技術が発達し、私たちは人型ロボットを身近に感じることができるようになりました。6月5日にソフトバンクより、感情認識パーソナルロボット「Pepper」が発表されました。今回は、人型ロボット「Pepper」から人とロボットについて考えていきたいと思います。
感情認識パーソナルロボット「Pepper」
2014年6月5日にソフトバンクより、感情認識パーソナルロボット「Pepper」が発表されました。人間の感情などを読み取ってコミュニケーションをはかるロボットは世界初だそうです。
「Pepper」
(ソフトバンク より)
「Pepper」には、感情認識機能が搭載されており、人間の表情や声などから感情を読み取ることができます。嬉しいときには、一緒に喜んでくれたり、悲しいときは励ましてくれるといったことができます。感情を数値化し、人工知能やクラウドAIによって学習します。また、1台1台の「Pepper」が学習していくのではなく、他の「Pepper」と感情や学んだことを共有し、集合知とすることで急速な成長をとげます。
また、一般家庭向けに開発されたので、一緒に過ごすことで日々の行動が変化したり、「Pepper」と一緒に新しいライフスタイルを送ることができます。今後は、アプリストアを展開する予定で、動きや会話などのロボアプリを購入することであなただけの「Pepper」に成長していきます。
また現在、販売されている人型ロボットをご紹介します。
二足歩行ロボット HOVIS Eco(ホビス エコ)
ヴイストン株式会社から販売されている自由度の高い、ロボットキットです。動作が滑らかで、運動性に特化しており、細かい動作もスムーズに動いています。自分で、組み立てを行い、動作などをソフトウェアでプログラミングするので、生活を共にするのでなく、趣味や遊びに近いロボットといえるでしょう。価格は、12万960円です。
(Dongbu Robot より)
ロビ
ディアゴスティーニから販売されている、週刊パーツ付き組み立てマガジンです。毎週発売される号にパーツが付いており、自ら組み立てることで完成します。テレビを付けたり、掃除のお手伝いやタイマー機能などが備わっているため、生活の一部を助けるような形でしょう。全70号で、総価格は14万8,227円です。
(Deagostini Japan より)
「Pepper」も2015年2月より、19万8,000円で一般販売されるようです。人型ロボットの価格は、およそ10万円から20万円の間が多いようですね。このように他のロボットと比較すると、感情認識機能が搭載されている「Pepper」は、人と自然な会話をすることができ、より人の生活に身近な存在になり得ると感じます。
人型ロボットに求めること
MMD研究所によると「Pepper」の発表により、51.8%の人が「Pepper」への興味関心が高まっている結果がでています。約半数が興味を示していることから、私たちは人型ロボットが生活など身近な場面で、導入されることを感じつつあるのではないでしょうか。
(MMD研究所 より)
また、人型ロボットに求めることとして上位に上がった「癒し」や「話し相手(友達)」という項目からは、私たちの普段の生活や日々の暮らしの中で、得られにくいものを求めているのではないかと感じました。
(MMD研究所 より)
ロボットという点から人間では全てをカバーすることができない「防犯・警備」が、最も求められていることがわかり、人が生活する上で手助けになる1つの部分です。しかし、2位3位に上がっている「癒し」「話し相手(友達)」から、私たちは普段の生活でこれらのものを得ることが難しいと考え、新しい可能性である人型ロボットへ求めているのではと感じます。人と共に生活する上で、「癒し」「話し相手(友達)」はとても大事な部分ですが、この項目は人型ロボットではなくても自分の生活を工夫することで、得ることができるのではないでしょうか。未来の可能性を多いに秘めている人型ロボットは、人間ではできないことや生活が少し向上するといった部分で活躍し、且つ人に寄り添うことができる存在になればと考えます。全ての「癒し」「話し相手(友達)」を求めるのではなく、人型ロボットと生活することで今よりも楽しく便利な生活が送れるようになるべきだと考えます。
最後に
現在私たちの暮らしの中では、産業用ロボットが主に利用されています。NEDOによると、今後のロボット市場は、2035年までに9.7兆円になると予測されており、生活やサービス部門でより身近にロボットが起用されるのではないでしょうか。近い未来、自分のライフスタイルに合わせたサイズの人型ロボットを選ぶことができ、1人1台、現在のスマートフォンのように所持しているのかもしれません。自宅で留守中の警備や防犯、家事などの仕事をするロボットや検索や道案内など持ち歩くことができるロボットなど、生活のパートナーとして私たちと共に過ごしているのかもしれません。
(Photo : Mr Robot has some RAM (1 of 3) by Chris Isherwood CC BY-SA)