Facebookは今年、月間アクティブユーザー数が11億人に達し、モバイルにおいても9億人に届こうかという規模に達しました。
成長を続ける中で、新しい機能追加や改善を立て続けに行っています。特にニュースフィードアルゴリズムのアップデートは、記憶に新しいのではないでしょうか。
2013年に起きたFacebookの変化を以下の4つに的を絞って復習していきましょう。
- ニュースフィード
- Facebookページ
- Facebook広告
- その他、重要な機能
ニュースフィードの変化
ニュースフィードアルゴリズム
Facebookページの運用者が最も気にするところは、このニュースフィードアルゴリズムについてでしょう。先日Facebookが行った『高品質な記事を多く表示するようになるアップデート』を始めとして、多くのニュースフィードアルゴリズムの概要がブログで公開されるようになりました。
各アップデートの中で、一環していることが2つあります。
- 高品質のコンテンツを表示しやすくする
- 人々が話題とするコンテンツを上位に表示する
- 高品質なコンテンツ:
高品質なコンテンツについて、AllThingsDがFacebookのLars Backstorm氏に行ったインタビューの中で、次のように語っています。
あなたがフィード内で面白いミーム写真が表示されたとき。確かに、あなたにとって少しの価値を与えます。しかし、AllThingsDで千の言葉を読んだ場合、ミーム写真よりも多くの価値を得ることができるでしょう。
ここで言われているミームとは、他所から拾った“ウケの良さそうなネタ”を模倣したものです。ウケ、つまり反応だけを狙ったコンテンツなので、多くのいいね!や共有を得ることができます。Lars氏は、それを“少しの価値を与える”ものとしました。
一方でAllThingsDのようにオリジナリティに富んでおり、人々に役立つようなコンテンツは、“多くの価値を与える”と評価しました。つまり、高品質なコンテンツとは、人に多くの価値を与えるものと考えられます。
ページのリーチが大きく下がっていたとしたら、Facebookの運用方法を考える必要があるでしょう。
具体的にはミームコンテンツを止めて、オリジナリティのあるコンテンツに切り替える。他にもファンにとって有益であれば、他のウェブサイトのページであっても共有するといった使い方をしましょう。
- 話題となったコンテンツを上位に表示する:
友人がコメントした投稿を上位に表示する『コメントストーリー』や、反応率が高かった記事を上位に表示する『Story Bumping』というアルゴリズムが、これに類します。
これは話題となるコンテンツを作れ、という意味ではなく、高品質な記事に対しては多くのレスポンス(いいね!やコメントなど)が付くことが明らかになっているので、さらに表示しやすくするという方策です。
つまり、小手先だけでどうにかなるものではありません。
有益なコンテンツを作った上で、「これについてどう思いますか?」というようなアクションの呼びかけを行うことで、レスポンスを得やすくなります。
BLOGOSは、それをうまく使って多くのコメントを集めていますので、参考にしてみてください。
リンクの画像が大きく表示されるように
9月に行われたアップデートによって、リンク付き投稿で表示される画像のサイズが大きくなりました。このアップデートによって、画像サイズは6倍近く変わります。
当然ニュースフィードに表示されたときにインパクトも変わってきます。EdgeRank Checkerの調査によれば、クリックが69%増加させた、とのことです。
ポイントは2つ。OGP設定を変更することと、読み込む画像のサイズを大きくすることです。
特にSNS上で表示される画像は、Facebookに限らず、TwitterやGoogle+でも大きくなる傾向にあります。WordPressで言う、アイキャッチ画像のサイズは出来るだけ大きくする必要があるでしょう。参考までに、ハイベロシティのアイキャッチ画像サイズは930*516になっています。
Facebookページ
カバー写真のガイドライン改訂
Facebookページのカバー写真のガイドラインは3月と7月に改訂が行われました。いわゆる“20%ルール”が削除されたり、いいね!などを呼びかける文言が入れられるようになりました。
現在は、以下の5点を守る必要があります。
- 虚偽的ではないもの(例: なりすましなど)
- 誤解を招かないもの(例: 値段のミスリードを誘ったり、非公式であるにも関わらず公式であるように見せかけたりすること)
- 著作権を犯さないもの
- 法に反さないもの
- Facebookページの利用規約に反さないもの(例: アルコールやタバコなど年齢制限がかかっているようなもの)
なお、カバー画像のサイズは幅851ピクセル、高さ315ピクセルとなっています。
プロモーションガイドラインの改訂
Facebookプロモーションのガイドラインが改訂されています。これにより、“アプリケーションのみでプロモーションを行える”という文言は削除されました。
Facebookは一切関係がないということや、法の遵守などを前提として、Facebookページによるプロモーションは、以下のように書かれています。
3. プロモーションは、Facebookページ上またはFacebookアプリ内で運営できます。個人用タイムラインを使ってプロモーションを運営することはできません(「個人用タイムライン上のコンテンツのシェアを参加条件とすること」や「友達の個人用タイムライン上のコンテンツのシェアを追加の参加条件とすること」などは認められません)。
つまり、いいね!やコメントをプロモーションの参加条件に使うことはできますが、シェアはダメ、ということになります。
コメントの返信機能
Facebookページの投稿に付いたコメントへ、返信ができるようになりました。厳密に言えば著名人もこの返信機能が使えるのですが、例外の存在としてページの機能として取り上げます。
返信機能は、オプトイン方式で使えるようになります。
Facebookページの管理者アカウントでページを開き、[Facebookページを編集]をクリックします。
[返信]を開き、
[ページでのコメントへの返信を許可する]にチェックを入れ、[変更を保存]をクリックしましょう。
これで設定完了です。
すると、以下のように返信が行えるようになります。
投稿に対する質問や、コメントに対するフォローアップを行うことをオススメします。
Facebook広告
Facebook広告のアップデート
6月にFacebook広告の大幅アップデートについて以下の3点が告知され、実行に移されました。
- クエスチョン/クーポン広告について廃止
- スポンサー記事における統一/簡易化
- 広告のアピアランス一貫性
クエスチョン/クーポン広告の廃止
クエスチョンやクーポンについては、すで廃止されており、クエスチョンについては画像を使った質問方法が提示されました。
また、クーポンはページ投稿の宣伝(プロモーテッド・ポスト)を使い、ウェブサイトでクーポンを配布する方が効果的であると判断され、廃止されました。
スポンサー記事の統一と簡易化
かつてのニュースフィード広告は多くの種類がありましたが、ページ投稿広告として統一されました。
また、目的に合わせた形で広告が簡単に出稿できるよう、10月に広告作成・管理ツールのアップデートが行われています。
どちらもソーシャルコンテキスト(人の繋がり)を重視したものとなっており、“人間関係”を意識した広告を考える必要があります。
広告のアピアランスの一貫
かつてはデバイスが違えば見え方が違い、広告の種類が違えば見え方違うという、様々な見え方をしていました。
しかし、現在ではデスクトップとモバイルの見え方が統一され、広告の種類による見え方の違いも解消されました。
モバイルアプリインストール広告に行動喚起(Call to Action)ボタンが追加
10月に、モバイルアプリインストール広告でアプリを起動させたり、予約を行うといったような、行動を喚起できるようになりました。
モバイルアプリインストール広告でインストールされたアプリの数は、1億4500万個以上にのぼりますが、66%のアプリは起動回数が10回未満だったため、収益に繋がり辛い状況にありました。
しかし、行動を促せるようになったことで、アプリを起動させたり、実際に購入へ誘導することで、収益に繋がりやすくなっています。
その他の機能
投稿の埋め込み
公開設定されているFacebookの投稿が、外部サイトへ埋め込めるようになりました。
埋め込むには、Facebook投稿の右上にあるボタンをクリックし、[外部へ埋め込む]を選択します。
次に表示される画面のURLをコピーし、埋め込みたいページへペーストすることで、投稿が埋め込めます。また、Widthの数字を変更することで、横幅を変えることが可能です。
埋め込みを行うと、このように表示されます。
投稿の埋め込みを活用することにより、コンテンツの拡散機会が増えたり、リーチやエンゲージメントを高めることできます。詳しくは以下の記事をご覧下さい。
ハッシュタグ
Twitterなどのソーシャルメディアで実装されていたハッシュタグが、Facebookにもやってきました。
現在のところあまり使われていませんが、Facebookの投稿をまとめるという点では、かなり有効な方法だと思われます。
例えば、セミナーの状況を何度も上げているのであれば、#seminar_hivelocity のようなハッシュタグを使い、過去の投稿を見やすくしてみましょう。また、参加者にも利用を促すことで、セミナーの状況や内容を、参加できなかった人に向けても発信することができます。
画像添付コメント
投稿にコメントを付ける際、画像が添付できるようになりました。
FacebookのBob Baldwin氏が投稿を行っていますので、投稿を引用させていただきます。
最初は個人のみだけでしたが、現在ではFacebookページのコメントにも画像が添付できるようになっています。
Facebookのコメントで製品の使い方についての質問があった場合、画像を示した方が分かりやすい回答を行えることもあります。そうしたときに、使ってみましょう。
最後に
2013年の総復習、いかがだったでしょうか?
個人的に見逃せないのは、やはりニュースフィードアルゴリズム……と言いたいところですが、実はこれってGoogleの検索アルゴリズムと似通ってきていて、「多くの人の役立つコンテンツを作れよ!」と言っているだけなんですよね。ウェブサイトのリンクを投稿しすぎると良くない、というようなテクニックもあるようですが、根本的には高品質なコンテンツを投稿するよう心掛けてるだけだと思います。
あとは、人と人が繋がるソーシャルメディアであるということを忘れずに、コミュニケーションをしっかりと取ることが、Facebookで成功する鍵でしょう。
この2点については、今後どのようにFacebookが変化したとしても変わらないはずです。
それでは、来年に向けて良いFacebook戦略を考えてみてください!