インバウンドマーケティング、コンテンツマーケティングという言葉が
世間を賑わせてきています。
そんな中、親は子どもの教育に対して財布が緩くなってしまう点を巧みについて、
「こんな手があったか!」と考えさせられたコンテンツマーケティングの事例をご紹介します。
ご存知「ラッスンゴレライ」が関係
一部では「お笑いブームは終った」という声も上がっていますが
いつの時代もお笑い芸人さんが広告やキャンペーンに抜擢されることがあります。
余談ですが、常々お笑い芸人さんのポテンシャルは高いと考えています。
ネタが出来て、おしゃべりが出来て、歌って、踊れて、芝居まで出来てしまう。
その割に、売れるまではギャラも高騰しないという特異な存在である彼らは
起用する側視点で考えると非常に高い費用対効果をもたらしているのではと思っています。
どちらも、学生を中心としたユーザーがネタを真似し、
その動画をYouTubeやVineに上げ、
二次的に波紋を呼ぶ現象が起こっております。
そんな人気芸人による、新たな言葉を用いたネタ動画が少し前に公開されました。
それは、「ベネパ」
若年層の間で突然流行しだした言葉、「ベネパ」。
これは上記のラッスンゴレライやバンビーノが、
持ちネタを「ベネパ」という言葉に置き換えた動画がきっかけでした。
この手の動画が19本も公開され、2月中には200万再生に迫る勢いを見せていました。
すでに削除されてしまいましたが、
公開されていた特設ウェブサイトには、
「笑撃のべネパ、2015年2月べネパ日、遂に全宇宙で公開! べネパ史上類を見ない最高傑作の誕生に、全人類・全生命体・全ベネパがベネパした!!」
という謎の煽りがありました。
この煽りを受けて、Twitterなどでもさまざまな声があったようです。
Twitter上でも「ベネパってなんなんだ ラッスンゴレライ以上に気になる」という声があがっている。「ベネパ」の意味がわかるまで、引き続き続報を待ちたい。Twitterやnaverでも色々な情報が飛び交い、間違いなく話題になっております。
「ベネパ」とは? 8.6秒バズーカーら人気芸人のネタ動画が謎(KAI-YOU.net)
非公式のベネパ動画もYoutubeに上がっていましたが、
確かにベネパの連呼のみで謎だらけです。
ベネパで検索してみると
なるほど。
段々と分かってきました。
正体はベネッセのようですね。
上記リスティングよりBenePaの公式サイトを見に行くと
ベネッセが2/7に発表したプリペイド型の学習教材のようです。
住所、氏名、メールアドレスなどが不要のようで
かつて個人情報の取り扱いで問題となったベネッセならではの新施策のようです。
「ベネッセをパッと」という意味合いなんですかね。
渋谷駅とベネパ
少し前に渋谷のスクランブル交差点にて先述のベネパ動画が流れたとのことですが
ちょうど2015年2月26日に渋谷駅でベネパのプロモーションを見つけました。
この屋外広告ではベネパのカード的な部分が剥がせるようになっていたので1枚頂くことに。
確かに「ベネッセをパッと」という意味合いに思えてきました。
これも立派なコンテンツマーケティング
一部ネットでは「ベネパ動画」や公式サイトの時点でステマと酷評されている部分もありますが
私の中では立派なコンテンツマーケティングであると思います。
ベネッセの本当のターゲット層は子供を持つ親です。
私も二児の父親なので分かるのですが、
親は総じて子供の教育に対して財布が緩みがちな生き物です。
先にも上げましたが今の子供たちは自分たちで動画を撮り、ネット上にアップして、共有しあえる世代です。
その子たちが興味あることをマーケティングに取り入れること。
これはターゲット戦略以外の何物でもありません。
ベネパが話題になっていくフローを順に追ってみると、
- 新商品を作成(ベネパという商品名が出来たのは、このタイミングかどうかは不明ですが)
- ターゲットたちが気になるものをマーケティングに取り込む
- ラッスンゴレライやダッソンたちを起用してベネパ動画というコンテンツを作成、公開
- ネット上でターゲット層を中心に「ベネパ」でザワつく
- ベネパというキーワードだけで色々な憶測が飛び交い、勝手に一人歩きし、コンテンツが拡大していく
- そこに来てベネパ商品を公開(リスティング含む)
- 謎解き合わせて話題になる
特に情報を小出しにすることにより、「謎」の部分、つまり伸びしろを残した部分が秀逸だと思いました。
今の世の中、全てを公表しがちですが、
今回の手法は人間本来の「想像力」に訴えた戦略とも思えます。
分からない部分、隠された部分に関して、人間は考え、想像します。
2011年に行われたアイスの実プロモーションでの江口愛実を彷彿とさせるものでした。
「コンテンツを作成して、キーワードを一人歩きさせ、追っかけで商品に落とし込む。」
これはコンテンツマーケティングの新たな可能性であると私は思います。