Googleは検索者の意図に答えるため、検索結果を返すアルゴリズムに様々な要素を加えています。
例えば、Googleが最近導入したプライベート検索はGoogleにある、その人に関係したデータ(スケジュールやG+の繋がりなど)を引っ張って、検索クエリに対する回答を最適化するものです。
プライベート検索に加えて、もうひとつ個人に対する結果の最適化を図る仕組みで有名なものがあります。それが、パーソナライズド検索です。これはウェブの閲覧状況を検索結果に反映するものです。事例としては、自社のウェブサイトを管理している人が、自社に関わるキーワードで検索を行うと比較的上位に出てくるのに、Google AnalyticsやWebmaster Toolなどで見ると平均掲載順位が低く表示されていることがあげられます。これは、「この人はこのキーワードに関するページで、このサイトを最も閲覧しているから、このウェブサイトのものを提示する」というパーソナライズが行われているためです。
他にも、位置情報は大きな影響を与えます。レストランで検索したときが一番分かりやすいでしょう。中目黒にあるオフィスで調べた場合、中目黒を中心としてレストランのマップを表示します。みなさんがオフィスで調べたときには、もっと別のマップが表示されるはずです。
一切パーソナライズのされていない検索結果を知るにはSEOツールが必要ですが、出来る限り要素を省いた結果を見るなら、Chromeのシークレットモードを使ってみるのが最も楽です。
シークレットモードは過去の閲覧情報(クッキー)を使わないため、極力パーソナライズの要素が省かれています。ただし、IPを利用した位置情報についてはそのままです。
例えば「Twitter GIF」で検索して4位〜10位までを見てみると、その違いがはっきり分かります(1・2位は同じものでした)。特に通常の結果の9・10位は英語のページが出ていて、シークレットモードの場合は日本のページが出ています。これは私がブログを書くときにMashableをよく参考にしていたり、海外のGIFサイトをよく閲覧するため反映されたものと考えられます。
ただし、順位に変動があると言っても9・10位以外には大体同じページが並んでいます。なので、「検索結果ページの、あくまでページ内で変動がある」程度の認識で良いかと思います。「じゃあ本来の結果を知ることはあまり意味がないの?」というと、そうでもありません。検索結果順位によってクリック率には大きな差が生まれますので、キーワードの競合となるページが、どのような内容で、どんな順位で並んでいるのかを知るのはSEO上重要です。
最後に
自社のウェブサイトを管理をしていると、どうしても自社のサイトを多く見てしまうため、検索結果がパーソナライズド検索で歪んでしまうことが多いはずです。なので、回避する術を知っておきましょう。
ちなみにアメリカの場合だと「オバマ」「年齢」と続けて検索するとオバマ大統領の年齢が出てくるなど、さらに一歩進んだパーソナライズド検索が使えるようです。ユーザーの求める情報には必ず文脈があり、前述の場合だとオバマ大統領を知った→次は年齢を知りたいという流れが存在します。これには国の文化にあった自然言語処理が必要なため、日本での導入はまだ時間がかかると思いますが、こうした文脈を汲んだ検索が今後出てくるのは必然と言えます。
何が言いたいかというと、そのキーワードで調べたときに、ユーザーはどんな情報を求めているかを考えたコンテンツを用意するべきだということです。例えば「クラウドゲーミング」と検索した人はクラウドゲーミングについて知りたいのであって、実際のクラウドゲーミングをプレイする段階には無いのです。クラウドゲーミングを提供しているサイトが「クラウドゲーミング」というキーワードで1位を取りたいのであれば、まずはクラウドゲーミングがどういうものか説明するページを設ける必要があるでしょう。その上でユーザーを獲得したいのなら、興味を持ったユーザーとの接点を持てる仕組みを用意する必要があります。
「最後に」が本編になってしまいそうな感じですが、現在のパーソナライズド検索を深く考えるよりも、将来の文脈を汲んだ検索を考えてコンテンツを充実させていきましょう!