ブログとは、人に伝えるものです。人に伝えるためには、文章を工夫する必要があります。
紙には紙の技術があるように、ウェブにはウェブの技術があるのです。今回は、復習も兼ねて、読みやすい文章は何かということをNielsen Norman Groupの『How User Read on the Web』を参考に、まとめてみました。最後に、このブログを、そこで得た技術から読みやすくしてみた、というものもありますので、ぜひご参考ください。
読みやすい文章とは?
読みやすい文章を作るテクニックとして、同レポートでは以下の6つをあげています。
- キーワードを強調する
- 意味のある見出し:“賢い”ではない
- 箇条書きを用いる
- 一段落につきアイデアは一つ:ユーザーは一つ目の段落で意味が読み取れなければ、そのページを閉じてしまう
- 結論から述べるという逆ピラミッド型にする
- 通常よりも半分以下の文章量にする
また、ウェブ上の情報で最も重要となるファクターは信頼性と指摘します。この信頼性を高めるためには、高品質の画像、外部へのテキストリンク、優れた内容が必要だと述べています。特に、外部へのテキストリンクは、自分のウェブサイトに固執せず、関係性のあるウェブサイトを提示するということで、信頼されやすくなるとしています。
この真逆の状態を同レポートで“marketense”と呼んでおり、主観的な文章である、とのことです。
marketenseの具体的な例としては、旧来の企業サイトがあげられます。企業や製品のメガホンとして活用されていたので、主観的であり、優れた内容のものを提供しているとは言えない状況でした。また、人に向けて書いたものか怪しい、読み辛い文章も記憶に新しいのではないでしょうか。
言うまでもなく、ユーザーはこのような情報を望んではいません。欲しているのは、客観的な事実と、それを読み取りやすい文章です。
ユーザーの好む文章とは?
同レポートには、5つの異なるバージョンの文章が用意されています。この中で、一番ユーザビリティの高いものと低いものを抜粋してみてみましょう。
最初に、ユーザビリティの低いものを。
宣伝的な書き込み:多くの商用ウェブサイトで見られるような書き方『marketense』
ユーザビリティ:0%
ネブラスカ州は毎年多くの人々が訪れており、高い魅力があるという国際的に認められた場所も有しています。1996年に最も人気を博した場所は、フォートロビンソン州立公園(35万5000人)、次いでスコッツグラフ国定公園(13万2166人)、アーバーロッジ州立歴史公園と博物館(10万人)、カーヘンジ(8万6598人)、スチュエルミュージアムオブザプレイリーパイオニア(6万2人)、バッファロービルランチ州立歴史公園(2万8446人)となっています。
この書き方は、事実を伝えているように見えますが、冗長であり、非常に読み難いものとなっています。また、文章の目的もはっきりしているとは言えませんね。
では、一番ユーザビリティの高いものを見てみます。
組み合わせたバージョン:簡潔に読めて、客観的であり、目的に沿っている
ユーザビリティ:124%
1996年、ネブラスカ州で最も多くの人が集まった6つの場所は以下の通りです:
- フォートロビンソン州立公園
- スコッツグラフ国定公園
- アーバーロッジ州立歴史公園
- カーヘンジ
- スチュエルミュージアムオブザレイリーパイオニア
- バッファロービルランチ州立歴史公園
この方がパッと見で理解しやすいようになっています。意味のある見出しに、それに関連する箇条書き。さらに、最も人気を集めた場所を紹介するという単純明快な目的が掲げられていますが、この情報を知りたいと思ったときに読めば、目的を達成することができるでしょう。
実践してみる
ユーザーが好みやすい文章がどういうものか、何となく見えてきたと思います。今回のブログの内容を、その例に沿って書いてみました。
ユーザーの好みやすい文章とは、次の3つを満たしたものです。
- 目的がはっきりとしている
- 簡潔にまとまっている
- 客観的な事実に即している
具体的に、この3つの条件を満たすテクニックは、6つ考えられます。
1つ目は、結論を先に述べること。インターネットユーザーは手早く情報を得たいと考えているため、結論を先に提示し、その理由を連ねていくという方法を取ることで、満足度を向上させることができます。
2つ目は、見出しで目的を提示すること。目的を明確にすることで、どのように読み取ればよいか、というのをユーザーが分かりやすくなります。
3つ目は、箇条書きを用いること。箇条書きは、物事をシンプルにすることができます。シンプルにすることで、ユーザーに意味を伝えやすくなりますね。
4つ目は、キーワードを強調すること。重要な部分はどこなのか、つまり理解すればよいところをはっきりとすることにより、訴求したいポイントを伝えやすくなります。
5つ目は、文章量を極力減らすこと。インターネットで読み物をする人は増えましたが、長い文章は敬遠する傾向にあります。また、シンプルに物事を伝えるという鉄則に反するため、文章力は少ない方が無難です。
6つ目は、一段落、一アイデアです。段落を分けずに書いていると、どうしても読み辛くなってしまうため、ユーザーは途中で離脱してしまいます。分かりやすさを重視し、ひとつの段落で伝えることはひとつに絞りましょう。
と、このような感じになりました。文字数としては600字ほどになっています。すっきりとして、読みやすい感じになったと思いますが、いかがでしょうか?
これまでも読みやすい文章を心掛けていましたが、今後はここで得たテクニックを元に、より読みやすい文章を書けるよう、精進していきます!