AndroidのFacebookメッセンジャーアプリがアップデートされ、Facebookアカウント無しで利用できるようになりました。
利用するにはMessenger for Androidをインストールし、名前と電話番号でサインアップします。アプリがアドレス帳を参照し、Facebookを使っていないユーザーとメッセンジャーができるようになります。
Starting today, you can create a Messenger account with just your name and phone number, and start messaging your mobile contacts.
Just install the app and tap Get Started to reach your contacts faster, start group conversations, share photos and more.A New Way to Sign Up for Messenger for Android—Facebook Newsroom
このサービスは、まずインド、オーストラリア、インドネシア、ベネズエラ、南アフリカから始まるとForbesが報じています。
Facebook is only making this feature available in countries such as India, Australia, Indonesia, Venezuela and South Africa to start.
Facebook Messenger Takes On SMS, With No Account Needed—Forbes
何となく、似てるサービスがあると思いませんか? 私は見たとき「LINEだ!」とびっくりしたのですが、よくよく考えてみると、もっと遠いものを狙っているのではないかと思いました。モバイルコミュニケーションの王者『SMS』です。
SMSはお互いの電話番号宛にメッセージを送ります。Facebookの新しいメッセンジャーも、電話番号を参照していますね。
FacebookのPeter Deng氏は、このメッセンジャーアプリのリリースに際してLe Webで以下のように述べています。
「SMSプロトコルは20年前に開発された。このテクノロジーは携帯電話にGPSも、タッチスクリーンも、カメラも装備されていなかった時代のものだ。そこでわれわれはFacebookのメンバーでないユーザーも最新の携帯電話テクノロジーのメリットを享受できるメッセージ・システムを提供する努力をすることにした」
FacebookがFacebookアカウント必要なしのAndroid向けメッセンジャーを発表―名前と電話番号だけで登録できるようになる—Techcrunch
SMSは必ずしも現代のモバイルに即したものではない、ということです。
私の大学時代の恩師である木暮祐一氏は、現代世界でも流行りつつあるスマートフォンについて以下のように定義しています。
「単体で通話・メールが可能であり、汎用的なOSを搭載し、仕様が公開されていることでアプリケーションの追加・開発が自由にできる携帯情報端末」
つまり、スマートフォンの実態は手にのるPCなのです。しかもカメラやGPSといった、PCにない機能まで積んでいます。コミュニケーションという機能において、スマートフォンがPCより分があるでしょう。
そうした事情まで汲んで考えると、Deng氏の語る現代のモバイルに即したメッセンジャーが必要となるのではないかと思います。
ポストSMSを狙ったと思われるメッセンジャー改良は、Facebookの今後にどのような影響を与えるか気になりますね。10億人の人口を抱えるインドを、最初に公開する国に選んでいる辺りも、さらなるユーザー数増加を強く意識していると思われます。