みなさんはSMSという言葉に聞き覚えがありますか?
日本では使われることが少ないですが、世界に目を向けると重要なコミュニケーション手段のひとつだったりします。
また、去年、日本でキャリア間SMSができるようになったとちょっとした話題にもなりました。なぜ、これが話題になったのでしょうか?
今回はSMSについて解説していきます。
SMSって?
SMSとはショートメッセージサービス(Short Message Service)の略称です。その名の通り、短い文章を送受信するサービスのことを言います。
iPhoneで言うとメッセージが、SMSにあたります。参考までに、こちらがSMSの画面になります。私が友人とKindle Fire HDについて話いるところです。
でも、日本で携帯電話を使っているとこのサービスは馴染みが薄いのではないでしょうか? その理由は、2つほど考えられます。
1つは、日本では元々キャリアメールが発達していたことです。キャリアメールとは、携帯電話キャリアが発行するメールアドレスを使ったメールサービスです。たとえば、『〜〜@docomo.ne.jp』『〜〜@ezweb.ne.jp』のようなアドレスを使ってメールすることがキャリアメールと呼ばれます。みなさんも、メールするときは、キャリアメールをしていたのではないでしょうか?
もう1つは、キャリア間SMSが使えなかったことです。なので、キャリアメールを使うか、LINEのような無料通話サービスを使うしかなかったのです。2011年7月からキャリア間SMSが可能になりましたが、それまでは異なるキャリアではSMSが使えませんでした。可能となった後も、キャリア間SMSは利用料金がキャリアメールより高いのです。これではキャリア間SMSのユーザーは増えませんよね。
以上のような理由で、日本ではSMSが根付く文化が無かったと考えられます。
世界のSMS利用
日本ではSMSがあまり使われなかったのですが、世界に目を向けるとSMSによるコミュニケーションは特に東南アジアを中心に重要な手段となっています。
日本ではキャリアメールが早くから発達していたため、eメールを携帯電話から送受信することができました。しかし、世界ではeメールを携帯電話で受信できるだけに留まっていました。また、日本では去年実現したキャリア間SMSも世界では標準だったのです。しかも、Windows MessangerやSkypeなどともSMSをすることができます。
携帯電話の処理速度や通信速度の進歩によって、SMSに画像や音声を差し込んだりできるEMS(Enhanced Messaging Service)というサービスや、動画などを差し込めるMMS(Multimedia Messaging Service)というサービスもリリースされたことで、SMSはコミュニケーションの幅を広めました。ちなみに日本ではあまりMMSを重要視していませんでした。なぜなら、キャリアメールで全て出来ることですし、なによりフィーチャーフォン(ガラケー)は世界でもトップクラスの性能を持っていたからです。
このように、キャリアメールを使うよりも、むしろSMSを使った方が便利な状況だったため、世界ではSMSでのコミュニケーションが重要とされました(日本がガラパゴスと呼ばれる所以のひとつでもあります)。
ちなみにLINEが中東で流行したというのも、このSMS事情が理由のひとつと考えられます。
ネイバージャパン事業戦略室 室長 舛田淳によるコメント:
「一般に、海外圏ではキャリアメールが存在せず、SMSがコミュニケーションツールとして利用されている一方、送信料が発生したり、グループ間で利用できなかったりといった問題があります。また、LINEのようなメッセージアプリも存在しますが有料アプリであることから、無料で簡単にグループコミュニケーションを行うことができるLINEが評価されているのではないかと考えております。」
SMSによる個人認証
さて、日本ではあまり重要視されていなかったSMSですが、スマートフォンが流行してきたことで、脚光を浴びるようになりました。理由は個人認証です。
フィーチャーフォンでは個体認識番号というものを使って個人認証をしていましたが、スマートフォンでは個体認識番号による個人認証は難しいとされています(技術的にではなく、プライバシー的に)。
ではどうやって個人認証をするとよいでしょうか? みなさんも、あまり電話番号を変えないと思います。しかも、電話番号なら乗っ取りもされにくいものです。であるならば、電話番号による認証が一番安全だということに行き着きました。
認証したい電話番号宛に暗証番号が書いてあるSMSを送り、それを入力することで安全な個人認証ができるというわけです。