Facebook、スタンドアローンアプリ戦略を発表。第一弾にニュースアプリの『Paper』の提供を開始

Facebookは、第4四半期のカンファレンスコールにおいて、スタンドアローンアプリの提供にフォーカスすることを発表しました。

この一例は、Facebook Messengerに見ることができます。Facebook MessengerはFacebookの数ある機能の中でも特に人気があったものでしたが、現在は独立したアプリとして提供されています。Google Playのインストール数だけで1億〜5億となっており、iOS、Windows Phone向けにも提供されていることを考えると、多くのスマートフォンFacebookユーザーが、このアプリを利用していることを想像できます。

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは、ユーザーがFacebookを使っているとは思わせないコミュニケーション体験を開発すると述べて、これからいくつかのスタンドアローンアプリを提供する方針を明らかにしました。

スタンドアローン戦略第一弾『Paper』

その第一弾として、ニュースアプリの『Paper』が発表されました。機能的にはウェブマガジンのFlipboardのようなアプリで、画像や動画を強調したデザインとなっています。

Facebook公式の動画がありますので、まずはこちらをご覧ください。

Introducing Paper from Facebook on Vimeo.

最初の画面では、Facebookのニュースフィードが流れています。画面上半分にカバー画像が表示され、下半分には投稿が表示されます。気になった投稿をタップすると展開され、画像や動画付きであれば、それが大きく表示されるようです。

さらに、ニュースアプリらしく、いくつかのニュースジャンルが用意されており、「スポーツ」「ワールドニュース」「ビジネス」「食べ物」など、日常に欠かせない情報を仕入れられるようになっています。単に個人のニュースフィードからトピックを拾ってくるのではなく、大きく2つの方法で表示されるニュースを選別しています。

  • Facebookの編集者がキュレーションしたもの
  • 出版社、有名ブロガー、著名人が投稿した中からPaperのアルゴリズムで篩にかけたもの

Flipboardと最も異なる点は、この2つでしょう。Flipboardは気になるマガジンをフォローして、それを読むものですが、Paperにはマガジンのような概念が存在しません。マガジンはチェックしたいジャンルを深く知るのに適していますが、逆に、それに関わらない分野の重大ニュースを見逃してしまう可能性があります。しかし、Paperのように編集者がキュレーションしたものであれば、その心配は薄くなります。

広い分野のニュースと、質の高いコメントにより、雑誌と言うよりも新聞のポジションを狙っているように見えますね。

また、このPaperはニュースリーダーとしてだけでなく、Facebook投稿用のクライアントとしても利用することができます。その際には、Facebook本体のアプリよりもシンプルな編集画面が使えます。

最後に

Paperは現在、アメリカのApp Storeで提供されています。日本を含めた他国、及びAndroid向けにはまだ提供されていませんので、利用したい人はしばらく待ちましょう。ただ、コンテンツパブリッシャーとの契約や、キュレーションを行うという関係上、その国に詳しい編集者が必要となりますので他国での展開には少し時間がかかるかもしれません。

また、スタンドアローンアプリ戦略は、非常に気になるところです。利便性から言えばクーポンをモバイルアプリ化する、というような方法もありそうですが、さて、どうなるのでしょうか。

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