「メルマガの開封率が悪い!」「メールの解除率が高い!」「リンクがクリックされない!」等々、メールマーケティングに関する悩みは尽きないのではないでしょうか。メールマーケティングは効果が薄くなったと言われることも増えていますが、人と人が直接やり取りするための重要なツールとして、活用する機会は未だ十分にあります。
今回は、メールが効果が無い理由と、改善方法について、考えてみることにします。
こんなメールは見たくない!
メールが効果が無い理由について、自己分析は出来ていますか? ポイントは、大きく5つにまとめられます。
1. 何のメールなのか分からない
「これ、何のメールなの?」 企業のメルマガで、こう思ったことは数知れません。一体何のメールだか分からないのに、誰がそのメールを開くでしょうか。ビジネス上で行うメールの件名には、用件を記載するのがマナーです。そのマナーがメルマガには反映されていないって、おかしな話ですよね。
2. 何をするのか分からない
件名でどんなメールなのかは分かっても、中身を読んで、次の行動が示されていなければアクションが起きません。ユーザーは、あなたが思っているほど自発的な行動を取ってはくれないのです。
3. 興味を引くものが何も無い
せっかく開いたのに何も面白くなければ骨折り損です。クリックどころか、企業に対して悪い印象を持つことにもなりかねません。
4. モバイルに最適化されていない
人々はモバイルを愛しています。スマートフォン普及率はインターネット人口の25%強となっており、インターネットはほとんどスマートフォンだけという人も増えている現代に、パソコンで開かないといけないようなメールはナンセンスです。
5. メールアドレスを買っている
これは、はっきり言って最悪です。何も知らない企業から、突然どうでもいいメールが送られてくる。もはやスパムも同然と言えます。不信感を抱くような企業からのメールで、どうやって良い印象を与えたり、購買に繋げることができるでしょうか。下手すれば『特定電子メールの送信の適正化等に関する法律』(いわゆる迷惑メール防止法)に違反する可能性もあります。
改善ポイント
それでは、効果のあるメールにするため、改善する方法を考えてみましょう。
1. パーソナライズ
メールマーケティングの重要性が高いと言われる所以は、受信者の興味に基づいて内容を変えることができるという点にあります。なぜなら、興味を引かない情報は、広告と同様に忌避されるからです。
会社ではなく、人からのメッセージを送信する:
B2Cは当然ながら、B2Bビジネスであっても、人と人のやり取りが重要です。会社(例: sales@hivelocity.co.jp)ではなく、個人のメールアドレス(例: matsushita@hivelocity.co.jp)から送信しましょう。
受信者の氏名使用する:
メールの件名や本文に受信者の氏名を使いましょう。突然本文から入ったりするよりも、「こんにちは、◯◯さん!」のようにフレンドリーな挨拶をしてくれた方が好感を持てるはずです。例えばHubSpotは日常会話のように挨拶から入ってくれます。HubSpotのメールシステムを使えば、このパーソナライズが簡単にすることができます。
送信者リストによってコンテンツを変える:
RPGが好きな人へ、シューティングゲームのメルマガを送ってもあまり意味はありません。その人が好きなコンテンツを含んだメールを送りましょう。この判別法法は色々あげられますが、登録したランディングページによって送信者リストを変えたり、読んだブログや、メールのクリックしたコンテンツによって変えるという方法が考えられます。
マーケティングオートメーションを活用する:
特定のページを見た見込み顧客に対して、自動的にメールを送信できるよう、マーケティングオートメーションを行うことにより、興味を持ったタイミングで、それに関連する情報を受け取ってもらえるようになります。例えばプライシングリストのページを見た見込み顧客に、無料体験版をオススメするメールを送信することで、購買決定の素材を提供できます。
2. タイトル&本文
簡潔で分かりやすい件名を付ける:
メールの受信箱を開いたとき、真っ先に見るものはなんでしょうか? それは、送信者の名前と件名です。どのようなメールなのかを伝えられる魅力的な件名を作りましょう。例えば、Gmailの受信箱で表示される件名の文字数はおよそ40文字。その制限内で、メールを見ると得られる価値を訴求できる件名を考えてみてください。
本文内に行動の呼びかけ(CTA: Call to Action)を行う:
メールを送っただけで簡潔してはいけません。必ず、そのメールを読んでもらった後に行ってもらいたい行動を示し、呼びかけましょう。例えばアメリカのメディア『BUSINESS INSIDER』のメールは、読んでもらいたい記事の一行目とアイキャッチ画像を用意し、続きを読むリンクと、ソーシャルやメールの共有ボタンが付いています。こうした呼びかけを行うことにより、メールマーケティングの目標達成は行われやすくなります。
インパクトのある見出しを付ける:
タイトルと同じく、インパクトのある見出しを付けて、一番最初に読者を惹き付けましょう。ブログでもそうですが、最初が魅力的なものなら、最後まで読むという方がいるのです。ただし、最後まで読んでくれる人というのはごく少数です。基本的に最後まで読まれないのであれば、そうした少数の方から最後まで読んでもらえる心掛けから初めてみましょう。
本文を極力短くする:
短いことは良いことです。スマートフォンで一画面に収まるレベルとまでは言いませんが、サクっと読み終わるくらいの長さがベストです。これも最後まで読んでいただく秘訣です。
画像は6枚以下にする:
画像はメールサイズを大きくする原因であり、特にスマートフォンの場合は読み込み速度がネックとなります。また、あまりにも画像が多いメールは、迷惑メールフィルターに引っかかり、迷惑メールボックスに送られる可能性もあります。画像を使うのもよいですが、必要最低限の数に絞りましょう。
3. その他
モバイルに最適化する:
Experian Marketing Servicesの調査によれば、モバイルのみでメールを読んでいる人は50%に達します。モバイルで読むのに不自由するメールは閉じられる可能性が高いと言い換えることも出来ますね。ウェブサイト同様に、レスポンシブメールという概念が普及しつつあります。“モバイルファースト”の考え方のもと、レスポンシブメールを採用してみてはいかがでしょうか。こちらについてはWeb no borderさんのブログが詳しいので、ぜひお読みください。
メールのタイミングを最適化する:
メールはいつでも開くことが出来るという利点を持ちますが、それでも送信するタイミングは重要です。この送信タイミングは、どの業界でもベストというタイミングは無く、見込み顧客の特性によって変化するものです。分析ツールをもとに、自社の見込み顧客にとって最適なタイミングを割り出してみてください。具体的には、以下の5つのタイミングを最適化することによって効果を上げることができます。
- 時間
- 曜日
- 週
- 週末
- 月末
ひたすらテストする!:
メールマーケティングに終わりはありません。メールが出来ても、それをテストして、修正するという業務が待っています。前回のメールと比べて、どこがよかったのか? 逆に、どの点が悪かったのか? データを比較しつつ、検討を重ね、効果的なメールマーケティングを行いましょう。
まとめ
メールマーケティングのチェックポイント、いかがでしたでしょうか?
まだまだメールはマーケティングにおいて重要な地位を持っています。しかし、スマートフォンが出てきた今、その対応が出来ておらず、「効果が薄くなった」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。今こそ、メールマーケティング戦略を見直してみてください!
(Photo: 1996 UK Royal Mail Cartoon Stamp Card by Mark Anderson)