ウェブマーケティングにSEOを組み込んだとき、効果測定をし、本当に戦略が正しいのか確認しなければなりません。
SEOの効果測定を考える際、「とにかく1位を獲得すればいいんだ」という考えは危険です。ひとつに、検索エンジンのアルゴリズムは、あなたがコントロールしているものではないということがあげられます。検索結果はGoogleのアルゴリズムアップデートひとつで大きく変わる可能性があります。あるいは、あなたのウェブサイトが検索結果に表示されなくなってしまうという事態が起こるかもしれません。
憂慮すべき事態が起こるかもしれないのに、なぜ検索結果で1位を取ることだけがパフォーマンスを測れる方法になりえるでしょうか? しかも、仮にビッグキーワードで1位を獲得したとしても、そこから生まれたトラフィックが思った通りのコンバージョンが生まれるとは限らないのです。
それでは、どのようにSEOの効果を測ればいいのでしょうか? 今回は、見るべきSEOの指標について考えてみましょう。
SEOの効果測定で見るべき場所
1. 検索キーワード
SEOをウェブマーケティングの戦略へ組み込む際、どのようなキーワードで訪れて欲しいかというキーワード戦略を考えます。この際には自社の関わる事業領域、(ものによっては)ビッグキーワードで順位をあげることを考える必要もありますが、始動したてのウェブサイトではビッグキーワードでアクセスを得ようというのは現実的に不可能です。また、前述したように、そのキーワードに本当の効果があるか疑問の余地が残ります。
何かを知りたいと思ったり、買いたいと思ったとき、「(知りたいこと) とは」や「パソコン用メガネ 度入り」など、複数のキーワードで検索をする場合がほとんどです。そうしたキーワードを狙ったロングテールの戦略を立てる必要があり、効果測定でもそこを重点的に見ます。
まずは、自社サイトにどのような検索キーワード(クエリ)でアクセスがあったかを調べましょう。その中で、狙ったロングテールキーワードでアクセスが取れているか確認します。
例えば、元々はフランスのインテリアショップなのに、インテリアに関するキーワードでアクセスが少ない場合はコンテンツが適切ではないか、そもそもSEOが上手くいっていない可能性があります。Webmaster Toolを使ってエラーが出ていないかを確認し、作成したコンテンツとキーワードが狙った通りにつくれているかをチェックしましょう。
2. 訪問者の行動
訪問者がどれくらい来たか(PV)ではなく、訪問者がサイトに訪れた経路や、サイトで行った行動をチェックします。
Aというキーワードで来た訪問者は、このページを見た後にBというページへ移動する、というような具合です(これはGoogle Analyticsで行えます)。この確認を使えば、どのキーワードで来た人はよく資料請求をしてくれるというデータや、逆にすぐに離脱してしまうページを見つけて改善を行うことができます。
3. 購読者の獲得
検索エンジンからブログやコンテンツを見つけた人がRSSやメールマガジンに登録することも、SEOの効果として考えることができます。RSSやメールマガジンで購読しようと考えた人は、見込み顧客ではないですが、あなたのウェブサイトやコンテンツに興味を持った人々です。
そうした人たちは、あなたのコンテンツを頻繁にチェックし、ソーシャルメディアへ共有しやすくなります。つまり見込み顧客にならなかったとしても、読者の獲得とリーチ拡大の機会を得たと言い換えることができます。
4. インバウンドリンクの獲得
検索エンジンアルゴリズムには多くの要素が関わっていますが、その中のひとつにインバウンドリンクがあげられます。インバウンドリンクは健全に運用されている他ウェブサイトが、自然としてくれたリンクのことを言います。
リンクは昔からSEO上有利になると言われていましたが、それを簡単に獲得するためにお金を払ってリンクを獲得する、という手法がありました。現在では、その方法はブラックハットSEOと呼ばれ、Googleのペナルティの対象となっています。そうなると、コンテンツを通じて得た自然なリンクの価値は高まっていくのです。
もうひとつ、リンクをしてくれたウェブサイトの訪問者が、あなたのウェブサイトへリンクを参照して見に来ることがあります。これも、新たな読者の獲得やリーチ拡大の機会に繋がり、トラフィックを増やすことができます。
5. ソーシャルメディアへの共有
ソーシャルメディアでの共有が直接的にSEOに有利になると断言できるデータは、今のところありません。しかし、ソーシャルメディアはSEO戦略にも組み込めるものです。ソーシャルメディアは特性上、瞬間的に多くのトラフィックを獲得することができます。注目を集めたコンテンツはリンクを獲得しやすく、間接的にSEOで効果を上げることができるのです。
この場合、ソーシャルメディアへの共有数とリンク獲得数を表にしてみることをおすすめします。
コロンブスの卵のような話になりますが、作成したコンテンツがソーシャルメディアへ共有されやすい形を整えておきましょう。もちろん、自分達で投稿することも忘れずに。
最後に
SEOの効果は、検索結果ページだけで測ることはできません。検索結果ページから訪れた人、その後取った行動など、ウェブサイトに関することを包括的に見ることで、正しく効果を測ることができます。
そのためにはGoogle AnalyticsやHubSpotのようなマーケティングツールをフル活用する必要があります。そして、改善を続けることによって効果を高められるのです。
SEOの効果に疑問を持ったら、一度効果測定の方法を見直してみてくださいね!