PayPalは、外部サイトへ移動することなく、PayPal決済を行うことができるようになる『In-Context Checkout』を、複数のパートナーのサイトでテストを行っていることを明らかにしました。
既存のPayPal決済は、①. 買い物をしたいサイトで情報を入力した上で ②. PayPalサイトへ移動し、③. PayPalアカウントでログイン、④. それから決済を行うというフローでした。これにはサイトを移動するため、離脱者の出る可能性が高くなる、という問題点がありました。
また、デスクトップ、モバイル、タブレットで一貫性が弱いという点も、PayPal自らが上げています。サービスやサイトの一貫性は、ユーザーエクスペリエンスを高めるため、最近、一層強く意識されているところです。
以上の2点を解決するのが、In-Context Checkoutというわけです。
In-Context Checkout
In-Context Checkoutのテストを行っているウェブサイトを探したのですが見つからないため、まずは以下の動画をご覧下さい。(※現在動画を閲覧することはできません)
動画で見られる決済のフローは、以下のようになっています。
- Checkout with PayPalをクリックする
- Lightbox風にPayPalログイン画面が出てくるため、ログインする
- 決済を行う
サイトを移動する必要がないため、離脱するユーザーの減少を図れるとともに、あらゆるデバイスで同一の表示がされるため、一貫性も向上しています。
導入と今後のアップデートについて
PayPalは、今年の上半期にIn-Context Checkoutを大手のマーチャントに導入すると述べており、中小のマーチャントについても同じ時期に導入できるよう努力するとしています。
そして、下半期にはいくつかのアップデートを行う予定があるようです。
最も興味深いのは、『PayPalアカウントを使い、マーチャントサイトでアカウントの作成・ログインが出来るようになる』というもの。この分野で競合となりそうなAmazonも『Login and Pay with Amazon』を発表しています。
これによる利点は、消費者が直接マーチャントサイトにクレジットカードなどの情報を提供することなく、サイトを利用できるという安全性にあります。もちろん、既に所有している他サービスのアカウントを使ってログインできるという利便性も無視できません。ちなみにPayPalのアクティブユーザーは1億3700万人に到達しています。
また、このログイン機能を使うと、支払いを行う際に情報を入力する必要が無くなるようです。これも購入率を上げることの出来る良い施策ですね。
他にも、以下の点にアップデートが施されると述べています。
- Authorization Capture(承認と支払い)
- 決済の事前承認
- 定期支払い
- デジタル商品の取り扱い
In-Context Checkoutが正式に開始されたり、続報が出ましたら、またお伝えいたします!