Facebookを使ってマーケティング活動を実践していきたい方へ、Facebookがマーケティングに関する資料を発表していることはご存じだろうか。
Facebookマーケティングを真剣に考えている方であれば、この資料を読まないわけにはいかない。現在は「Facebookマーケティング」もしくは「FacebookStudio」にて情報公開がなされているが、発表される資料は結構バラバラになってしまっている。後ほどURLを記載しておくが、本当に情報公開が多岐にわたっている。ここで一度で整理していこう。
私が認識している限り、現状のFacebookに近しい形で発表された正式なマーケティングガイドラインは”Best Practice Guide Marketing on Facebook”ではないだろうか。
ここに書かれている内容は現在もFacebookマーケティングを実践していく上で、有効なメソッドが記載されている。まずはこの内容からレビューしていきたい。
Best Practice Guide for Marketing on Facebook(PDF:3.4MB)
要約すると以下の通りだ。
1.Facebookは独自のエコシステムを持っている。
まずは「つくる」(Build)、そして「ふれあう」(Engage)、さらに「拡げる」(Amplify)の3つをことを理解し、実践していく。もちろんこのサイクルを実現するためにFacebookはきちんと設計されている。
2.Facebookマーケティングを実践する上で、5つの基本方針が存在する。
実践するときは下記の手順をきちんと理解する。
(1)計画的にソーシャル戦略を構築
(2)真のブランドボイスを作る
(3)対話する
(4)関係を育む
(5)学び続ける
3.目的別の7つの事例に対する5つのステップ。
(1)製品開発とイノベーションを促進する
(2)注目を集める
(3)気に入ってもらう、差別化をはかる
(4)集客と売上を増やす
(5)お得意様をつくり、関係を深める
(6)おすすめとクチコミの効果を増やす
(7)顧客のことを知る
こののドキュメントが公開された当時はFacebookページタイムライン導入のリニューアル前(2012年3月1日前)のため、今ほどタイムラインを意識しているものではなく、「ストーリー」という概念で整理されてはいなかったが、すでにFacebookが企業のFacebook利用はこうあるべきと考えていることが伺える。重要なのは、「つくる」(Build)、「ふれあう」(Engage)、「拡げる」(Amplify)を実現するための機能を用意していることにある。機能がある以上、それを活かすためのメソッドも存在する。
私たちがFacebookマーケティングを実現するために、このルールに従うことは非常に重要なことなのだ。このことをいち早く理解し、実践しているFacebookページにおいては「いいね!」数の獲得およびエンゲージメント率等の指標が良い傾向にあると言えるだろう。
ちなみにこのドキュメントは過去に株式会社TAMさんのhttp://socialmedia360.jpにて「Facebookによるフェイスブックマーケティング最強実践ガイド」として詳しく説明されている。今回もこの説明をする上で非常に参考にさせて頂いている。
http://socialmedia360.jp/overseas/best-practice-guide-marketing-on-facebook.html
それでは早速ガイドを詳しく見ていこう。
Best Practice Guide Marketing on Facebook
Introduction
The Facebook ecosystem
Five guiding principles
· Build a strategy that is social by design
· Create an authentic brand voice
· Make it interactive
· Nurture your relationships
· Keep learning
Facebook by objective
· Foster product development and innovation
· Generate awareness
· Drive preference and differentiation
· Increase traffic and sales
· Build loyalty and deepen relationships
· Amplify recommendation and word of mouth
· Gain insights
Helpful Resources
Introduction
At Facebook, everything we do is about making the world more open and connected. This has a profound impact on the way people communicate and interact. We are continually developing authentic ways for people to connect with one another as well as with the businesses, brands and institutions they care about, both on Facebook and across the web.Facebook allows marketers to stay connected with people throughout their day whether they are on their computers or mobile devices, at home or at work, watching TV or shopping with friends. This allows businesses to create rich social experiences, build lasting relationships and amplify the most powerful type of marketing – word of mouth.Connecting with people is just the beginning. In the pages that follow, you will find best practices for reaching your businesses objectives on Facebook.
はじめに
Facebookは、世界をより開かれた場所にし、より多くのつながりをつくるという目標に向けられている。その結果、人々のコミュニケーションやインタラクションは大きく変化していくだろう。FacebookはFacebookまたWeb全体を通じて、人と人がつながり、また人々とその人々が関心を向けるビジネス、ブランドがつながるための、あるべき姿を開発し続けてる。
Facebookにより、企業、ブランドのマーケティング担当者は人々と一日中つながることができる。
そのため、企業は豊かなソーシャルの体験を創出し持続的な関係を構築し、最も強力なタイプのマーケティング―口コミ―をさらに強化することができる。
人々とつながること…それは始まりにすぎない。
以下では、Facebook上であなたのビジネス目標を達成するためのベスト・プラクティスを紹介していく。
The Facebook ecosystem
(1)Build
The first step is building your presence with a Facebook Page. Pages allow you to create an identity for your business in the social graph – the map of the connections among people and the things they care about. If you have physical store locations, link your Page with a Place.
You can use Social Plugins, the Graph API and Apps on Facebook to create social experiences involving your products and online properties that are engaging and personalized.
(2)Engage
Creating these Facebook touch points allows you to start building your fan base and engaging with your customers. Facebook Like Ads are the quickest way to acquire fans. Publishing and engaging in conversations with your fans will allow you to deepen relationships and gain valuable insights.
(3)Amplify
Every time someone interacts with your business, that action gets published into the News Feed, creating word of mouth.These organic stories are extremely effective at getting others to engage and take action, and can be shared with a much larger number of potential and current customers by using Facebook Ads and Sponsored Stories. Facebook Ads include the names of friends who have already connected to your business. Sponsored Stories enable you to increase the distribution of News Feed stories about your business.
Together, these tools give you the effectiveness of earned media, at the scale and predictability of paid media. Every campaign you run has a lasting impact via the relationships you build along the way. This is the new word of mouth and research has shown it’s twice as effective at driving results.
Facebookのエコシステム
つくる (Build)
まずは、Facebookページを開設して、あなたのプレゼンスを構築する。ページを開設することにより、ソーシャルグラフ―人々の間のつながりや、人々が関心を向けている物事の間のつながりを示したマップ―の中にビジネス用のアイデンティティをつくりあげることができる。物理的に店舗を持っている場合は、自分のページからプレイスにリンクを貼ることができる。
Facebook上では、ソーシャルプラグインや、グラフAPI、各種のアプリを利用することで、あなたの会社の製品について、魅力的で独自性の強いソーシャル体験を生み出すことができるように設計されている。
ふれあう (Engage)
Facebook上のタッチポイントをつくることで、あなたのファンベースが構築され、顧客とのふれあいが可能になる。
FacebookのLike(いいね!)広告は、ファンを獲得するための最も簡単な方法だ。広告を出し、会話を通じてファンとふれあうことで、関係が深まり、また価値のある情報が得られる。
拡げる (Amplify)
だれかがあなたの企業に関心を持つ毎に、そのことがニュースフィードで告知され、口コミが拡がる。このような記事は、他の人たちを巻き込んでいくのに非常に効果的であり、Facebook広告やスポンサー記事を利用すれば、膨大な数の現在、将来の顧客とその内容を共有することができる。Facebook広告には、あなたの企業とすでにつながりのある友人の名前が含まれる。スポンサー記事を使えば、あなたの企業についてのニュースフィード記事の配信先を増やすことができる。
これらのツールを組み合わせて使うことで、無料メディアの有効性を、有料メディアと同等の規模と予測可能性を伴って得ることができる。キャンペーンを打つごとに、あなたがそれまでに構築してきた関係を通じて、つねに持続的なインパクトが見込める。
これこそは、新しい口コミの形であり、従来よりも2倍の効果があるという調査結果が出している。
Five guiding principles
(1)Build a strategy that is social by design
• Social should be baked into everything you do,not added at the end of a campaign or done on the side
• Facebook should be integrated with your broader marketing efforts and part of how you reach your business objectives
(2)Create an authentic brand voice
• People on Facebook are clear and open about who they are – be the same by providing straightforward information about your business
• Facebook is an ideal place to bring your brand personality to life through an authentic and consistent voice
(3)Make it interactive
• People spend time on Facebook communicating and sharing with others, so always engage in two-way conversations
• Think about the aspects of your brand that are inherently social and create content that people will be excited to pass along
(4)Nurture your relationships
• Just like in the real world, building relationships with people on Facebook takes time and requires a long-term investment
• Keep content fresh and easy to consume, use ads to stay in touch, and reward people for their loyalty through Deals and promotions
(5)Keep learning
• Facebook allows you to get feedback from people in real time, giving you the ability to iterate on the fly
• Use reporting tools to learn about your fans and the content and products they find most interesting
5つの基本指針
1.計画的にソーシャル戦略を構築 (Build a strategy that is social by design)
・あらゆるWebマーケティング活動において、あらかじめソーシャルを組み込んでおく。キャンペーンの最後に追加したり、別立てでやろうととするのは意味がない。
・Facebookを、マーケティング活動全体の中に組み込み、企業目標を達成するための手段の一部にする必要がある。
2.真のブランドボイスをつくる (Create an authentic brand voice)
・Facebookでは、自分が何者であるのかを明確に公開している。
・Facebookは、信頼性と一貫性のある発言を通して、あなたのブランドパーソナリティに生命を吹き込むための理想的な場だ。
3.対話する (Make it interactive)
・人々はFacebook上で、他の人とのコミュニケーションや情報共有に時間を使っている。よって、常に双方向の対話に努めるべきだ。
・あなたのブランドで、ソーシャルな性格をもった面を見つけ出し、人々が興奮して他の人に伝えたくなるようなコンテンツをつくるべきだ。
4.関係を育む (Nurture your relationships)
・Facebook上でも、現実世界とまったく同様に、人々と関係を構築するのには時間がかかるし、長期的な投資が必要だ。
・コンテンツをつねに新鮮で利用しやすくしておくべきだ。広告を使って人々との接触を絶やさないようにすべきだ。そして、お得意様には割引や販促商品でお礼すべきだ。
5.学び続ける (Keep learning)
・Facebookでは、人々からのフィードバックをリアルタイムで得ることができるため、実地での反復練習が可能である。
・報告ツールを使って、自分のファンや、彼らが最も関心を向けているコンテンツや製品について学ぶべきだ。
Facebook by Objective
1.Foster product development and innovation(製品の開発と革新を進める)
2.Generate awareness(注目を集める)
3.Drive preference and differentiation(気に入ってもらう、差別化をはかる)
4.Increase traffic and sales(サイト訪問数と売上を増やす)
5.Build loyalty and deepen relationships(お得意様をつくり、関係を深める)
6.Amplify recommendation and word of mouth(おすすめや口コミを増やす)
7.Gain insights(情報を得る)
製品開発とイノベーションを促進する
Facebookを使えば、あなたのターゲットオーディエンスについて、彼らがどんなことに関心をもっているのか、どんな友人をもっているのかなどの情報を得ることができる。そのため、Facebookは新しい製品のアイデアやイノベーションを生み出すのに役立つ。Facebookのプラットフォームツールを使うことで、自分の友人のお気に入りの製品だけを表示するオンラインストアや、運転中に自分のニュースフィードにアクセスすることのできる自動車など、まったく新しいソーシャルな製品体験を構築することができる。また、自分が参加するFacebookコミュニティを利用して、新しい製品アイデアのクラウドソーシングをすることも可能だ。
製品開発とイノベーションのための5つのステップ
1.クリエイティブなキャンペーンを実施、新製品のためのインプットを仕入れる
a. 提案を収集するアプリケーションを構築し、Facebook上でインプットを集めるためのコンテストやイベントを開催
b. コミュニティに投票権を与え、また参加へのインセンティブを提供
2.自分のマーケティングチャンネルを駆使してキャンペーンの開催情報を宣伝し、注目を集め、参加を募る
a. 友人のアプリ使用を伝えることができるスポンサー記事を含むFacebook広告のキャンペーンを実施
b. テレビ、電子メール、印刷媒体、ウェブサイトなど、他に使えるマーケティングチャンネルで、キャンペーンを宣伝
3.広告キャンペーンレポートとFacebookページ インサイトを使って、自分のターゲットオーディエンスを正確に把握
a. どのようなオーディエンスがどのようなコンテンツに反応するのかを検証し、Facebookキャンペーンを最適化
b. その情報を、今後のマーケティング活動に活用
4.グラフAPIとソーシャルプラグインを使って、ソーシャルな製品体験を構築
a. グラフAPIを使って、ウェブ上にある個別の製品やコンテンツが人々に気に入られるようにする
b. Activity Feed、Recommendations、Comments、Live Streamなどのソーシャルプラグインを使用し、Facebookのソーシャルグラフから、さまざまな体験を創りだす
5.製品開発サイクルの全期間を通じて、Facebookページを活用
a. 記事投稿やFacebookクエスチョンを使用し、フィードバックを得たり、反復したり、将来の製品やマーケティングのアイデアを生み出す
事例1)ゼネラル・モーターズ
General Motors社は2010年の年末に、OnStar社のバーチャルアドバイザー車載テレマティクスサービスとFacebookのグラフAPIを組み合わせることで、自動車メーカーとしては初めて、乗車中のドライバーがボタンをワンプッシュするだけで、オーディオステータス情報をポストしたり、聴いたりすることができるようにしました。Chevroletはこの革新的なサービスを、2011 Super BowlのテレビCM、「ベストファーストデート」で宣伝しました。OnStar社は、顧客をFacebookページでのこのサービスの公開ベータ版テストへの登録に招待して、製品の本格展開をしています。
事例2)RBS Insurance社
RBS Insurance社は、自社の保険商品Direct Line用の新しいiPhoneアプリに入れてほしい機能を、自社のFacebookコミュニティで募集しました。これにより、同社のFacebookページ上のカスタムアプリケーションに人々が集まり、同社はそこで、新旧の顧客に対して新しいコンセプトを呈示することができました。その結果、アプリへの搭載希望機能や、製品名に関して、600を超えるユニークコメントが寄せられました。
注目を集める
Facebookページをつくり、自社のブランドの魅力をアピールできる場ができたら、次に大切なのは、そのFacebookページ、最新の製品、現在行っているマーケティング活動に注目を集めることだ。そのために、Facebook広告とスポンサー記事がもつ非常に広い射程とターゲティング能力を活用する。この2つのサービスは、無料メディアの規模の大きさと、有料メディアの予測可能性というそれぞれの利点を提供している。これらのサービスでは、あなたが運営するFacebook上のビジネスに参加経験のある友人たちについての記事が表示されるからだ。これは新しい形のクチコミであり、その集客効果は従来の2倍。
注目を集めるための5つのステップ
1.人々に、それぞれの友人の目に入るアクションをしてもらえるようなFacebook広告キャンペーンを実施
a. Facebook上での広告の宛先を一定に保つ
b. コネクションを構築し、次回以降のキャンペーンをより効果的なものにするために、「いいね!」を押してもらう
c. テキストはシンプルにし、特別提供は強調し、ユーザーが得る利得を明示し、アクションをしてもらえるように強く訴える
2.自分のウェブサイトやモバイルのサイトに、ソーシャルプラグインや、いいね!ボタンをはじめとするグラフAPIを組み込む
a. 人々がFacebook上で行うアクションがニュースフィードに表示され、スポンサー記事を通じて増幅される
3.人々がインタラクションや情報共有をしたくなるような、アクションへの明確な訴えをもった魅力的なコンテンツをポストする
a. Facebook上のアプリケーションを用いて、バイラルな集客キャンペーンを実施
b. Facebookのクーポンやイベントを使って、新製品やプロモーションを宣伝
4.スポンサー記事で、人々に、友人画面の右カラムのニュースフィードからアクションを促す
a. 友人のアプリ使用を伝えるのスポンサー記事により、誰かがあなたのアプリに関心を持つと、そのつどその情報が多くの人々に通知される
b. Facebookページの近況を伝えるスポンサー記事を使えば、あなたのポストをあなたのファンに確実に見てもらうことができる
5.Facebookならではの射程とターゲティング能力を使って、あなたのキャンペーンを最適化し、反復する
a. Facebook広告は「好きなものと趣味・関心」「つながりになっている人の友達」や標準の顧客情報など、さまざまなターゲティング技術が用意されている
b. メッセージ・リコールを最大化するために、各ターゲットグループごとにさまざまな企画を試してみる
事例1)Clorox社
Clorox社は、比較的新しい洗剤製品ラインであるGree Worksのブランド知名度を上げるために、Facebook広告キャンペーンを張り、ファン層を拡張し、またウェブサイトへの訪問者数を増やしました。そのキャンペーンでは、クーポンを提供し、またコミュニティのなかで「Green Heroes」にふさわしい人を投票で選ぶことができるようにしました。このキャンペーンの結果、Green WorksのPageには3万人のファンがつき、ニールセン調査によるとGreen Worksのブランドの知名度は12%向上したそうです。
事例2)米マーズ・チョコレート社
2010年の春、Mars Chocolate North America社はM&M’s のプレッツェルを発売しました。Mars社はこの新製品の知名度と需要を上げるために、「M&M’sプレッツェル自動販売機」という名前のFacebookアプリケーションをカスタムで開発しました。このアプリケーションによって、4万人のM&M’sブランドのファンが無料サンプルを配送してもらい、また1人につき友人を2人まで招待して、この友人たちにも無料サンプルを配送してもらうことができました。その結果、Mars社はその顧客に対し、48時間のあいだに12万個のサンプルを配送することになりました。
気に入ってもらう、差別化をはかる
Facebookを使えば、あなたのブランドを気に入ってもらったり差別化したりといった点で、競合ブランドに対して優位に構築することができる。Facebookでは、人々は各自の友人という信頼できる情報源から紹介されて、あなたのブランドに出会う。そこで、ファンに関心を持ってもらい、またファンを喜ばせることによって、あなたのブランドを気に入ってもらえるようにすべきである。Facebookページを重要なタッチポイント(接点)と考え、それを使って、顧客があなたのブランドとリアルタイムで関心を持ってもらえるようにする。
気に入ってもらう、差別化をはかるための5つのステップ
1.人々があなたのビジネスを現在どう考えているか、その独自性や自分にとっての有意性をどこに見ているかを理解する
a. 人々があなたのFacebookページでのビジネスについてどんなことを言っているか、その声に耳を傾け、またFacebookクエスチョンを使って、人々の声を集める
b. Facebookページインサイトを使って、人々がどんなことに関心をもっているかを理解する
2.あなたのブランドが現在どのように見られているかと、本来どのように見られたいか、その差異を確認し、またその差異が何から生じているかを確認する
3.気に入ってもらったり差別化を図るために、組込型のブランド構築キャンペーンを実施する
a. あなたがもつ通常のチャンネル(テレビ、印刷媒体、ラジオ、Facebook等)を通じて、本来見られたいブランドの姿を実現するためのキャンペーンを実施
b. Facebook広告と、「つながりになっている人の友達」を用いたスポンサー記事をつくり、人々に、友人たちがあなたのブランドについてすでにどのような関心があるか確認する
4.あなたの製品、ウェブサイト、モバイルアプリをもっとパーソナルで独特なものにするために、Facebookをどう組み込んだらいいかを考える
a. グラフAPIを使って、友人の関心に基づいて買い物できるように
b. ソーシャルプラグインを使って、あなたのブランドに対して関心を持っている人にソーシャルな体験を提供
c. Facebookアプリを使って、あなたのFacebookページ上でブランドを活性化
5.顧客から、何が人々の心に響くのか、自分のビジネスは成功しているのかについて情報を得る
a. あなたのウォールをモニターしたり、Facebookページインサイトを使って、何が有効に働いているかを確認
b. (利用可能なら)ニールセン・ブランド効果調査を実施して質問をしたり、キャンペーンの前後でブランドの見られ方がどう変わったかを理解するために投票を実施
c. 自前のブランド追跡測定ツールを使用
事例1)Shane Company社
Shane Company社は、18-34歳のオーディエンスのあいだでのブランド価値を再活性化する活動の一環として、この層との関係を再構築し、この層にとっての有意性を増すために、Facebookキャンペーンを実施しました。同社は、Facebookプレミアム投票広告を使って、人々に自分の好きなダイヤモンドの形状について推薦してもらい、また理想のプロポーズのシナリオについて投票してもらいました。Shane社はさらに、同社のFacebookページで、ファンの人々自身も投稿できるようにしました。その結果、オーディエンスとブランドのあいだの議論とインタラクションが楽しい形で白熱することになり、これによって「ダイヤモンド業界におけるあなたの友達」としての同社ブランドの位置づけが強化されることになりました。2万人を超える人々が同社の投票広告にレスポンスを返し、ブランドの再活性化は成功しました。
事例2)アディダス社
アディダス社は、2010年前半に、グローバルなクロスメディアキャンペーンを実施しました。アパレル・フットウェア業界におけるこのリーディングブランドも、同社のFacebookページをそのキャンペーンの本拠とすることにしたのです。そのPageでは、同社のエキサイティングなオーディオビジュアルコンテンツや製品情報のすべてが表示・配信されました。同社は、製品内容と非常に合致したコンテンツをつくりだすことで、ブランドを支持する人々のコミュニティを構築し、アディダス オリジナルスの店舗訪問者数を着実に増やしていったのです。
集客と売上を増やす
Facebookは購買活動をソーシャルな意思決定へと変化させる。ならならばFacebookによって、人々は自分がどんなものが好きで、オンラインと物理的世界とを問わず、これまでどんなものを買ってきたのかを他人に見せることができるからだ。Facebookでは、バイラルな宣伝イベントを開催したり、割引情報を投稿したり、Facebookクーポンを実施することができる。誰かが招待に返事をしたり、クリックしたり、チェックインしたりすると、その都度そのアクションをしたという情報がその人の友人の間で共有される。このように、(ウェブサイトか実店舗かを問わず)購買時点で、顧客との関係性を深める能力とクチコミを組み合わせることで、集客と売上が飛躍的に向上する。
集客と売上を増やすための5つのステップ
1.売上目標を設定し、それを達成するための宣伝活動を定める
2.その宣伝活動を、Facebook広告やFacebookページを通じて共有するための独創的なキャンペーンを実施
a. 人々があなたのFacebookページを気に入り、そのコンテンツを共有したいと思えるような宣伝活動を行うために、アプリケーションやFacebookページの専用タブの使用
b. スポンサー記事を使って、誰かがあなたのキャンペーンに関心を持つとき、そのアクションがその人の友人の目に入るようにする
3.購買時点において、ソーシャルな体験を提供
a. グラフAPIを使って、人々が特定の製品を「いいね!」できるようにする
b. 購買情報共有機能(post-purchase sharing)を組み込むことで、ユーザーが支払いを終えたあとで、そのことを自分のウォールに投稿するかしないかを選べるようにする
c. Facebookクーポンを実施して、人々を集客し、チェックインしてもらって、そのアクションが友人たちに通知されるようにする
4.オンラインでの購買を促す
a. Facebook広告を使って、割引を行い、人々に購買を促す。ただし、広告をクリックするとFacebookとは別のページに移行することについては明記しておくべきだ。
b. あなたのウェブサイトで誰かがある製品を気に入った場合、ドメイン用のスポンサー記事で、そのことを宣伝
5.オフラインでの購買を促す
a. あなたのFacebookページが、地理上のFacebookプレイスにつながっていることを確認
b. Facebookクーポンとプレミアムイベント広告を使って、実店舗に集客
c. 友人のチェックインを伝えるのスポンサー記事を実施して、クチコミ効果を増幅
事例1)米リーバイ・ストラウス社
米リーバイ・ストラウス社は、2010年の夏に、2010年秋の作業服コレクションのクロスメディアキャンペーンを始めました。そのキャンペーンの一環として、同社はFacebook上で作業服一着につき40%オフの割引を提供しました。その結果、Facebookページにポストしてから15分間で、levi’s.comへの訪問者数が倍増したのです。店頭割引を提供するために、Levi’sはイベント広告を使って約400回のインタラクションを行いましたが、その結果、1600人が招待に対する返事をもって来店しました。このブランドの広告効果には、4倍のバイラル乗数効果があることが証明されたことになります。
事例2)Alamo Drafthouse Cinema
Alamo Drafthouse Cinemaは、顧客が来館時にモバイル機器上でチェックインすれば、無料ドリンク一杯がもらえ、さらに映画を無料で鑑賞できるチャンスを獲得できるようなFacebookクーポンを実施しました。誰かがチェックインするたびに、そのことがその人の全友人に通知されるため、強力なクチコミ効果が得られました。この企画によって、来館者数は増大しました。実に5100人がチェックインしたのです。このFacebookクーポンを通じて、同社は約1万杯のドリンクを配り、他方で同社のFacebookページではそれよりもはるかに高いレベルのインタラクションが実現することになりました。
お得意様をつくり、関係を深める
Facebookの基本は、その関係性にある。あなたのFacebookページを「いいね!」する人々は、それによって、あなたとの関係性をつくりたいと言っている。このつながりによって、あなたは、最もロイヤルティの高い顧客とのあいだに関係性を構築し、さらに深めることができる。また顧客は、あなたのブランドについての情報を、友人たちのあいだにクチコミで広めるくれる。人々はFacebook上で、自分自身についての情報を友人たちと共有する。そのため、この情報共有を利用して、あなたは、長期的なロイヤルティを顧客に促すような、高度にカスタマイズ、パーソナライズされた体験を提供することができる。
お得意様をつくり、関係を深めるための5つのステップ
1.Facebook上にあなたが存在していること、そこでのコミュニケーションが可能であることを、人々に知ってもらう
a. あなたがつくっているFacebookページを、オフラインのマーケティング媒体で宣伝
b. グラフAPIを使ってあなたのウェブサイトにFacebookを組み込み、顧客をあなたのFacebookコミュニティの一部にする
c. Facebook広告とスポンサー記事を使って、つねにあなたのブランドが一番に顧客の頭に思い浮かぶようにする
2.信頼されるパーソナリティ、発言者になりましょう
a. 記事投稿スケジュールを書き込んだカレンダーをつくる
b. 人々が関心を寄せるような記事をポストし、また人々に質問を投げかけ、参加を促す
c. 記事の投稿は、早朝か深夜に行う
3.質問を投げかけ、人々の意見を聞き、それにまた返事をする―そうやって双方向の対話に参加する
a. Facebookクエスチョンを使って、人々に参加を促し、またあなたのブランドについてもっと知ってもらう
b. あなたのチームの中で、Facebookページを毎日モニターして、人々と信頼されるような仕方で関心をもってもらう係を決める
4.グラフAPIとソーシャルプラグインを使って、よりパーソナライズされ、顧客の関心に合致したオンライン体験をつくりだし、それによってロイヤルティを構築する
5.ファンの人たちに、自分は特別なんだと思ってもらい、またファンになってよかったと思えるようなお礼をする
a. 参加してくれたことに感謝する
b. あなたのFacebookコミュニティに対してFacebookクーポンと特別なプロモーションを実施
c. ファン限定の情報、新着、イベントを提供
事例1)Sephora社
Sephora社は、Facebookページ上での記事投稿機能を全面的に活用して、クライアントとさかんに対話をしています。同社は、FacebookページにOffersタブをつくって、ファンがそこから特別割引などの情報を得ることができるようにしました。自前のウェブサイト上ではグラフAPIを使って、顧客が個々の製品を「いいね!」したり、友人に勧めたりできるようにしています。Sephoraはこうして、顧客参加度の高いコミュニティをつくりあげ、そこで自社の製品情報を共有してもらっているのです。
事例2)Sub-Zero and Wolf Appliance社
Sub-Zero and Wolf Appliance社は、調査の結果、顧客の多くがすでにFacebookユーザーであることを確認したうえで、ブランドのFacebookページを立ち上げることにしました。このFacebookページでは、キッチンデザイン、レシピ、その他の関連トピックについてのコンテンツを読むことができます。同社は、現在の顧客と潜在顧客、キッチンデザイナーとSub-Zero and Wolfのディーラーからなるエコシステムをつくりあげ、これらの人々が同社のFacebookページで議論に参加し、またコンテンツを共有することができるようにしたのです。
おすすめとクチコミの効果を増やす
あなたがFacebook上で行うアクションは、すべてニュースフィードに通知され、そこに表示され続けますので、Facebookでは何をやってもバイラルな効果が得られる。人々は、Facebook上の出来事についての情報は、友人を通じて入ってくるものと思っている。友人に対してお勧めしてもらうことを、一つの独立した目標と考えるのではなく、あなたがFacebook上で行うすべての活動とキャンペーンに、人々のあいだでの情報共有という要素を組み込んでおくべきだ。ここでは、クチコミとオススメの効果を増幅させるためにFacebook上で使えるツールをいくつか紹介する。
おすすめとクチコミの効果を増やすための5つのステップ
1.あなたのFacebookページを「いいね!」してもらう
a. あなたと顧客のあいだに、コミュニケーションのチャンネルが開かれる
b. あなたのブランドと「いいね!」してくれた個人のあいだに、一つの絆をつくる
2.みんなに共有してもらえるようなすばらしいコンテンツをつくり、つねに鮮度を保つ
a. 共有したいと思ってもらえるように、動画コンテンツをポストする
b. 記事投稿スケジュールを書き込んだカレンダーを使い、そこに、既存の製品アナウンスとプロモーションも書き込んでおく
c. 双方向型の対話に、積極的に参加する
3.ソーシャルプラグインとグラフAPIに、「いいね!」ボタンを組み合わせ、オンラインであなたがもっているすべてのプロパティについて、また顧客が何かを購入したときには常に、「いいね!」ができるようにする
a. アクションがニュースフィードに通知されたり、コンテンツがスポンサー記事で利用される機会が増える
4.Facebook広告とスポンサー記事を使って、クチコミの効果を増幅させる
a. あなたのブランドのメッセージが、あなたのターゲット・オーディエンスに対して、あなたのビジネスに参加経験のある友人についての記事とともに呈示される
5.学習し、反復する
a. Facebookページインサイトを使って、人々が参加したり共有したりする際に、どのコンテンツに最も興奮したのかを確認
b. キャンペーンレポートを使って、どのタイプの企画やターゲティングが、最も有効だったかを確認
事例1)Silly Bands社
Silly Bands社は、ファンを100万人獲得し、顧客と自社製品とのあいだのインタラクションを可能にしたいと考えました。そのために、同社は、複数のFacebook広告を組み合わせて使い、また、自社のウェブサイトにグラフAPIを組み込んで、製品ごとにLikeボタンをつけました。これによって、誰かがどれか一つの広告をクリックしたり、どれか一つの製品に「いいね!」をしたりするたびに、その人の友人全員に対して、そのことが通知されるようになり、強力なバイラル効果が得られるようになったのです。その結果、Silly Bandsは、目標としていた100万人を超えるファンを獲得し、顧客が最も興奮する製品がどれなのかについて、多くの情報を得ることができました。
事例2)Healthy Choice社
Healthy Choice社は、同社のFacebookコミュニティの規模を拡大し、もっと多くの人々に同社の冷凍食品を試食してもらいたいと考えました。そこで同社は、革新的な累進的クーポンキャンペーンを張りました。つまり、Healthy Choice社のFacebookページを「いいね!」し、クーポンにサインアップする人の数が増えるにしたがって、クーポンによる割引額が増えていくというキャンペーンです。これによってバイラル増幅効果が生まれました。このキャンペーンでは、人々のあいだにキャンペーンの情報を多くの人と共有したいというインセンティブが生まれますので、結果としてHealthy Choice社は自社のFacebookページに約6万人の訪問者を集めることができました――これは、キャンペーン実施前のファン層が900%増大した計算になります。そしてまた、5万枚のクーポンを配布することができました。
顧客のことをもっと知る
Facebookでは、顧客のアクションを観察すること、それから、顧客と直接やりとりすることによって、顧客のことをより詳しく知ることができる。Facebookは、顧客がどういう人たちなのか、あなたについてどう考えているのかを知るのに、大変すぐれた場所だ。Facebookを使えば、顧客をあなたの製品開発サイクルとマーケティングキャンペーンの中に組み込み、迅速に反復することが容易にできる。しかもすべてリアルタイムで、かつグローバルに実現する。そうやって得た顧客についての知識は、あなたと顧客が連携するのを助け、あなたのビジネスの改善に役立つはず。
顧客のことをもっと知るための5つのステップ
1.広告キャンペーンにキャンペーンリポートを使い、またスポンサー記事も使用
a. さまざまなターゲティングオプションを使ってみることで、オーディエンスについての知識を増やす
2.Facebookページインサイトから学ぶ
a. あなたのFacebookページに関心のある人がどんな人なのか、何に関心をもっているのかを確認
3.あなたのFacebookページ上で行われた双方向型の対話から学ぶ
a. Facebookクエスチョン、Fcebookアプリ、記事投稿機能を使って、観察し、人々の声を聞き、返事をする
4.FacebookのログインとAPIを、あなたのオンライン測定ツールと組み合わせて使い、そこから学ぶ
a. 顧客個人個人の行動、参加、購買を追跡する
5.さらに上級のキャンペーン指標を使う
a. 大規模な広告キャンペーンを実施する際には、(可能なら)ニールセンブランド効果調査を使って、あなたのキャンペーンがブランド構築の目標に対してもつ有効性を追跡する
事例1)1-800-Flowers.com
1-800-Flowers.comはグラフAPIを使って、自社のウェブサイトに掲載してあるすべての製品にいいね!ボタンをつけています。同社はこれまで、各製品の人気に基づいて販売および製品開発の意思決定を行ってきましたが、それに加えて、現在では、自社のFacebookコミュニティに対して、同社のブランドからどんな新製品を見たいか、という質問を頻繁に投げ、各種の広告最適化モデルを用いて、自社ブランドにとって最善の企画、ターゲティング、それからFacebook広告とスポンサー記事の組み合わせ方を決めるようになっています。
事例2)VisitBritain社
2010年3月、VisitBritain社は、ブランドの知名度をアップさせ、英国への潜在訪問者を惹きつけるためのFacebook広告キャンペーンを張りました。このキャンペーンでは、VisitBritain社のFacebookページ上にあるLove UKというFacebookグループに顧客を集め、そこに毎日、英国に関する記事をポストして、訪問者に議論してもらいました。これにより、同社は顧客についての知識を増やすことができ、また英国についての議論が白熱することになりました。ただの広告板では、それを見た人が広告を気に入ったかどうかを知ることはできませんが、VisitBritain社は、Facebookなら、たいした費用をかけずとも、記事を書いて10分もあればそれを読んだ人が記事内容を気に入ったかどうかを知ることができるという事実を確認することができたのでした。
上記資料は現状でかなり変更がなされている。現状にできるだけ近いものとして下記にURLを列挙している。2012/9/19
About Facebook
Newsroom:http://newsroom.fb.com/
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次回は様々な事例から見えてきた最近のFacebookマーケティングメソッドについてまとめてみたい。
- 1 Best Practice Guide Marketing on Facebook
- 2 Introduction
- 3 はじめに
- 4 The Facebook ecosystem
- 5 Facebookのエコシステム
- 6 Five guiding principles
- 7 5つの基本指針
- 8 Facebook by Objective
- 9 製品開発とイノベーションを促進する
- 10 製品開発とイノベーションのための5つのステップ
- 11 注目を集める
- 12 注目を集めるための5つのステップ
- 13 気に入ってもらう、差別化をはかる
- 14 気に入ってもらう、差別化をはかるための5つのステップ
- 15 集客と売上を増やす
- 16 集客と売上を増やすための5つのステップ
- 17 お得意様をつくり、関係を深める
- 18 お得意様をつくり、関係を深めるための5つのステップ
- 19 おすすめとクチコミの効果を増やす
- 20 おすすめとクチコミの効果を増やすための5つのステップ
- 21 顧客のことをもっと知る
- 22 顧客のことをもっと知るための5つのステップ