クレジットカードは現金が不要で、手早く決済を済ませることができます。特にカード社会と言われるアメリカでは、クレジット・デビットカードの利用率は現金決済を超えており、日常的に利用されていることが分かります。
しかし、ここにはいくつも問題が浮かんできます。大きなもののひとつに、セキュリティの問題があります。アメリカでは、2013年のホリデーシーズンに7000万枚のクレジットカードがハッキングを受けて新たなセキュリティの設定が急務となっているようです。
この現状をリポートしたCOMPUTER SCIENCE DEGREE HUBのインフォグラフィックをご紹介します。
クレジットカードをより“スマート”にするために
アメリカは“スマートカード”導入が遅れている
アメリカはクレジットカードの先進国でありながら、未だにスワイプと署名を行っている唯一の国。
“新しい”技術とは?
EMV(E: Europay, M: MasterCard, V: Visa)は“スマートカード”を提供しています。これはChip and Pinと呼ばれる方法で、カードをスワイプし、予め決められたPINコードを入力するものです。日本ではコンビニでも見ることができますね。
磁気ストライプカードはスキミングされやすいという欠点がありました。しかし、Chipの場合はその上に乗っているデータを収集することが困難です。
導入したらどうなる?
- 導入した最初の年に、EMVを詐欺が50%低下した。
- 導入した最初の年に、EMVの偽造カードが78%減少した。
参考として、これが本格的に導入されていないアメリカの場合、クレジットカード利用は世界の25%ですが、クレジットカード詐欺の件数は50%を占めています。
また、既に130カ国でChip and Pinが導入されており、磁気ストライプカードを利用しているアメリカ人は、ヨーロッパやアジアでクレジットカードが使えないというデメリットもあります。
アメリカのスマートカード導入
- 2013年 : スマートカードの導入が始まり、1000〜1500万のカードが発行されたが、全体の1%にすぎない
- 2014年 : 5000〜7000万のカード発行が予想されている
- 2015年10月 : スマートカード展開のデッドライン
- 2017年10月 : ガソリンスタンドで展開する際のデッドライン(コストがかかり、導入が複雑)
なぜアメリカは導入が遅れているのか?
- 1000万のカード決済ターミナルと、12億のクレジットカードがある超巨大史上のため導入が難しい
- 小売り、メガバンク、クレジットカード協会が連携し、技術を実装しなければならない
- 切り替えのために小売企業に350億ドルの負担がかかると試算されている
- クレジットカードを盗難された市民の法的な保護
Source: ComputerScienceDegreeHub.com
最後に
クレジットカード決済の先進国と思いきや、そこには大きな問題もあったようです。来年の10月がスマートカードに移るデッドラインですが、小売り企業が切り替えに対応できるのでしょうか。Squareのようなモバイル決済の活用が進みそうなシチュエーションだと思うのは、私だけでしょうか?
(Photo: Wallet and Credit Cards by 401(K) 2012 CC BY-SA)