最大の取引所「Mt. Gox」の閉鎖騒動で一般的にも名前が知られてきた「BitCoin」。これは暗号通貨と呼ばれる通貨のタイプです。最大の特徴は、日本円や米ドルであれば国家が運営者となっていますが、暗号通貨は運営者はコインを利用する人たちであるという点です。そして、“暗号”の名の通り、取引や所持者について、特定が非常に難しいという特性を持っています。
暗号通貨を手に入れるには、金を発掘するように「マイニング」という作業を行う必要があります。実際に手を使って発掘するのではなく、専用のソフトウェアを導入し、パソコンに複雑な計算式を解かせることで、暗号通貨を手に入れることができます。
この暗号通貨ですがBitCoin以降、続々と登場して、現在では大小150を超えています。これらの通貨の市場規模や価格をまとめているCoin Market Capには現在175種類が登録されていることからも、多様さが窺えます。
今回はその中から特に注目する4つの暗号通貨をご紹介します。
1. BitCoin
世界で最も有名な暗号通貨です。BitCoinの価値が最も高い時期には1BitCoin(BTC)=1000ドルを超えていたものの、件のMt. Gox閉鎖騒動によって400ドルを割り込むほどになってしまいました。現在は、BitCoinの価格変動チャートが見られるBitCoin Chartsによれば630ドル前後にまで回復しています。
埋蔵量は2100万BitCoinで、4年毎に一回の発掘できる量は半減していき、これらの発掘は2140年に終了、それ以降は一切の発掘ができなくなります。簡単に言えば「鉱山が枯渇する」ということです。このモデルは少しずつBitCoinの希少価値が増していき、1BTCの価格が上昇していきますが、取引自体は0.0000001BTCから可能なため、「価値が高すぎて取引できない」ということはほぼありません。
2. Ripple
RippleはOpenCoinという会社によって作られました。OpenCoinはJed Caleb氏と、Mt. Goxの創業者であるMcCaleb氏が作った会社です。
BitCoinの次に時価総額が大きくなっていますが、厳密に言えば暗号通貨ではなかったりします。取引のための“インターネット・プロトコル”と言われており、インターネットで通信ができるように、簡単で、しかも素早く取引を行えることを目的としています。この説明も少し分かりにくいですが、取引を仲介する手形のようなものと考えてください。この取引は現実に存在する通貨はもちろん、通貨とBitCoinの取引も仲介することができます。
Rippleはマイニングではなく、医療や科学の発展に関わるプロジェクトの分散コンピューティングに参加する報酬として得ることができます。なので、発掘よりも月給と言った方が意味合いとしては分かりやすく、合計で1000億Rippleを流通させたい、とOpenCoinは考えています。
3. Litecoin
暗号通貨の中では、BitCoinに次ぐ大きさです。時価総額は桁が2つほど足りませんが、Mt. Gox閉鎖騒動以降(もちろんそれ以前も)、順調にシェアを伸ばしており、取引ボリュームは遜色ありません。ちなみに1Litecoin=17.4ドルです。
BitCoinと同じくP2P形式で、内容もほぼ似通っています。大きく違うポイントは2点で、BitCoinのマイニングは極度に専門的で高い性能を持ったパソコンで行われていますが、Litecoinはそれほど高性能でなくてもマイニングでBitCoinよりもコインを得ることができること。もうひとつはBitCoinは取引にかかる時間が10分程度なのに対し、Litecoinは2分程度で行われることです。
埋蔵量は8400万Litecoinで、BitCoinのちょうど4倍です。
4. モナーコイン
個人的に注目しているのが、このモナーコインです。モナーコインは2ちゃんねるで生まれた、国産の暗号通貨なのです。特筆すべきはなんと言っても日本語の資料が豊富なため、ハードルがとても低いということ。BitCoinもLitecoinもなんだか分からないけど暗号通貨には手を出してみたい、という方は、まずモナーコインに手をつけてみるとよいでしょう。
ただし、“通貨”としての価値は現在ほとんどありません(1モナーコイン=4円程度)が、モナーコインで支払いが出来るオークションサイトや、モナーコインを対価に何かを行うといったサイトがあったり、モナーコインでコンテンツを販売するためのサービスもあります。
サービスが開始されて3ヶ月で勉強会が開かれるなど、日本での暗号通貨への関心の高まりがわかりますね。
最後に
Google Trendsを見ても分かるように、BitCoinへの関心は高まっています。もちろんMt. Gox騒動が非常に大きな鍵となったからですが、BitCoinを知れば、他の暗号通貨へも関心が向くようになるでしょう。
最後に紹介したモナーコインも急激に検索数が伸びており、国産の暗号通貨がどのように発展していくのか、個人的にウォッチしたいと思います。