見込客を獲得(リードジェネレーション)する準備はできていますか?

「インバウンドマーケティング」や「コンテンツマーケティング」が注目されるに伴って、オウンドメディアでコンテンツ発信に取り組む企業も増えてきました。コンテンツを起点として検索エンジンやSNSなど介し、見つけてもらうこと(Get found)を実現し、ウェブサイトにトラフィックが集まるようになったら、次は見込み顧客を獲得の段階(リードジェネレーション)へ移っていきます。

多くのウェブサイトには「お問い合わせ」や「資料請求」などのボタンやバナーのリンクが貼ってあり、ここから見込み顧客を獲得することを考えています。

このような従来のウェブサイトとインバウンドマーケティングのメソッドにあるリードジェネレーションに違いはあるのでしょうか? 今回はこの点を整理していきたいと思います。

見込顧客(リード)とは?

そもそも、この見込み顧客とは何なのでしょうか? 一般的に言えば、「マーケティング活動によって獲得した、将来の顧客になりうる人」のことを指します。つまりリードジェネレーションを端的に言ってしまえば「将来の顧客になりうる人を獲得すること」です。

この先にある営業やリードナーチャリング(見込み顧客を育成し、顧客化すること)を考えれば、継続的にコミュニケーションを行えるようにメールアドレスなどの連絡先をいただくまでが、リードジェネレーションの一連の流れと言えるでしょう。コンバージョンと言い換えることもできますね。

アウトバウンドにおけるリードジェネレーション

アウトバウンドマーケティングは、企業側から行動を起こして消費者にアプローチを行います。このアプローチ全てがリードジェネレーションの手段と言えるでしょう。具体的には、以下のような例が挙げられます。

  • テレマーケティングでアポイントを取る
  • 展示会で名刺を交換する
  • ダイレクトメールに対する返答をもらう
  • バナー広告などから資料請求をしてもらう

インバウンドにおけるリードジェネレーション

一方でHubSpotはインバウンドマーケティングにおける見込み顧客を、以下のように定義しています。

見込み顧客: 見込み顧客はサブスクライバー(注: RSSやメルマガ等で購読する人)よりもあなたに関心を持っている人のこと。一般的に見込み顧客は、あなたのウェブサイト上にあるコンテンツをベースとしたオファーを得るために、メールアドレス等のコンタクト情報をフォームに入力しています。見込み顧客は要件に応じて、新たなステージへと移動します。

How to use lifecycle stages

HubSpotの定義を読んでみると、ウェブサイトの訪問者が自発的にフォームへ情報を入力した人だとわかります。つまり、自発的に情報を入力してくれる人を増やす施策こそインバウンドマーケティングにおけるリードジェネレーションなのです。インバウンドマーケティングのメソッドで言えば、2つ目の段階(Convert)に当たります。

リードジェネレーション施策の説明に入る前に、上図にあるメソッドについて解説します。

まず1つ目の段階(Attract)では、ウェブサイトに訪問者を集めます。しかし、闇雲に集めればよいわけではありません。顧客になって欲しい人を決めて、その人に向けたコンテンツを発信することが大切です。コンテンツは検索エンジンやSNSなどを介して、顧客になって欲しい人に届きます。

ウェブサイトの目的の多くは見込み顧客、あるいは顧客を獲得(コンバージョン)することにあるのではないでしょうか。目的を達するには訪問者がコンバージョンする何らかの施策が必要です。そこで2つ目の段階に移り、リードジェネレーションが始まります。

インバウンドなリードジェネレーション施策

前述の通り、インバウンドマーケティングにおける見込み顧客とは、自発的にコンタクト情報を提供してくれた人のことを指します。「コンタクト情報をください」と言っても、普通はなかなか提供してくれる人はいませんよね。そこで、差し出してくれるための対価が必要になります。

そのためには顧客になって欲しい人にとって、価値があり、興味深いコンテンツを用意しましょう。たとえば、既存のコンテンツを深化させたeBookや無料ウェビナーなどが挙げられます。他にもホワイトペーパーやワークシートなど様々ありますが、価値のあるものであれば形式は何でも構いません。

コンテンツを用意したら、次はリードジェネレーションの仕組みを作ります。ここでは、主に3つのものが必要です。

Call to Action(CTA)

対価となるコンテンツを用意しただけでは、見込み顧客を獲得することはできません。価値あるコンテンツを入手するための行動をしていただく必要があります。

そこで必要になるのが、訪問者の行動を喚起するボタンやリンクです。これをCall to Action(CTA)と呼びます。このCTAは、ひと目見たときに魅力を感じる作りにしましょう。

たとえば同じCPL(Cost Per Lead)を下げるeBookを提供していたとしても、単に「ダウンロードはこちら」と書かれているものと、「CPLを今の1/100にする方法――今すぐダウンロードして実践しよう!」と書かれているもの、どちらの方が魅力的でしょうか? 多くの方は後者と答えると思います。

このように文言が違うだけで、見た側の魅力の感じ方が変わります。いくつか文言を用意して、最も魅力あるものを使いましょう。また、用意したものを一定期間ずつ出して、効果を測定することも良い方法です。

ランディングページ(LP)

CTAから移動した先をランディングページと呼びます。ランディングページは主に2つの要素で成り立ちます。

  • リード文: これから提供するコンテンツの魅力を伝える文章、画像
  • フォーム: 訪問者がメールアドレスなどの連絡先情報を入れるフィールド

フォームに情報を入力し、送信してもらってようやく訪問者は見込み顧客になります。リード文で魅力を伝えても、フォームが煩雑だったり、わかりにくい場合、ページを閉じてしまう可能性が高くなります。フォームで求める情報は必要最低限に留めるなど、工夫を重ねて最適化しましょう。

サンキューページ

フォームから情報を送信した人に見せるページです。このページに辿り着いた人を見込み顧客と呼びます。

このページには提供するコンテンツのダウンロードリンクと、コンタクト情報をいただいたことに対するお礼を書くのが一般的です。また、このページへ到達した人には、「ダウンロードいただきありがとうございました」という旨のメールを送り、いつでも再ダウンロードできるようにしましょう。

まずはコンテンツ作りから

インバウンドマーケティングは、あらゆる段階でコンテンツが重要になります。ウェブサイトの訪問者を集めるにはブログコンテンツが必要で、リードジェネレーションにおいても同様に、情報をいただくのにふさわしいコンテンツを提供することが大切です。

現在のウェブマーケティングを実践する体制は、コンテンツを作成できる体制になっていますか? インバウンドマーケティングを始めるにあたって、コンテンツを作成できる体制作りをはじめてみてはいかがでしょうか?

(Photo: by RYAN MCGUIRE)

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