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人間の行動を先回りするコグニザントコンピューティングとは?

Gartnerは2013年11月に、「2017年、スマートフォンは人間よりも賢くなる」という調査結果を発表しました。

この発表の中でスマートフォンが人間よりも“賢く”なる鍵は、Cognizant Computing(コグニザントコンピューティング)にあるとGartnerは述べています。

コグニザントコンピューティングとは何なのでしょうか?

コグニザントコンピューティングとは?

Gartnerは公開したリリースの中で、スマートフォンが蓄積したデータからユーザーの次の行動を予測し動くようになるものと述べています。さらに、これはパーソナルクラウドコンピューティングの次の流れであることにも触れました。

事例として、普段使っている出勤経路の混雑状況や遅延状態を事前に調べ、幹部や上司との会議があればそれに間に合うように起床時間を早めて、同僚との会議の場合は予め遅刻する可能性があるとメールを送信するというものが示されています。これには位置情報と交通情報の収集、行動パターンの分析、スケジュール管理、ユーザーと会議相手の背景等々の要素が詰め込まれていることがわかります。

実現ができるようになった背景には、やはりスマートフォンの存在が多いと言えます。スマートフォンはハード・ソフトウェア両方を通じてユーザーの行動やデータを入手し、それらを蓄積した上で、Googleのようなプラットフォーマーがスマートフォンを通じて情報を提供するのです。

まさにGoogle NowでGoogleが実現しようとしていることですが、ユーザーのコンテキストや行動の先回りには今よりも優れた知能を搭載したスマートフォン(さらにクラウドも)が必要になります。それが“人間よりも優れた”スマートフォンを実現し、初めて人間を完全にアシスタントするコグニザントコンピューティングが可能になるのです。

ただ、ここにはデータが提供されている範囲内でという制約がつきます。データを提供されている範囲であれば契約範囲の延長、スケジュール管理、To-Doリストの編集といったものをこなしますが、自発的に情報を得られるわけではないので、範囲から外れたものはユーザーが判断しなければなりません。逆に言えば機械ができるものは機械に任せて、高度な判断が要求されるものはユーザーが時間をかけて行えることにもつながるのでリソースを集約できるようになります。

Gartnerはこうした状況を受けて、B2Cのモバイルアプリ戦略はコグニザントコンピューティングを考えて実践すべきであるというリリースを公開しました。

これにはユーザーのコンテキストを知り、そこへ適した情報を提供することで、モバイルアプリの価値が高まることがあげられています。さらに、これから普及する可能性のあるウェアラブルデバイスもコグニザントコンピューティングと非常に相性がよく、今後の発展に大きく寄与するでしょう。

パーソナルクラウドを一歩先に進めたコグニザントコンピューティングは、今後どのように社会へ影響を与えていくのでしょうか。スマートフォンが賢くなっていくところを、見届けていきます。

(Photo: LG G Flex by Kārlis Dambrāns)

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