Facebookが1月末に行ったニュースフィードアルゴリズムアップデートで、ページが行うリンクや画像を添付した投稿のリーチが伸びやすくなる一方で、テキストベースの投稿(近況の更新)のリーチが減少するようになりました。
「実際のところ、テキストベースの投稿はどれくらいリーチが落ちてるの?」と、気になる方もいるのではないでしょうか。テキストベースの投稿を行っているページが多くあるわけではありませんが、例えば個人経営の店舗が都合によって営業時間を短くする旨を伝える際に利用しているケースなどが見受けられます。時折、文章+絵文字でコメントを呼びかけている企業もありますね。
多くの方にリーチできるメリットを活用していると言えます。このメリットは、どう変わっていったのでしょうか?
本日、EdgeRank Checkerがテキストベースの投稿のリーチがどれほど落ちたかについての調査レポートを公開しましたので、抄訳します。
近況の更新のリーチは、最大40%低下した
Facebookは1月21日に、Facebookページの近況の更新の表示を減らし、友達の近況の更新の表示を増やすという発表を行いました。私達は、これが平均的なページに与えた影響を調べたいと思いました。
その調査で私達は一般的なページが近況の更新を使用した際に、元々全体の18%にリーチしていたものが11%となっており、40%減少していることが分かりました。このアップデートが行われる前は、近況の更新は”手付かず”の最後のコンテンツタイプであると考えられていました。現在は、全てのコンテンツタイプがほぼ同様の扱い(※)を受けて表示されています。
※ : 動画は最大で全体の14%へのオーガニックリーチを持っていて、リンクのほぼ倍に達します。私達のサンプルにある動画セグメントは小さなものですが、アップデート前と後で、数値はほとんど変わらないままでした。
1月21日以降のコンテンツタイプ別リーチ
動画は現在、ニュースフィードの中で最もリーチしやすいコンテンツです。動画は最も魅力あるコンテンツですが、写真とエンゲージメントに大差はありません。これは動画と比べて写真が抑止されている、ということを示唆しています。
これから先、どうなる?
Facebookが始まって以来、オーガニックリーチはゆっくりと、時間をかけて減少し続けています。ニュースフィードへの表示は、今後さらに競争が激しくなるでしょう。このままではオーガニックリーチの機会を失うばかりです。今回調べたブランドの中で、近況の更新でオーガニックリーチが増加したのは、わずか7%でした。しかし、増加したものには、非常に高いエンゲージメントがありました。Facebookが本来投稿に望んでいるものは、ページを通じてコンテンツ発信源(Content Originator)がエンゲージメントを促進することなのです。
コンテンツ発信源(Content Originator)
Facebookはコンテンツ作成者から、コンテンツ発信源へとブランドの重点をシフトしています。これは、必ずしもソーシャルネットワークが成熟して起きた”シフト”ではありません。Twitter戦略の初期段階は、フォロワーはフォローした人に従属しており、RTされやすく、関連性のあるコンテンツを用いてさらに増やしていく手法があります。最近、Twitterで成功を収めているブランドは、共有されやすいコンテンツを用いています。
この良い事例が私達のTwitterアカウントです(約2000人のフォロワーがいます)。私達のコンテンツは、コンテンツを読んだ人によって拡散されており、私達自身のツイートとは対照的に多くのクリック数を誇ります。初期の頃は、こうはなりませんでした。私達は、(Twitter戦略のような)成熟過程が現在Facebook上で行われていると信じています。
この新しいエコシステムにおいて、コンテンツ発信源であるということが重要になってきます。Facebookアルゴリズムはオリジナルコンテンツの価値を、誰かのコンテンツを再共有するこよりも高めようとしているからです。
調査を通じて見えてきたもの
これまで、Facebookによって減少させられたものについての調査を見てきました。私達は続けて、特定のページが、アップデートによる減少がない、もしくは増加した理由を分析しました。分析の結果、これらのページは、自分達の作成したコンテンツと強い関連性を持っている傾向にあることが分かりました。この方針は、高いシェア率を持ち、あらゆるコンテンツと相乗効果を生み出します。つまり成功したのページは、ファンが真に得たい内容を正確に把握することに重点を置いていたのです。
結論
Facebookは1月21日から近況の更新のリーチを40%減少させました。動画と写真のエンゲージメントは高くなっていますが、動画はまだ発展途上のようです。主にオリジナルのコンテンツを作るブランドは、アップデートによる影響を受けづらかった。エンゲージメントを高めるためには、あなたのファンを見極めて、そのトピックに沿ったコンテンツを作成することをオススメします。
戦略を変更する必要はありません。健全なソーシャルメディア戦略は、コンテンツタイプに重きを置かず、魅力的なコンテンツとトピックを中心に構築されているはずだからです。あとは、テストあるのみ!
これはEdgeRank Checkerの「Status Update’s Organic Reach Drops ~40%」を抄訳したものです。
最後に
近況の更新は確かに届きづらくなっています。その届きづらい理由は、近況の更新にもファンが望んでいるかというアルゴリズムが働き出したからのようです。増加した近況の更新には高いエンゲージメントがあったようなので、まず間違いないでしょう。
EdgeRank Checkerが提示した解決方法は、いつもと同じ2つのことです。
- オリジナルのコンテンツを発信する
- ファンがページに望んでいることを把握する
今回は特にコンテンツ発信源(Content Originator)という言葉が強調されていましたね。各ページのコンテンツの発信源としての価値をFacebook側が評価付けしているかもしれないという話は以前にも指摘されていましたが、今回はそれをさらに重要視したもののように思います。
ただ、前述の通り、いくらオリジナリティのあるコンテンツを発信したからと言っても、リーチで重要となってくるのはエンゲージメントです。これは他のソーシャルメディアも同様で、良いコンテンツとはファンが喉から手が出るような情報ということを忘れずにいれば、Facebookだけでなく、コンテンツ戦略を大きく成功させることができるでしょう。