オンラインのECサイトでスマートフォンを使って商品を探すのは、もう誰もが行うようになっています。しかし次の段階、つまり購入へ至るには、決済という大きな障壁が待ち構えています。
購入率を高める施策のひとつに決済情報の入力を極力簡単にするというのがあげられます。しかし、スマートフォンの小さな入力画面で、細かな入力フォームへ文字を打ち込むことは困難な作業です。名前程度ならともかく、クレジットカード番号や住所を入力するのは手間がかかります。
この点を解消するためには、どうすればいいのか? 答えは、ログインしただけで決済を行えるようにする、です。
これにいち早く対応したのがGoogleの“Buy with Google”でした。
Google Walletの実績
Mobile Commerce Dailyの『Google Wallet makes gains against PayPal in mcommerce checkout』を参考に、Google Walletが現場でどのような効果をもたらしているか、見てみましょう。
Googleとの連携を行っているECで最も有名なのはFancyです。Google+サインインがローンチされたときも、最初のパートナーとして選ばれていました。モバイル決済にもGoogle Walletが活用されています。記事の中には、FancyはGoogle Walletを使い、コンバージョンが20%増加した、とあります。
Rue La Laは4倍、Neweggは100%コンバージョンが増加したとも書いてあります。
モバイルで決済を行う人は17%
Googleによれば、モバイルで商品を探す人は93%に達しますが、一方で購入を行う人は17%程度しかいません。
この原因は何か? 前述の通り、モバイルから決済を行うのが苦痛だからです。しかし、Buy with Googleは、たった2タップで決済を行えるようになるため、モバイルで見た人が、購入まで簡単に行えるようになっています。これによってコンバージョンが上昇し、ECサイトを運営している人々は“肯定的な見方を示している”そうです。
スマートフォンで購入する準備は整っている
人々は、モバイルで買い物をしないのではありません。その証拠に、アプリの売上は爆発的に伸びています。それは、決済が非常に簡略化されているということも一因しているでしょう。もちろん、アトムとビットという差もあると思いますが。
モバイルでの買い物について、GoogleのAriel Bardin氏は、次のように述べています。
多くのモバイルショッパーは購入する意思を持っていますが、サインインを行い、その後支払いや送り先など購入に至るまで、スマートフォンの小さな画面で、何十回も入力を行わなければならないため、より大きなデバイスに移行するか、完全に諦めてしまう。
ユーザーがスマートフォンで決済を行いやすいよう、モバイル決済システムを選ぶ必要があります。
最後に
PayPalを初めとして、多くの企業がオンラインのモバイル決済システムを提供していますが、Google Walletと対抗できるほどの簡略さとユーザーの規模を持っているのは、それこそAmazonくらいでしょう。
Google Wallet、Login and Pay with Amazon、どちらかがモバイル決済を制するのか、それとも新しい企業が現れるのか、目が離せないところです。