決済システムや財務サービスを提供するアメリカ企業『Fiserv』は、2013年にアメリカで行われたオンライン決済について、世帯向けへ調査を行いました。
2012年にモバイル決済を利用していた世帯数は800万世帯だったのに対し、2013年には2倍となる1600万世帯が利用するようになりました。
この成長を支えたのは言うまでもなくスマートフォンユーザーで、昨年より150%多くのスマートフォンユーザーが、自分の端末を使って決済を行っています。さらに、モバイル決済を行った人は、平均的なユーザーよりも19%多く決済を行っていることが明らかになっています。
ユーザーがモバイル決済を利用する理由として、以下のようなものがあげられています。
- 70% : 便利だから
- 55% : いつでもアクセスできるから
- 49% : 時間の節約になるから
- 46% : 手軽だから
- 30% : PCが近くにないから
また、興味深いことに、iPhoneユーザーはAndroidユーザーよりも48%多くのユーザーがモバイル決済を利用しています。このデータは、一時期日本でもあった“AndroidユーザーはiPhoneユーザーよりも課金率が悪い”という問題に似ていると思います。今では課金率にそれほど差がないようですので、そう遠くないうちに解消するのではないでしょうか。
また、モバイルによる支払いや受け取りに対応していると、50%の消費者はマーチャントと良い関係を築けると考えます。モバイルであればどこでも利用できるという利便性と、生体認証やカメラを用いるなどユーザーエクスペリエンスに考慮できることに要因があると、同レポートで考察されています。特に、後者の生体認証などは、35〜24歳の、いわゆるY世代に強い影響があるそうです。
この調査はアメリカのオンライン決済全体が対象になっていますが、その中のモバイル決済の項目にフォーカスを当ててご紹介しました。
調査結果のインフォグラフィックは『2013 Billing Household Survey from Fiserv(Flickr)』にアップロードされています。また、レポートは『Sixth Annual Billing Household Survey』からダウンロードすることができます。
最後に
asymcoの調査によれば、アメリカのスマートフォンユーザー数は2013年10月の段階で1億4000万人強です。1600万世帯がモバイル決済を利用しているということは、少なく見積もってもスマートフォンユーザーの1割強がモバイルを使って決済を行っていることになります。しかもこれは前年比で倍に増えた数値なので、来年も上昇するでしょう。
日本でもスマートフォンの普及率が上昇し、SquareやCoineyなどのモジュール式のモバイル決済も台頭してきました。今年も、国内のモバイル決済に転機が訪れるでしょうか。
モバイルに最適なサイト、モバイルに最適な決済システム、両方を揃えたサイトの構築が求められます。
(Photo: MasterCard SecureCode ICA Banken by Karl Baron)