2018年7月Googleがスピードアップデートを実施し、ページの表示速度がモバイルでの検索ランキング要素として組む込まれています。現状は早いからといって、ランキング上位になるわけではなく、実際は非常に遅いページに影響が出ているようです。ただGoogleからPageSpeed Insightsが提供されているように、ユーザエクスペリエンス(UX)向上のため、サイト高速化は取り組むべきテーマではないでしょうか?
しかしわれわれのクライアント様の中にも、自社のウェブサイトをお客様と似た環境で確認せず、表示速度をほとんど気にしていないことが多いように感じます。実際Googleはモバイルページの表示速度に改善が見られたと報告しています。
· 遅い方に位置する 3 分の 1 のトラフィックの「ユーザー中心のパフォーマンス指標」が 2018年には 15 % 〜 20 % 改善した。2017 年は改善を確認できず
· 国単位で見た場合、95 % の国で表示速度の改善が見られた
· 表示が遅いと離脱が増えるが、スピード改善のおかげで、検索から始まったトラフィックの離脱率が20 % 減少した
· 2018 年は、2 億 の固有の URL が 10 億回にわたって PageSpeed Insights でパフォーマンス検証された
出典:海外SEO情報ブログ
ウェブサイトの高速化には様々な取り組みが必要ですが、今回は1つ手法である「AMP」についてとAMP化したことで変化が合ったのかをご紹介したいと思います。
※サンプル数が少ないので、あくまで参考としてご覧いただければと思います。
AMP(アンプ)とは
「AMP」とは、「Accelerated Mobile Pages」の略で、モバイルインターネットのエクスペリエンス向上を図り、GoogleとTwitterが共同開発した「サイトスピードを高速化する」ための仕様です。AMPページは通常ページで約4倍のスピードになるとも言われています。またAMPに対応したウェブページはGoogleのモバイル検索の結果画面に表示されるようになっています。
現在ではAMPページが含まれているかどうかで、検索結果ページでのランキングには一切影響しないと言われています
Googleでの検索結果にもいくつかの形式で表示されます。ランキング表示の際に、上記画像のように稲妻のようなマークが付いています。
AMPの仕組みと構成
AMP化したページはGoogleなどにキャッシュされ、ユーザが検索結果をクリックした際にキャッシュからページが返されるので、表示にかかる時間が早くなります。また使用できるHTMLタグが制限されているため、シンプルな作りになりページ容量が抑えられます。
※左:GoogleキャッシュAMPページ 右:自ドメイン内AMPページ
※通常PC画面
Googleのウェブマスター向け公式ブログにあるように、すべてのコンテンツで効果的なわけでは無いようです。
AMP は、あらゆるタイプの静的なウェブ コンテンツ(ニュース、レシピ、映画情報、製品ページ、レビュー、動画、ブログなど)で大きな効果を発揮します。一方、動的で双方向性を重視した単一ページのサービス(地図の経路案内、メール、ソーシャルネットワークなど)にはあまり効果的ではありません。
AMPのメリット・デメリット
メリット
- ページ読み込み待ちによるユーザ離脱が削減できる
モバイルサイトが読み込みに3秒以上かかると 53% の訪問者が離脱するとも言われている - 検索結果でカルーセル表示されると、目に止まりやすくアクセスUPが期待できる
- 将来的に検索ランキングの影響する可能性がある
現段階ではGoogleは検索順位に反映させることはないと発表していますが、モバイル強化の流れなので、今後は反映される可能性があります。
デメリット
- デザインの制限がある
使用できるタグに制限があるため、デザインがイメージ通りにならない可能性がある - 開発・対応に手間がかかる
サイトにより構造・仕様が違うため、どのように対応したらいいのか、設定はどうしたらいいのかなど調査・開発にある程度の時間がかかってきます
作成後、AMPのチェックついては、Google SearchConsoleでできます。
AMPのパフォーマンス
AMPページのパフォーマンス計測のためには、ちょっとした設定が必要です。
Cookieを引き継げないため、当初AMPページに訪問したユーザと非AMPページに訪問したユーザを同一と認識できない問題がありました。(2017年5月改善)
参考:AMPページをGoogleアナリティクスで計測するベストプラクティス( 2017.11更新版 )
ハイベロシティでは、実際いくつかのサイトでAMPを導入してみましたが、Analyticsの設定が適切にされていなかったため正確に判断はできませんが、現状ではトラフィック増加にあまり影響はないようです。
- 自然検索での流入はそれほど増加していない
- AMPページと通常ページを比較すると、AMPページでは直帰率は低く、ページ/セッションは若干高いサイトもある
サイト全体のPVに対して、40%近くがAMPページになっているサイトも存在しています。
※解析設定についてはこちらを参考に
まとめ
現段階ではSEOに効果的ではないから、対応しなくてもいいと考えられるかもしれませんが、「ユーザエクスペリエンス」「エンゲージメント」「ファン化」などのワードが叫ばれる現代においては、ユーザの利便性向上ために検討したほうがいいと考えます。また今後、SEOに関連してくる可能性も考慮すると早めに取り組むべきではないでしょうか?
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