシャルメディア、メールキャンペーンなど、あらゆるマーケティングチャネルの中から、最も効果が高いものを見つけられます。投資を行うべきチャネルを素早く見つけることで、効率化が計れます。

2. コンバージョンに要した時間の計測

トラッキングの対象は訪問者の中から何%が製品を購入したかというコンバージョンだけではありません。訪問者がコンバージョンに要した時間が計測できるようになっています。これによってコンバージョンの障害となる部分を特定し、利益をより短期間で得られるようになります。

3. エンゲージメントメトリクス

“cohort”という、共通の特性があるユーザーグループを作成し、そのグループと関係が時間をかけて改善されているかを分析します。ユーザーエンゲージメントの改善に役立ちます。KISSmetricsは“彼らが顧客か?”、“ショッピングカードを途中で放棄したか?”といったサイト上で行った行動を特定してグループを作り、関連するマーケティングキャンペーンでターゲットできるようになっています。

4. ダッシュボードの利便性が高い

ダッシュボードには重要な指標が表示されるため、あちこち探し回る必要はありません。

by KISSmetrics.
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その他、日本におけるKISSmetrics正規代理店であるインターアローズさんのページから特徴を引用。

Integration / インテグレーション

どんなデータプラットも対応できるAPIとライブラリをご用意 人が中心のキスメトリクス。訪問者を深く知ることが出来ます。Webはもちろん、Eコマースやアプリケーションの分析など、だれが何をしているかを明確にしてくれます。

Revenue / レベニュー

マネタイズの流れを一か所で把握

サブスクリプション型、広告、トランザクションなどどんなビジネスモデルでもカスタマーライフタイムバリューと解約を分析

Retention / 顧客維持

異なる複数のグループ分析で顧客維持を改善

異なった複数のグループ分析により、訪問者は時間をかけてサイトをどのように使っているのか。誰があなたのビジネスに貢献しているのか、等を明確にします。

Individual / 個人

ビジネスに関連する個々のやり取りを追跡

集計データを見なくても、一つ一つのやり取りを追跡。PC?モバイル?ソーシャルなのか等プラットフォームを気にする必要もありません。

Funnel / ファネル

コンバージョンン阻害要因を正確に把握

訪問者の様々なパターンの無数のファネルを構築し、目標に応じたセグメントから各ステップを達成した訪問者を見つけ出すことが出来ます。

People / 訪問者

ファーストアクセスからコンバージョンまでのサイクルを追跡

すべての個々人にまで落とし込んだデータを表示。もっとも価値のあるユーザは?もっと取り込むには?これらを容易に取得できます。

A/B Testing

経験したことがないようなA/B テストを提供

分析、テスト、改善がすべて継続的に行われます。すべての重要ユーザのデータは、ABテストの影響を大きく受けていることが理解できます。

顧客獲得リテンションWeb分析ツール KISSmetrics(インターアローズ)

HubSpotとの違い

私が気になるのはこの点です。結局、HubSpotと、KISSmetricsは何が違うのでしょうか? この点について、KISSmetricsのブログにある『How HubSpot Approaches Inbound Marketing, Culture and Sales』のコメントが分かりやすいかと思うので、引用させていただきます。

Lise:
素晴らしい記事と情報、ありがとう! でもちょっと気になることが……私はすでに、HubSpotを使っています。それで、なぜKISSmetricsが必要となるのでしょうか? 主な違いは、どこにあるのでしょう? 私が見ている限り、HubSpotとKISSmetricsは競合に見えます……まだまだ、私の知らない情報があるのでしょうか?

Lars Lofgren:
こんにちは、Lise!
HubSpotは、素晴らしいマーケティングオートメーションツールだ。これはインバウンドリードを集めて、メールを使ったマーケティングシステムを構築できる。そして、営業チームと話す準備が整ったらCRM(Salesforce)に入れて受け渡すよね。
その点、Kissmetricsはカスタマーインテリジェンスに焦点を当てている。私達はあなたのユーザーが何をしているか、つまり、どのページや製品紹介を見ているかをトラッキングして、カスタマーへの理解を助けるのです。
HubSpotにもいくつかの基本的なレポートはありますが、KISSmetricsのレポートほどの詳細と柔軟性はない。だから、私達は競合じゃないし、多くの企業は用途によって使い分けているよ。

要点をまとめてみると、以下のようになります。

  • HubSpot: 集客を行い(Attract)、リードを作り(Convert)、育成し(Close)、カスタマーと長期的な関係を作る(Delight)フローを自動化(マーケティングオートメーション)できる。カスタマーを作りあげるロジックが非常に優れている。
  • KISSmetrics: カスタマーを獲得するに到った理由を分析し、その後のカスタマー獲得フローを改善するのに特化している。トラッキングがHubSpotよりも強力で、登録される前に数回訪問されても、その情報をデータベースに蓄積できる。

カスタマーを獲得するフローはHubSpot、その後の改善はKISSmetricsといったところでしょうか。どちらも優れたところがあり、Lars氏の書き込み通り、どちらか片方を使うのではなく、適所に合わせて利用する方がよいでしょう。

どちらにせよ、ウェブサイトを改善して売上を高めるためには、カスタマーを中心として、リード、訪問者の動きに注視して、足りないところは補強し、長所を伸ばす必要があります。これを行う上で、HubSpotもKISSmetricsも、重要な役割を担っていると言えるでしょう。

オンラインの戦場が拡大している今こそ、マーケティングソフトウェアを検討するちょうど良い機会ではないでしょうか。

インバウンドマーケティングソフトウェア『HubSpot』にご興味がある方は、ぜひこちらのページをご覧下さい。

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