アメリカの大手テックメディアサイト『Mashable』と『TechCrunch』について調べてみました。
コンテンツが重要となる時代に、アメリカで非常に人気が高いサイトは、どのような運営がされ、どのようなターゲットに受けているのか。トラフィックがどうなっているのか、という点に興味があったからです。
それではいってみましょう!
Mashable
メインコンテンツ
Mashableは元々、ソーシャルメディアにフォーカスしたメディアでした。(Source: Wikipedia)
現在ではモバイル、ウェブ開発、ガジェット、動画コンテンツ、ウェブマーケティングなど、インターネットやテクノロジーに関する幅広いコンテンツを提供しています。
大きなカテゴリーは6つあります。
- ソーシャルメディア
- テクノロジー
- ビジネス
- エンターテインメント
- アメリカ & 世界
- ライフサイクル
各項目にある、小項目は以下の通りです。これらに加えて、全てに『全ての◯◯』という小項目があります。
- ソーシャルメディア : Facebook , Google+ , How To , Twitter , YouTube
- テクノロジー : アプリ & ソフトウェア , 開発 & デザイン , ガジェット , モバイル
- ビジネス : 広告 , 職業 , マーケティング , メディア , スタートアップ
- エンターテインメント : 映画 , ゲーム , 音楽 , スポーツ , テレビ
- アメリカ & 世界 : 政治 , ソーシャルグッド , アメリカ , 世界
- ライフサイクル : 家族 & 子育て , 健康 & 美容 , 家 , 旅行 , 遊びと学び
ソーシャルメディアのファン数
それぞれ、2014年1月17日の数字です。
- Facebook : 176万4266人
- Twitter : 373万3829人
- Google+ : 367万7119人
- Pinterest : 144万64人
- StumbleUpon : 3万8000人
ウェブサイトのトラフィックに関する情報
1. 利用者層
- 男性 : 50%、女性 : 50% (Source: Mashable Brand Kit)
- 利用者の多い年齢 : 25 – 34 (Source: Brazen Careerist), 16 – 44 : 66% (Source: 同上)
- 居住地 : アメリカ(59.2%)、イギリス(5.75%)、カナダ(5.4%)、インド(2.95%)、オーストラリア(2.23%) (Source: SimilarWeb)
いわゆるY世代の人々が多く利用しています。SimilarWebのデータに基づいたユーザーの居住地はアメリカが最多となっていおり、59%強と半数以上を占めています。イギリス、カナダと続いており、ともに5%を超えています。
2. ウェブサイトのトラフィック
- 月間ユニークユーザー : 2200万人 (Source: Mashable Brand Kit)
- 月間PV : 4000万以上 (Source: Mashable Submit News)
- Alexaランク : 207位 (Source: Alexa)
- 月間コンテンツシェア回数 : 250万回 (Source: Mashable Brand Kit)
3. トラフィックの流入源
流入源については、SimilarWebを参照しました。これは大まかなデータで、詳細なものではありませんので、参考程度に留めてください。
4割強がソーシャルメディアからのトラフィックになっています。この内訳は、以下の通りとなっています。直近3ヶ月のトラフィックなので、12月にあったFacebookニュースフィードアルゴリズムのアップデートの影響はあまり受けていないため、それが反映されたときどうなるかが気になるところです。
- Facebook : 70.29%
- Reddit : 14.38%
- Twitter : 9.19%
- LinkedIn : 2.39%
- Stumbleupon : 1.83%
備考
創業者はPete Cashmore氏。
iOS、Androidでアプリを提供しています。
イベント事業に近いことも行っており、イベントの情報掲載とチケットを販売する『events.mashable.com』の運営、ソーシャルグッドについてのカンファレンス『Social Good Summit』、新しい時代のメディアについてのカンファレンス『Mashable Media Summit』を行っています。
TechCrunch
メインコンテンツ
スタートアップ企業の紹介、インターネットに関する新しいプロダクト、テクノロジー界隈のニュースを扱うメディアです。
現在、英語と日本語、中国語で記事が提供されています。
- TechCrunch(本家・英語)
- TechCrunch UK(ヨーロッパ向け・英語)
- TechCrunch Japan(日本語)
- TechCrunch 中国(中国語)
大きなカテゴリーは8つあります。
- スタートアップ
- モバイル
- ガジェット
- エンタープライズ
- ソーシャル
- ヨーロッパ
- アジア
- 電子政府や政治について
これ以外に細かなカテゴリーとして、以下のものがあります。また、これ以外にも“Apple”や“Google”といったタグ的なカテゴリーも存在していますが、そちらは数限りなくあるため省きました。
- アプリ
- 広告
- ハック
- EC
- 教育
- メディア
- 投資情報
- 財務情報
- 健康
- エンターテインメント
- ドラマ(文字通りのドラマではなく、背景にあるストーリー的な意味合い)
ソーシャルメディアのファン数
それぞれ、2014年1月17日の数字です。
- Facebook : 110万9661人
- Twitter : 323万8140人
- Google+ : 422万6694人
- YouTube : 4万9321人
- Pinterest : 2万27人
- StumbleUpon : 1万5000人
ウェブサイトのトラフィックに関する情報
1. 利用者層
- 男性 : 70%、女性 : 30% (Source: Advertise with TechCrunch)
- テクノロジーギーク : 35% (Source: 同上)
- 居住地 : アメリカ(66.15%)、日本(6.75%)、イギリス(4.14%)、カナダ(3.09%)、インド(2.09%) (Source: SimilarWeb)
Mashableのように娯楽系や一般的なニュース記事を提供しているわけではないので、必然的にテクノロジーが大好きな人が多くなっています。また、利用者の60%以上がアメリカ在住です。ただ、次点(というにもかなり離れていますが)に日本が入っています。これは日本語サイトもサブドメインで提供されているとはいえ、日本でも人気があることが分かりますね。
2. ウェブサイトのトラフィック
- 月間ユニークユーザー : 1470万人
- 月間PV : 3400万
- Alexaランク : 438位 (Source: Alexa)
3. トラフィックの流入源
Mashableと同様、SimilarWebを参照しました。大まかなデータで、詳細なものではありませんので、参考程度に。
ソーシャルトラフィックの比重が高かったMashableと比べて、どれに依存するわけでもないトラフィック配分となっています。全体としてはダイレクトトラフィックが多くなっていますが、ギーク層がRSSや公式アプリで定期的にサイトへ訪問しているからだと考えられます。ソーシャルがMashableより低いことについては、ヘビーなコンテンツの比重が高いからでしょう。
備考
創業者はMichael Arrington氏とKeith Teare氏。
iOS、Android、Windows 8でアプリを提供しています。
TechCrunchは『ChrunchBase』というスタートアップを含むテクノロジー企業のデータベースと、テクノロジー企業の求人を行う『CruncBoard』、TechCrunch主催のミートアップやハッカソンなどの各種イベント事業を行っています。
また、2010年9月にインターネットサービス会社のAOLに買収されています。TechCrunch Japanも2011年4月から日本法人のAOLによる運営が始まりました。
最後に
いかがでしたでしょうか?
個人的に、MashableとTechCrunchの流入源の違いが興味深かったです。Mashableはどちらかといえば一般的なインターネットユーザーに向けたコンテンツが多く、TechCrunchは“オタク”に向けたコンテンツが多いため、このような差になったのでしょう。SimilarWebのデータであるため正確なところは分かりませんが、実態からそれほどかけ離れたものではないように思えます。
メディアサイトの運用をするとして、どちらのサイトを参考とすべきかを考えるときにお使いください!