「LTEってなに?」
こう聞かれたとき、みなさんは答えることができますか? 最近、携帯電話キャリア各社がこぞってLTEを推進しているということはご存知だと思います。でも、LTEについて聞かれて答えられる就活生の方は少ないのではないでしょうか。
この連載では、就活する上で知っておきたいICTの基礎知識について解説いたします。就活生の方だけでなく、「知りたいけどいまさら人には聞けない…」という方にもオススメします!
LTE
みなさんがLTEという言葉を想像するとき、一番最初に出てくるのは“速い”ということだと思います。通信キャリア各社が、それを全面に出して宣伝しているので、当然の印象でしょう。
では、なぜ“速い”のでしょうか? それを知るために、少し電波の歴史について学んでみましょう。
現在主流となっている通信方法は“3G”と呼ばれています。この3Gとは、3rd Generation(第3世代)のことで、日本では2001年から使われていました。この3Gの通信速度は高速移動時(電車や自動車など)144kbps、歩行時384kbps、静止時2Mbpsとされています。ただし、これは理論値なので、実測値はもっと低い数字が出るでしょう。
インターネット上のトレンドが文字であるうちは、これでよかったのです。文字であれば、それほど速い回線でなくても十分に閲覧することができます。しかし、インターネット上のトレンドが画像へ移行すると、この回線速度では間に合わなくなってきました。画像の読み込みに時間がかかってイライラするというアレです。
それを解消するのが、HSPAという通信規格です。こちらは3Gよりも速く、理論上の通信速度は下り14Mbpsに達します。実測値は都市部で1Mbpsか、もう少し速いくらいでしょうか。ちなみにHSPAは3Gよりも速いため3.5Gと呼ばれています。
そして、現在はトレンドが画像から動画へ移行しました。そうすると、やはりHSPAの回線速度では間に合わなくなります。また、スマートフォンの普及によって今までより通信が活発になり、回線がパンクするという自体も起きています。
携帯電話各社がスマートフォン(高機能携帯電話)の普及に伴うデータ通信量の爆発に直面している。2015年に10年比26倍と急増するとの試算もあり、現状のインフラだけでは支えきれないのは確実。
このパンクを避けるために通信キャリアはWi-Fiの設置を急いでいます。一時期、KDDIはWiMAXをスマートフォンに通常搭載して回線パンクを避けようとしていましたね。
+WiMAX:http://www.au.kddi.com/plus_wimax/
ただ、Wi-FiやWiMAXでは間に合わないため、通信効率が良いLTEを普及させようとしているのです。
LTEとはLong Term Evolutionの略称で、3.9G(3.9世代)になります。通信速度は理論上で下り100Mbps、上り50Mbpsと、3Gと比べて50倍の速さです。iPhone5がリリースされた時に計測されたものによれば、下り10Mbps前後が実測値のようです。理論値の1/10程度とはいえ、実はまだKDDIとソフトバンクの下り最大速度は75Mbpsなので、まだまだ発展途上にあります(それでも、私の家のADSLより速い…)。
LTEに繋がった際の通信速度は、概ね下り10Mbps前後。
このLTEは3.9Gということで、限りなく4G(第4世代)の通信規格に近いものです。実際、Long Term Evlotionという通り、3Gを長期的に発展させていき、スムーズに4Gへ移行できるようにする役割も担っています。日本でLTEの次(4G)として有力視されている規格はLTE-Advancedです。これは名前の通りLTEの発展系で、通信速度はLTEの10倍以上(1Gbps!)にもなるそうです。ドコモでは2016年以降にサービス開始を見込んでいます。